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ディバイン・セイバー ~ゲーム開始時点で既に死んでいる盗賊Aだけど、ヒロイン達だけは不幸にさせない~  作者: 岸野 遙
第三章・第四話 一回戦から対戦相手が強敵なんだけど、レベル1だからって負けるわけにはいかない
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94 黒の魔剣士は主人公なんだけど、エロゲーの方向性が好みじゃない

 黒の魔剣士、カーロン。

 オスティンと対をなす、もう一人のディバイン・セイバーの主人公である。



 ミリリアを救出し、女神の啓示を受けて聖剣を見つける白の勇者編。

 それに比べると、黒の魔剣士編のストーリーは開幕からわりとハードだ。


 ゲーム開始と同時に、故郷が帝国に攻めこまれた。

 カーロン自身も魔剣を振るって戦うが、力及ばず城から逃げることとなり、大陸中央部に向かう船に乗り込む。

 大陸中央部、北東の港町についた後は、脱出に手を貸してくれた知り合いの勧めで、追手を避けるために大国フェイルアードを目指して移動。

 その途中で魔物に襲われる奴隷商人の馬車を助け、お礼としてターシャを引き取る事となる(実際は、口ごもっている間に押し付けられる)

 そうして、ターシャと二人でフェイルアードにたどり着いたところでオープニング終了。

 そこから、ゲーム開始となる。


 カーロンの旅の目的は、帝国への復讐。

 手にした魔剣の意味合いも知らず、具体的な導きや情報もないまま、ただ復讐を目的に、世界を憎みながら生きていく事となる。


 そういう背景のため、メイデンとの関わり方もオスティンとは異なる。

 セーナやミリリア等のメイデンについては、仲間になる事もなく、その命を奪うことでだけメイデンとの絆を結ぶ事ができる。



 通称、黒い絆。

 もちろんエロゲー的要素もあるんだが、ぶっちゃけオレは大嫌いです。

 その道行きはけして正義ではなく、復讐のため、敵対した相手を滅ぼすためならば容赦はしない。

 結果的にオスティンよりも多くのメイデンと絆を結べるが、仲間にできるメイデンの人数はオスティンよりも少ない。


 ターシャやベル等、一部メンバーとはオスティンのように純愛で絆を結べるので、破滅一直線というわけじゃないんだけど――

 ともあれ、純愛路線が良ければ白の勇者編、それよりももっとダークで暴力的なストーリーが良ければ黒の魔剣士編、ということだ。



 そんな背景を持つ、黒の魔剣士カーロン。

 パーティ編成についてもオスティンと対になっており、お互いにプレイヤーとして自分が仲間にしなかったキャラを、相手が仲間に迎える事となる。


 魔法使いベルと、戦士ネシータ。

 僧侶のセーナと、盗賊サイファ。

 この2組4人は初期にフェイルアードで仲間になるキャラのため、プレイヤーが仲間にしなかった方のキャラを、相手が仲間に加えているのだ。

(ただしセーナはオスティン限定。カーロンがセーナを仲間に加えることは不可能)

 あとはこれに、オスティンなら女騎士のエルマ、カーロンなら元奴隷のターシャを加えた4人パーティが、標準的な初期パーティになります。


 間違っても、勇者(オスティン)女騎士(エルマ)騎士(ディー)老僧侶(ゆの爺)とか、イレギュラー過ぎて誰も選ばないようなパーティにはしないようにしましょう。

 おい聞いてるか、オスティン。イレギュラーなんだからな、バランス悪いんだからな?

 エロゲーで、強制メンバーの女騎士(エルマ)以外は男しか仲間に入れないとか、それっていわゆる縛りプレイだからな?

 エルマと愛の二人旅よりはずっとマシだけど。



 こほん。話を戻そう。

 そんな感じで、オスティンと対をなすもう一人の主人公、黒の魔剣士カーロン。

 復讐に燃え、他人を憎み、メイデンに害を為す存在であるカーロンの動向については、オレも注意していた。

 だが、フェイルアードの酒場で見かけた事もないし、もちろん街中等でも見たことない。

 武闘大会に向けての準備も忙しかったし、最近は気にすることもなくなって、正直に言って存在を忘れていたんだが――


「間違いなく、強敵だ」


 素質で言えば、勇者であるオスティンと同等。

 武器も聖剣と同格である魔剣。

 単純な筋力や体力はオスティン以上で、とてもじゃないがレベル1で太刀打ちできる相手じゃない。

 ある意味で、アズサ以上に厄介な相手だ。


「お待たせしました、兄上。

 拙者の試合は、明日のようでおります」

「ああ、一回戦でアズサと当たらなくてよかったよ」

「まだそんな消極的な事をおっしゃるのですか、兄上。

 拙者は今すぐにでも兄上の胸をお借りしたいし、兄上に拙者の全てを受け止めてほしい気持ちで、胸が斬り裂きそうでおりますよ?」


 そこ、張り裂けそうじゃないんだ……この東方め。


「オレがアズサよりずっと強くなったら、その時になー」

「むう……では拙者は、その兄上よりさらに強くなっておりましょうぞ」

「なら、いつまでも戦うときは来ないな」


 笑いながら答えたら、ちょっと拗ねた顔で強く足を蹴られた。


――って、今ぱりんって言った、ぱりんって言ったぞ!?

 こちとらレベル1なんだぞ、やめて下さい死んじゃいます!


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