表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ロボットになり損ねた男子の過ごし方

作者: かっぺ1号
掲載日:2019/05/15

*某Youtuber とは関連性はありません。


桜が開花してから1ヶ月ほど経っただろうか?

東北地方の太平洋側に属しているこの県も、御多分に洩れず見事に満開に咲いた。

県庁所在地から幾分か離れた山奥の麓にあるこの町にも、

春の知らせはやってきた。

もう春か。新学期が始まる。

大型の10連休が終わり、時代は平成から令和に変わった。

志新たに、新生活を始めた人もいっぱいいるんだろうな。

ふとそんな思いが込み上げてきた。

それと同時に自己嫌悪の波もやってきた。

”何やってんだろうな。僕。どうしてこうなったんだろう?”

部屋の一角にある窓から陽が差してきた。

カーテンはないから、陽の光がそのまま部屋の中に入ってくる。

明るい日射し。それとは、対照的に暗い闇に染まった僕の心。

やめた、やめた。もうこんなことを考えるのは。

こんな暗いことばかり考えていてもどうしようもない。

そう頭では分かっていても、不定期に何度も闇が襲って来る。

気分転換を図るために、新聞でも読もうかな。

そう思って、階段を降りて1階に向かう。

父も母も仕事に出かけたから、今はこの家には僕しかいない。

恐る恐る誰もいないことを確かめてから行動を開始する。

今日もまた一日が始まった。


1階の奥にある居間に向かう。

居間は8畳ほどの広さ。その真ん中にテーブルが1つ置いてある。

テーブルの上には無造作に、

テレビのリモコン・エアコンのリモコンが置いてある。

床にはくちゃくちゃになった新聞があった。

くちゃくちゃになっていても全く気にせずに、テーブルに広げて読み始める。

毎朝、新聞を読むのが僕の日課だ。

同年代の奴らから見れば、年寄りくさいとか思うんだろうな。

でも、今の僕にはもうそれが習慣になっている。

いつからだろうか?

まずは一面に目を通す。裏返しして、次はテレビ欄。

そこから一面に向かって1頁ずつさらっと目を通していく。

特にお目当てのものがあるわけじゃないけど、さらっと全体に目を通す。

そうすることで世間では何が今、起こっているのかが分かる。

約10分ほどで終わる。

新聞を読み終えたら、台所に向かう。

朝ご飯を食べる。

シンクの下にある引き出しを開けて、中を確認する。

食パンがあるかないかを確認する。

僕はご飯派だけど、食欲がない時は食パンにする。

まだ心の中の闇が晴れていないようで、食欲はまだ湧かなかった。

冷蔵庫の中から、ネオソフトを取り出す。

何でかは知らないけど、母は毎回ネオソフトを買って来る。

まあ、別に食べれれば何でもいいんだけど。

トースターに食パンを2斤入れて、タイマーをセットする。

僕は、4分くらいにセットする。

母に任せると、2分くらいで止めてしまう。

それだと、食パンにほとんど焼き目が付いていない。

焼き目がしっかりと付いているのがいいのに。

コゲが身体に悪い?

コゲだけをたくさん食べても身体に特に影響がないって言ってたよ。

焼き目がほとんどないのは、生焼けって感じでやっぱり美味しそうじゃないよ。

そう。僕はこだわりが強いのだ。


食パン2斤を平らげた。

何か飲み物を飲まないと喉に詰まると母は言うけど、面倒くさいから普段は何も飲まない。

喉に詰まりそうになったことなんて特にないし。

今日の朝食はこれで終わり。


台所から隣の和室に移動する。

ここは、祖母の部屋だ。

今は病院に入院しているから誰もいない状態。

部屋の中には、パラマウントベッドが一つ置いてある。そこに腰掛ける。

この部屋に入ると何故だか知らないけど、心が落ち着く。この部屋の雰囲気が好きなのかも。

この部屋には、窓が2つある。東側と北側だ。

北側の窓からは、田んぼが見える。

田園風景というやつだ。

窓から田園風景が見える。この部屋にいると落ち着く理由の一つだ。

とある晴れた日に知らない土地の長閑な場所を歩いてみたい。そんなことをふと考えたりもする。

熱を出して、学校から早退した時があった。

その後、家に帰ってから横になって寝ていたのがこの部屋だった。

自分の部屋が別にあるにも関わらずである。

それだけ、僕はこの部屋が好きなんだ。

この部屋には、いろんな魅力が詰まっているんだ。


目の前にあるテレビのスイッチを入れる。

10インチくらいの小さなテレビ。

木製の台の上にある。

台の中には古いアルバムがいくつか入っている。

一つずつページをめくりながら写真を一つずつ見ていると、懐かしい気分になったりする。

自分が写っている写真はあんまりないけど。

テレビのチャンネルを変える。

時刻は午前8時。

とくダネ!にチャンネルを合わせる。

番組ではちょうど小倉さんが始めの挨拶をしているところだった。

この番組を最後まで見る。

今、世の中ではどんなことが起きているのか。

何が流行っているのか。を知るために見る。

別に他の番組でも構わないのだけど。

なんでこの番組?って聞かれても、特に理由があるわけではないのだ。

番組を最後まで見るのも同様。特に理由があるわけじゃない。ただ、暇だから。

午前10時になると、とくダネ!は終わる。

チャンネルを変える。教育テレビに。

笑うなら笑えばいい。もう子供じゃないのに、教育テレビなんか見るの?って。

この時間帯は小学生向けの番組をやっている。

僕は今、中学2年生だ。

小学生向けの教育テレビの番組を見ている中学生なんか多分僕だけだろう。

身体は大人、頭脳は子供だからじゃない。

確かに今は不登校しているけど、小学校はきちんと最後まで通ったし、ちゃんと勉強をしていた。今も独学で少しずつだけど、勉強は続けてる。だから、少なくとも小学生以上の学力はあるはず。

だから、見る必要がないって言えばそうだし。そんなの言われなくても分かっている。

じゃあ、何で見るのって?

違った視点で見ることで、感じることがあるから。

一つ目は、時の流れを感じること。

僕が小学生の頃を思い出して、思うことが出て来る。

こんな事、習ったっけなあと思ったりするということ。ただ、僕が忘れてしまっただけなのかもしれないが。

二つ目は、アイディアに感心したりすること。

知らない相手に、どういう風に伝えるかということ。

それをそういう風に教えるんだ。って、目から鱗状態になることがある。

三つ目は、出演者に驚いたりすること。

あっ。〇〇さん出てる。そう言えば、最近テレビに出てるの見ないかも。知らない間に教育テレビの方に出るようになったんだ。って、新発見するのだ。

皆も馬鹿にしないで、見てみてごらん。嘘だと思って。意外と悪くないかもしれないよ。それとも、僕が変わり者だったというオチになるのかな。


正午になった。お昼ご飯にしよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ