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ディバイン・セイバー ~ゲーム開始時点で既に死んでいる盗賊Aだけど、ヒロイン達だけは不幸にさせない~  作者: 岸野 遙
第三章・第六話 ぱんつは好きなんだけど、脱いでくれたらそれはそれで素晴らしいじゃない
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123 いよいよ第三の試練なんだけど、僧侶は出来る限りパンツの妖精の話を聞きたくない

ご愛読感謝の一週間連続更新、開催中です☆


 パンツ神経衰弱は、裏返し(うつ伏せ状態)で置かれたパンツをトランプのようにめくって、神経衰弱をするゲームだ。

 もちろんパンツなので、裏返してあっても色やサイズ、質感や縁取りの違いなどが丸見えです。

 ぶっちゃけ、幼児向けの絵合わせゲームレベルの難易度ですな。

 第一の試練よりはるかに簡単。試験官であるパンツの妖精Mのやる気のなさの現れじゃないかとwikiでは予想されてます。いいぞもっとやれ(やるな)


 そんなに簡単な試練だからこそ、セーナに難なくクリアされちゃってオレの出番がなかったんですけどね……!

 オレなら、パンツの裏側だけで持ち主を全て当てられるというのに。くそぅ、くそぅ。

 でも真っ赤になって怒るセーナさんには逆らえませんでした。はい。

 せめて、持ち主当てゲームだったらセーナで分からないからオレの参加が必要になったろうになぁ。とほほ。


……分からないよね?


「ここはいったい何なのですか、まったく……」


 据わった目に、怒りの呟き。

 見るからに不機嫌そうなセーナが、真っ赤な顔でぶつぶつ言いながら神殿の通路をずんずんと進んでいく。

 ちなみに第三通路と第三の部屋は、黒です。美女のパンツを彷彿とさせる、艶のあるブラック。


「聞いていますか、ハルトさん!」

「は、はい。聞いています、はい」


 おーこわ……

 想定通り(・・・・)、どうやらセーナの好感度は順調に下がっているようだ。

 その証拠に、下がった好感度に反比例するかの如く、セーナの怒りゲージは順調に上がっていた。

 あれ、でもゲームではクエストクリア時にまとめて下がるんだよな?

 まあいいか、下がってることは確かみたいだし。


 パンツ神経衰弱をセーナ一人が難なくクリアし、アイテムをもらって第二の妖精の部屋を後にしたオレ達。

……なぜだかよく覚えてないんだが、この様子だと第一の試練もセーナが一人でクリアしたのかもしれないなぁ。


 いやでも、第一の試練は第二試練より遥かに難しいよな?

 ペナルティとかなく再チャレンジ可能だし、何度もやり続ければそのうちクリアできるようにはなってるけど……うーん、セーナに解けるものなんだろうか。

 問題を解くために何度も美少女のパンツを嗅ぎまくるセーナさん。想像すると――なんだか隣から殺気を感じるので想像してません、大丈夫です。清廉潔白です、はい。



 ともあれ、二つの試練は突破し、神殿の第三通路を進むオレ達。

 機嫌の悪さは怖いけれど、ここまでの試練など前座に過ぎないのだ。

 次の試練こそ、セーナに頑張ってもらわなければならない。主に()CGのために。

 セーナしか挑戦できないとは言え、前向きにご参加いただけるよう、気を引き締めていかなきゃな!


 あ、生CGってのは、ゲームでCGだった場面を生で見るってことだからね?

 スクショ撮れないのが非常に口惜しやです、はい。


「……また何か、変なことを考えていませんか?」

「そっ、そんなことないです!

 次の試練も頑張ってください!」

「ええ、もちろんです。ハルトさんに、その、参加させるわけにはいきませんからね」

「はい!

 自分は後方から見学してますので、セーナさんにお願いいたします!」


 セーナの生CG(お姿)、是非とも見たいです!

 他の人に見られるのは嫌だが、ここならそんな心配もない。観客席から独り占めですね!



 真っ赤な顔でそっぽを向くセーナは、それはそれで綺麗で可愛いけれど。

 不機嫌ゆえの表情と思うと、少し申し訳なくも感じる。


 そんなことを考えつつ、やがて通路は終わりを迎え。

 いよいよ第三の試練へ、オレ達は辿り着いたのだ。




「よーーーっこそ、パンツを愛する同志よ!」

「同志よ!」「違います」


 両手を広げて出迎える第三のパンツの妖精。

 それに対し、オレとセーナが真反対の返事を返した。


 あ、セーナさん、睨まないで?

 これ定型文なの、第三のフラグなの、必要なことなの!


「私こそが、パンツの妖精三人衆の最後の一人、パンツの妖精Lである、同志よ!」


 これまで犬、虎ときて、三人目のパンツの妖精Lはハニワである。

 もはや生物ですらない。顔は上が閉じた円筒に穴が三つ開いただけのハニワ、体は遮光器土偶(女性系)の土色ボディで、身に着けたパンツはハイレッグ(ハイレグ)

 土偶の足を長く見せても何の意味もないのだが、無駄な色気が涙ぐましい。

 ちなみに声は中性的です。あと、頭にもハイレッグを被っているけど、耳がないので激しい運動をすると抜けちゃいます。


「自己紹介なしで試練の説明をしてください」


 おお、セーナさんがすっごいやる気だね?

 紹介をぶったぎって、ぐいぐいいっておる。


「ふふっ。パンツが待ちきれないのだね、同志よ!

 いーいだろういいだろう、説明しようじゃーないか、同志よっ!」

「同志ではありませんが、説明をしてください」


 セーナの言葉に、無表情のまま受け答えするパンツの妖精L。

 というか土器(ハニワ)なので、表情とかないです。頷いたり、手を動かしたりすることもないです。なんとなく跳ねたり、なぜか回転したりするだけ。

 でも変態的な歓喜は感じられるので、問題ないと思います!


「愛の試練、第三すてーーっじ!


 ぬぎぬぎ☆ パンツ大合戦んんんっっ!!」


 ばばーん、という効果音がどこからか鳴り響き。

 ハニワが無表情のまま、試練の内容を宣告する。


 真顔のセーナさんは、ハニワの顔面に開いた空洞の目や口を無言で見つめていた。

 どっちも無表情過ぎてちょっと怖いです……!


ぱんつの「ぬぎぬぎ☆ パンツ大合戦!!」


とうぞく「ノリノリのパンツワールドで波に乗れないセーナさんかわいそう」


そうりょ「変態と同類になるくらいなら出家します」


とうぞく「もう出家してるから……!」


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