いちな、訪問者の館に宿泊する!
「こちらにもあるんですよ…。科学ってやつ」と言いずらそうに答えた。
「えっあるの?あっあれ?じゃあ、なんで電気通ってないの?」
いちなの疑問にジーナはエヘヘと言いながら
「いわゆる『趣味』ってやつですね。」
いちなはジーナの言っている意味が分からず???という表情になる。
それをみたジーナは言いずらそうに答えた
「ここの区域を管理している王子様の趣味といいますか…。なんといいますか…。」
いちなは、確かアベリーさんは王立~って言って紹介してくれたからここは王国なのかな?と考えていると
「昔からロストの方はこの区域によく迷われてくるらしくて、せっかくだから皆が想像しているっぽい『異世界』感を醸し出そうとしているらしいですよ?」
とジーナ自身も誰かの受け売りの言葉だったらしく疑問文で言われた。
一通りの会話も終わったので、ジーナは気を取り直して
「また、夕食の時間にお部屋にお知らせに来ますね。明日以降色々と説明が始まると思いますので、今日はゆっくりとお過ごしください」と言うとお辞儀をして部屋を出て行った。
夕食はニーナさんが呼びに来てくれた。こちらの食べ物は口に合うかな?と心配したけれどおいしくいただきました。ロストの人用の味付けもできるらしい。フランクさん、ニーナさん、ジーナさんは社員用の食堂で食べた後女の子が帰宅して夜間の従業員?の方と交代するみたい。フランクさんは、私がここに滞在する間は一緒に滞在予定だそう。ご家族がもしいたら、本当にごめんなさい。
次の日の朝、いつもより早く目が覚めたので部屋の備え付けのバルコニーで外の風景を見る。うん、森だね。何もない。緑だよ。目が良くなりそう。異世界というよりも避暑地に来た感じがする。
パジャマと下着は昨日ジーナに用意してもらったけど、服の着替えをどうしようか迷っていたら、ノックが聞こえる。
「はい、どうぞ~」と言いながらいちなはドアを開けた。
ドアの外には、少し年配の女性がいた。ジーナと同じ制服を着ているので多分、夜勤の人なんだろうなと思いながらその女性が話すのを待った。
「おはようございます。私はドロシーと申します。いちな様のお洋服を用意しました。サイズが合わない場合はすぐに取り替えるので今着替えてもらっても大丈夫ですか?」
とドロシーさんは私に服を渡しながら言ったので、すぐに着替えた。
シンプルな紺色のAラインの長袖でくるぶしまであるワンピースだった。
いちなは着た姿をドロシーに見せると
「とてもお似合いですよ。若いからもう少し明るい色でも良かったかもしれませんね。」と自分の娘のような感想を言った。
「昨日の服は洗濯しているので今日の夕方に返却できると思います。さて、朝食も準備できているのでもしよければこのままお食事にしませんか?」
「あっ、はい。よろしくお願いします」
そのままいちなはドロシーの後についていき昨日の夜ぶりの食堂に行った。
最後までお読みいただきありがとうございました。