愛人兼従者の駄女神
以前に投稿した話を加筆訂正しました。
読んで貰えたら嬉しいです。
「貴方はRPGゲーム【異世界で差別をする愚か者を百回断罪しよう】の多くのプレイヤーの中で一番最初に百回の断罪を実行されました。つまりコンプリートクリアを達成されました。褒美としてRPGゲーム【異世界で差別をする愚か者を百回断罪しよう】をリアル体験させてあげます。充分に楽しんで下さいね。これは神々の定めた決定事項ですので、当然拒否は出来ません。取り敢えずゴメンナサイと謝罪しておきます。お詫びとして最強の装備を授けます。降魔の剣・星の兜・大地の鎧・防魔の籠手・光速の足具・魔力の腕輪などの別のRPGで魔王討伐時に装着していた勇者の装備です。更にオマケで落ちこぼれの駄女神を従者として付けます。それでは良い旅を』
俺は真野神人。ゲーマーだ。
一番最初にコンプリートクリアしたら、強制的に異世界転移させられた。
「・・・・何だよ。このド田舎」
気が付いたら、フル装備で何にも無い草原に居た。
「・・・・ふざけるな」
神々だか何だか知らないが、人をこんなド田舎に異世界転移させやがって、覚えていろよ。
ちなみに俺は無神論なので、神様なんか信じていない。
「申し訳ありません。上級神の方々は我が儘な上に娯楽に餓えているんです」
「誰だ。お前」
背後から突然に声を掛けられたので、振り向くと若い女性が居た。
「私は」
「分かった。背後霊だな」
思わずツッコミを入れた。
「違います。私はサポア。背後霊ではなく、貴方の従者にさせられた駄女神です」
「自分で駄女神って名乗ってんじゃねえ」
再びツッコミを入れた。
「スミマセン。他の神達から駄女神と言われ続けていたもので、いつの間にか自分でも駄女神と名乗るようになっていたのです」
「・・・・不憫な奴」
この女神はあまりに不憫だ。
「一生懸命仕えますので、これから宜しくお願いします」
「あぁ、宜しく。ところで装備だけでチート能力は授けて貰えないのか」
「はい」
即答かよ。
多少不満だが、俺は剣道三段なので、剣技には自信があるから良いか。
「まぁ、いいか。駄女神、近くの町か村に案内してくれ」
「駄女神って呼ばないで下さい。私はサポアです。きちんと名前で呼んで下さい」
「自分で駄女神って名乗ったじゃねえかよ」
三度ツッコミを入れた。
「私は仮にも女神なんですから、少しは敬っても良いじゃないですか」
「どうして駄女神を敬わないといけないんだよ」
「だから駄女神って呼ばないで下さい」
「分かったよ。駄女」
「もっと酷いじゃないですか」
「面倒くさい奴だな。それなら駄で良いな」
「・・・・駄女神で良いです」
「最初からそう言えよ。駄女神」
「・・・・」
「・・・・?どうしたのですか。私をそんなに見つめて」
「お前、俺の愛人になれ」
「いきなり何ですか。質の悪い冗談はやめて下さい」
「本気に決まっているだろう。こんな事を冗談で言えるか」
「お断りします」
「お前は俺の従者だから、拒否は認めねえ」
「絶対に嫌です」
「何度も拒否ってんじゃねえ」
「い、嫌です。絶対にお断りします」
「いいから早く服を脱げ。それとも脱がせて欲しいのか」
「い、嫌です。赦して下さい」
「うるせえ。抵抗するな」
「い、いや、いやぁああ」
「・・・・無理やり性行為に及ぶなんて、外道、鬼畜、強姦魔」
「悪かったよ。お前があまりにも好みだったから、我慢出来なかったんだよ」
「・・・・そんな事を言っても、誤魔化されませんよ」
「マジで好みなんだよ」
「・・・・それでも無理やりは酷いですよ」
「本当に悪かったよ。猛省するから、赦してくれ」
(使命の為です。我慢。我慢よ)
「・・・・分かりました。今更何を言っても、無駄ですからね。だけど愛人にはなりませんよ。このツンデレ」
「俺はツンデレじゃねえ」
「それでは改めて、宜しくお願いします」
「あぁ、宜しく頼む」
こうして駄女神の愛人兼従者と共に異世界の旅が始まった。