いちな、訪問者の館に行く!
「おおきい・・・」
お金持ちの家みたいな大きさだったので思わずつぶやくと
「そうですね。最大10名程が生活できるような造りになっているんですよ」
とテリーザさんは教えてくれた。
そのままドアを開けると、広い玄関がみえた。
エントランスには、三人の従業員らしき人が待っていた。
一人は男性で二人は女の子だった。
「リーンさんそちらの方が…。」
気難しそうな男性がテリーザに声をかける
「はいそうです、ロストです。」
おぉ~と言う表情をしたあと改まっていちなを見ると
「ようこそ訪問者の館へ、私はこの施設の管理責任者フランク・コリーと申します。
後ろにいる二人は館の管理を任されているジーナとニーナと言います。ほら、二人ともご挨拶してください」
フランクに声をかけられた二人ははーいと言った後少し前にでて
「初めまして、ジーナです。17歳です。今は見習いでこの館で働いています。よろしくお願いします」 しっかりとした口調でいちなをみるとニコっと笑った。
「初めまして、ニーナでっす。あっ噛んじゃった。じゅっ18歳です。ここの従業員です」
「ジーナの先輩です!」
「ニーナ先輩大切そうなところ噛まないですね!」
少し、奥手な感じのニーナとしっかり者のジーナは仲がいいみたいだった。
「初めまして、高橋いちなです。今日、突然来てしまってすみません」
いちなも急なスケジュール変更があったであろう三人に謝罪と自己紹介をした。
「いえいえ、施設の本来の姿に戻るだけなので気になさらないでください」とフランクに言って貰たのでいちなは少し安心した。
その様子をみていたテリーザは
「それでは、フランクさん後の案内と説明を引き継いでもらっても大丈夫ですか?」
「はい、私におまかせください」
「ではいちな嬢、私はこれで失礼します。正式な説明や担当者は後日こちらに来ると思いますのでその時は、よろしくお願いします。私も時々様子を見に来ますね!」
テリーザの心遣いに感謝し、いちなはおじぎをした。
彼女が館を去った後すぐにフランクが館の案内をしてくれた。
館は簡単に言うと部屋が8室と食堂、大浴場、皆が集えるサロンなど必要な部屋がつまった感じだった。いちなは部屋の中でも一番いい部屋を用意してもらったようで、浴室と洗面台とトイレが備え付けられていた。
ジーナが一緒に部屋の中に入り各々の使用方法を説明してくれた。
やはり、やはり動力は「魔法」だった!
いちなはジーナが魔法で水道を出したりするのを見て一人でうぉ~とかへぇ~とか感心していたので最後の方は苦笑いをしながら
「いちな様の世界は本当に魔法って存在しないのですね」と言った。
いちなは興奮しながら
「ないですよ!私の世界は科学が…。」と説明しようとすると。
ジーナが「実は…。」と言いながら
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