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ディバイン・セイバー ~ゲーム開始時点で既に死んでいる盗賊Aだけど、ヒロイン達だけは不幸にさせない~  作者: 岸野 遙
第三章・第六話 ぱんつは好きなんだけど、脱いでくれたらそれはそれで素晴らしいじゃない
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116 盗賊はノリノリで神殿の説明をしたんだけど、僧侶はニコリとも笑ってくれない

  ~ 前回のあらすじ ~


ハルト「死ぬまで、あなたと共に添い遂げることを誓おう」

セーナ「は、はい……わたしも」


ハルト「我がパンツ愛を、ここに宣誓する!!」

セーナ「………………は?」



セーナさん、今から爆発します。


「つまり最初の呪文から先ほどの宣誓まで一体全体どういうことでらしたのか改めて理解力の乏しいわたくしめにお教えいただけないでしょうかハルトさま」


「お、おう?

 いや、複雑なことは何もないからな?」


 なんだか硬い声でオレの手を握りしめるセーナに驚きつつ、ちょっと説明足りてなかったかな?と反省。

 改めて、愛の神殿の入場方法について詳しく解説しましょう。



 まず最初、ここにオレ達が来た時、この場所は石の床があるだけの場所だった。

 その石の上で、男女が二人パーティを組み、二人で呪文を唱えることで祠と台座、柱が出現する。


「あの呪文は、世界中に散らばる愛の信者達を探し出し、それぞれから一文ずつ聞かないとならないんだ。

 しかもそれぞれのキャラがいる時期や季節が決まってるし、文章を聞いただけでは正しい順番も分からなくて、まあとにかく全部集めて解読するのが大変なんだよ」


 そのうえ、プレイヤーの名前によって呪文の内容が変化するという、開発会社の『wiki見ただけでクリアできると思うなよ!』精神溢れる隠しダンジョンなのだ。

……なんでそこまで執拗にプレイヤーを苦しめようとするんですかねぇ、この開発会社。大好きです。

 オレも呪文集め終わったの、三周目くらいだったからなぁ。


 ちなみにwikiは、そんな開発会社の『wiki見ただけで略』精神さえも情熱と人海戦術で解読を果たし、最終的に信者達の出現法則や名前ごとの大まかな呪文パターンも割り出されました。

 これぞエロゲーマー魂……というよりは、単純に廃ゲーマーとかそっちだと思う。

 そこまでやってる人たちは、もうパンツイベントを何周も見終わった猛者ばかりだろうし。



 こほん、だいぶ脱線したので解説に戻ろう。


 台座が出現したら、その次は試練に挑戦するに足るだけの愛があることを示さなければならない。

 挑戦者の男女が台座に手を触れた状態で、いかに自分が愛しているかを祠に向けて宣誓するのだ。


「ぱんつあい」

「ああ、どれほどパンツを愛しているか、台座に手をついて宣誓するのさ。

 オレの愛は、試練に挑むに足るものと証明されました!」


 ここでも開発会社の精神が発揮されてるんだけど割愛。


 パンツ愛が認められれば、柱が光を放って、神殿の入り口である光のパンツが現れる(ゲームだと、祠の上にパンツがでーん!と乗っかってる一枚絵です)

 あとは、パンツの中に入れば試練の開始というわけだ。


「と、いうことで。

 これからオレ達は愛の神殿に入り、試練を受けるわけだ」


「パンツ愛の神殿に入って、パンツ愛の試練を受けるんですね?」

「お、おう……?」


 セーナの確認に、ちょっと悩むが――


「まあ、うん。そう言えなくもないかな」


 愛の神殿はここだけじゃないから、ここがパンツ愛の神殿と言っても間違いではないだろう。

 試練の内容にもふんだんにパンツが出てくるから、パンツ愛の試練と言って良いと思う。



 そんな感じで、軽く頷いたオレに対して。


「ふ、ふふ、ふ…………」

「ん? どうしたんだ、セーナ?」



「撲 殺! 魔 導 杖 !!!」


「めそぽたみあぁっ!?」


 どこから取り出したのか、振り下ろされたセーナの鉄の短杖。

 それは狙い違わずオレの脳天に突き刺さり、熟した果実のように頭を弾け飛ばす勢いで、左手の指輪を「ぱりぃん」させたっ。

 ついでに身体は勢いに押されて地面に叩き付けられる(指輪のおかげでダメージはゼロです)


 ちょ、それベルのスキル……!


「ふふ、一命を、取り留めましたか……そうでしたね、そうでした……」


 言葉だけで笑いつつ、無表情のセーナが地に伏したオレを見下ろす。

 顔のすぐ目の前にセーナの足が振り下ろされ、見上げるとセーナのパンツが見え


「この期に及んで、私のパンツ、ですか?」

「はっ、違いますっ!?」


 やべぇ指輪っ、なんでか分からないけれど指輪をはめないと非常に死ぬ気がするっ!


 倒れたまま、慌てて腰の後ろから次の身代わりの指輪を取り出して左手にはめなおす。



「指輪がある限り、ハルトさんは無傷ですから――」


 自分のスカートの中、パンツがオレに見えてしまうのも構わずに、オレの鼻先に立ったままこちらを見下ろして。


 背景に、愛の神殿こと巨大なパンツを背負ったセーナが、無表情のまま口元を歪めた。


「次からは、死なないぎりぎりを狙って打ち据え、その後すぐに回復して差し上げますね。


 大丈夫ですよ、ハルトさん。

 二、三度殺せば(・ ・・・・・)、殺さずに瀕死にする力加減も覚えられると思いますから」


「ちょ、それ何度も死んでる!!」


 まさか、オレへの拷問(こんなこと)のために貴重な指輪を浪費するなんて!



血迷って呟いた(・・・・・・・)私の言葉が、脳の中から消し飛ぶまで。

 何時間でも、お付き合い下さい。


 ねぇ?

 パンツと出会うために生まれ、パンツを生涯愛して、パンツと共に死ぬハルトさん?」




【 しばらく残酷なシーンが続くため、検閲により削除されました 】



身代わりの指輪、残り個数【110個】


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