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明神男坂のぼりたい  作者: 大橋むつお01
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89〔テストの終わりと、その始まりと〕

明神男坂のぼりたい


89〔テストの終わりと、その始まりと〕 





 出来不出来にかかわらず、テストの最終日、終わった瞬間は嬉しい!


「ウワー!」「終わったあ!」「ホエー!」「やったー!」という感激と開放感と、達成感やらやけくそやらのため息とも歓声ともつかない言葉が教室に満ちた。


 AMY三人娘(明日香 美枝 ゆかり)と麻友とで、放課後カラオケに行く話がまとまった。その直後担任のガンダムが入ってきてホームルーム。終業式までの短縮授業の説明。


――なんでテストのあと休みにしないかなあ――


 両親揃って元教師というあたしは、昔の学校は期末テストが終わったら試験休みがあったのを知ってる。週休二日制になって授業時間が足りないというので、期末テストのあとも授業をやるようになった。


 だけど、週に二回7時間目の授業をやったり、土曜に検定なんか持ってきて、実質的には不足分は消化されてる。納得できないんだけど、元来「そのとき少女」。とりあえず、今日が楽しく乗り切れたら、それでいい!


「えーーーと、このあと文化祭についての取り組みを話し合わなくちゃならないんだけど、安室、南、なんかあるか?」


「あ、うちはサンバて決まってますから、企画書も生徒会からもらって書けてます」


「あ、そうだったな。じゃあ……なにか係とか決めることないのか?」


 どうやら、ホームルームは30分ぐらいはやらなくっちゃならない縛りがあるみたい。


「細かいことは、いくつかありますけど、よそのクラスの出方も見たいですから……まあ、サンバのリーダーの決定ができた方が……いいかな?」


「あ、それ、あたしがやります!」


 麻友が立候補。あっさり決まってしまう。


「サブリーダーが、何人かいると思うから、あたしと美枝と明日香の三人で、さっそく今日からやります」


 カラオケに、サンバの実技講習という名目が、あっさりついてしまった。


 結局、机を整理して、みんなで掃除しておしまいになった。よそのクラスよりも早く終わってラッキーだった。


 食堂で燃料補給してる時に関根先輩からメール――今日はなんか予定あんのか?――


 ムム


 ちょっと心が動いたけど、カラオケのスケジュールが決まってるんで――残念無念! 文化祭の稽古が入ってますm(_ _)m――と無念のメールを返す。


 燃料補給して、すぐにカラオケに出張る。


「まあ、時間はたっぷり。サンバの前にテンション上げよっか!」


 セロテープと女子高生の屁理屈は、どこにでもくっ付く、あたしらは二時間ほどノロノリで歌いまくった!


「ちょっとは、サンバもしとこっか?」


 ゆかりが、そう言ったときは、もう4時前。


「じゃ、基本からいくわね」


 麻友が立ち上がって、基本のステップを示してくれた。


 ここまではよかった。


 次に体をスクランブルさせるような独特のシェイクの練習に入ったとき、美枝がしり込みをした。


「あたし……できない」


「美枝?」


 一瞬なんのことか分からなかった。麻友は、いっそう分からない。


「あたしが代わって言うわ。いいね美枝?」


「……うん」


「あたしたちだけの秘密にしといてね……美枝……妊娠してんの」


「「「………………!?」」」


 空が落ちてきたみたいなショックだった……!

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