嫉妬と自覚 後編
後編いきます!
今回はセリフより、大樹の想いが中心になってます
橘とかいう奴は聖羅の事をどのくらい好きなのだろう
頭が少し冷静になってきた俺はそんな事を考え始めていた
よく考えてみれば、親友のために八年間もお見舞いに通える子だ
世の同世代の子を他に知らないけれど、聖羅は普通に魅力的だし、可愛いと思う
他の男が惹かれない理由がない
俺だって…
俺は小さな息を吐き、聖羅を見ると聖羅はため息をついていた
「橘くんが大樹くんだったらな……」
ボソリと聖羅が呟いたのが聞こえて俺の身体が熱くなる
今、何て言った?
橘が俺だったら何だというのだ
「聖羅、今、俺のこと呼んだ?」
「え?呼んでないよ?」
精一杯冷静を装い声をかけたけれど、キョトンとする聖羅を見て肩を落とす
やっぱり聞き間違いか
そうだよな
聖羅が俺を意識するわけがない
「それで、お試しはどうするんだ?」
「ん?あー、えっとー……」
聖羅は歯切れ悪く答える
よく見ると頬が赤い
照れているのか?
やはり橘とはお試しで付き合うのだろうか
ならば俺はこの聖羅をいつまでここで見ることができるのだろう
聖羅が何かを話そうとした時だった
ドクンッ
突然心臓が大きい悲鳴を上げた
額には脂汗が浮かび、俺は痛む胸を押さえる
聖羅は何かを話しているようだが、全く声が聞こえない
多分、橘と付き合うという話だろう
痛い
苦しい
これは何だ?
俺がそう思った瞬間
あの日がフラッシュバックされる
『このままですと持って、後二年です』
後二年
そういわれて五年。生きてきた
どこかでそれはずっと続くのだと思い始めていた
聖羅と出会ってからはそうあったらいいと思っていた
いや、そうしたいと強くどこかで思ってた
このまま一緒にいられたら、と……
俺はゆっくりとそして聖羅に気づかれないように深呼吸をする
「――だからね、私」
「いけよ」
「え?」
聖羅は驚いたように顔を上げる
まだ何かを話してる途中だったらしい
でも今の俺には聞き直している時間も余裕もない
俺はただ、唇を噛む
「俺のとこなんかに、来てる場合じゃないだろ……」
「どういうこと?」
「聖羅の親友が付き合ったらいいって言うなら橘ってのは悪い奴じゃないんだろ」
「だからね、私――」
聖羅は何かを言おうとしたけど俺はそれを待たなかった
「いいから、今すぐ出ていけ!!」
聖羅に当たらないように、参考書を壁に投げつけた
聖羅の顔が驚いている顔が視界に入る
「大樹くんっ?!」
「行けっていってるだろ!」
「聞いて、大樹くん!」
「うるさい!!もう二度と来るな!」
「っ!」
聖羅は話しても無駄だと悟ったのだろう。目に涙を浮かべ鞄を持って部屋から走るように出ていった
その目はまるで俺を見損なうような、悔しいような
聖羅が俺に見せた初めての顔だった
俺はそのままベッドに持たれる
上を見ると変わらぬ天井がそこにはあった
俺は胸を押さえながら目を閉じる
聖羅の顔を思い浮かべて……
苦しい
苦しい
苦しい
苦しい
「聖羅……」
俺の脳裏に笑顔の聖羅が浮かび上がる
「俺は、俺は聖羅が好きだ――」
ドクン!
また心臓に衝撃が走り、呼吸がが乱れる
聖羅はもう帰っただろうか
俺は聖羅が帰ってる事を祈りながらナースコールに手を伸ばし、力一杯ボタンを押した
『大樹さんどうかしましたか?』
聞き慣れた看護師さんの声がする
「胸が…、痛いです」
俺は涙を流しながらそう答えた
内容が暗くなってしまいました…




