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明神男坂のぼりたい  作者: 大橋むつお01
99/109

99〔The Summer Vacation・6〕

明神男坂のぼりたい


99〔The Summer Vacation・6〕 


                 



『AKR47 鈴木明日香の24時間』


 このありがたくも「あんたら、そこまでヒマなんかいな!?」と言うテレビ取材の話は、昨日ユニオシの事務所から。実質業務命令の依頼できたもの。



 お母さんは嫌がったけども、お父さんは喜んでる。仕事柄、家に引きこもりみたいな毎日を送ってるお父さんにはいい刺激と宣伝の機会。


 いそいそと座卓の上に10冊ほどの自分の本を並べだす。低血圧のお母さんは、夕べ眠剤を飲んで早起きに努力の姿勢。



 あたしは、夏休みは早起きの習慣がついている(一時間でも早く起きて、休みを満喫しようという根性)ので、朝の6時にクルーが来た時には、すでに起きていた(^o^)V。



 クルーは寝起きのブチャムクレ明日香を撮りたかったらしいけど、残念でした。ハーパンにカットソーに、セミロングをポニテにして、お目目パッチリの迎撃態勢。さすがにお母さんも起きたけど、こっちは完全なブチャムクレ。三階で身づくろいと化粧にかかる。



「アスカちゃんは、いつも、こんなの?」


「はい。時間もったいないから、夏休みとかは早いんです」


「あ、朝ごはん自分で作るんだ」


「はい。うちは家族三人だけど、起きる時間も朝ごはんの好みもバラバラ……え、お父さんも一緒に食べるって!?」


 いつもは別々に食べてる朝ごはんをいっしょに食べる。ト-スト焼くとこまではいっしょだけど、お父さんはハム乗せてコーヒー。あたしはトーストの上にスクランブルエッグ載せてインスタントのコーンポタージュ。食後の麦茶は常温のにしといた。こないだみたいにお腹の夏祭り撮られたてはかないません(^_^;)。


「もう30分早かったら、朝シャワー撮れましたよ(^_^;)」


 そう言ってから、メールのチェック。麻友だけが「お早うメール」で、美枝とゆかりは「おやすみなさい」のまんま。


「学校の友達とは、ずっとメールのやりとり?」


「はい、夏休みになってから、ずっとお仕事ばっかりで、クラスの友達とは会えないから、お早うとお休みだけはやってます」


 それからSNSのチェック。「お早うございます(^▽^)♪」と、取材クルーの写真付けて送信。


「ラジオ体操行きます?」


「アスカちゃん、ラジオ体操やってるの?」


「まさか、小学校までですけどね。たまにはええんちゃいます?」


 9時にカヨさんちに行く約束してあるので、それまでの時間稼ぎ。


 ラジオ体操はもちろん明神さまの境内。


「男坂駆け上がりま~す(*^^)v」


 坂の上と下にカメラ、両方にピースして、爽やかに駆け上がる。


 上がったところに箒を持った巫女さん……はいいんだけど、さつきと出雲阿国がだんご屋のノボリ持ってピースしてるのは不自然でしょ!


 テレビのクルーといっしょに行ったら、みんながびっくりしてた。半分はお年寄りなんだけど、子どもたちも混じってる。高学年の子たちは、昔いっしょにやった顔見知り。自分で言うのもなんだけど、明神男坂が出した初めてのアイドル。自然な形でどこに行ったら、いい絵が撮れるかは承知してます。


 五年ぶりに子供たちの組に混じってラジオ体操。終わったらスタッフが用意しているカードにサインしてあげる。ここで40分も尺とったけど流れるのは、せいぜい一分だろなあ。


 家に戻ると、お母さんがいつもの倍くらい身ぎれいにして、掃除と洗濯。「あら、やだ、いつの間に来られたのかしら~!」しらこいことを言いながらスタッフにお愛想。時間つぶしに両親のインタビュー。これもあらかたカットされるんだろうなあ……親の努力がけなげに思えたころに時間。


 アキバのジャンク通りまで自転車。スタッフの半分が付いてくる。


 神田白山線(都道452号)に出て北に向かう、ランドマークの昌平小学校が見えるあたりでカヨちゃんが待ってくれているはず。


 カヨちゃんの家は初めてなんで、迎えに来てくれてることになってるんだ。


 で、角を曲がるとえらいことになっていた……!?

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