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友達とお見舞い

読んでくれてる方、ありがとうございます


不定期ですがちゃんと投稿していますので、よろしくお願いします

目が覚めると目の前にはよく知っている天井があった

結局あの後意識がなくなって……

どうなったんだ?

何も覚えていない

けどこの天井には見覚えがある

「俺の病室(へや)に運ばれたのか……」

ボーッと天井を見ていると目の前に影が現れた


「目、覚めた?」

「わぁっ!」


ゴン!


驚いて頭を上げるとその影とぶつかった


「痛っ……」


ズキズキする頭を押さえ、ぶつかった相手を見る

相当痛かったのだろう、当たった相手も手で押さえて下を向いている

声をかけようかと近づき手を伸ばそうとした時


ガン!


「かはっ!」


今度は相手の頭が勢いよく上がり俺の顎にヒットした


「ご、ごめんなさい!」


どこかで聞いた声がする

俺は顎をさすりながら顔を見るとあの女子高生、セイラという子が心配そうにこちらを見ていた

おでこが赤いのはさっき俺とぶつかった時のものだろう

 

「何で君がここに……」

「だって私の目の前で倒れたんだよ!心配するって!」

「いや、でもここ病院だし気にしなくても……」

「気にする!」


ずいっと顔が近づいてきてドキッとする

何を話せばいいのかも、どうしたらいいのかもわからず、口をパクパクさせていると彼女から口を開いた


「同じ所が悪いんだってね」

「え?」

「ここ……」

 

そう言ってセイラは自分の胸に手を当てた


「私の親友もね、ここが悪いの……」

「そうか……」


親友と同じ病気だから心配してくれたのか

納得した反面、少し胸が痛い

まだ薬が効いていないのだろうか、俺は胸を押さえた


「そういえばまだ自己紹介してなかったよね?私、鈴木聖羅(すずき せいら)!字はこう書くんだよ!」

 

そう言って鞄から紙を取り出しサラサラと書いて見せてくれる

わざわざ紙に字を書いてくれるあたり、俺の学力を見透かされるようで複雑だった…

でもここで疑問が一つ生まれる

 

「何で婆さん達に天使ちゃんって呼ばれてたんだ?」

「あー……、やっぱりそこ気になる?」

「そりゃあね。てっきり字が関係してると思ってたんだけど、違うし……」

「あのお婆ちゃん達ね、人にあだ名つけるの好きなのよ……」

 

そう言って聖羅は色んな人物のあだ名を教えてくれた

姫ちゃんと呼ばれていたのは彼女の親友の事らしいけど、やっぱり名前とは関係ないらしい

因みに俺は「イケメンくん」とつけられていたと教えてくれた

これからあの婆さん達に会う度に「イケメンくん」と呼ばれるのか…

 

「それで、あなたの名前は?年は近そうだよね?」

 

聖羅が目をキラキラ輝かせてこちらを見てきた

そんな期待されるような目をされても困るのだけど……

 

「俺は波瀬大樹(はせ たいき)。年は今16、今年の冬には17になる予定」

「予定?」

「生きてれば……、ってことだから」


いつ死ぬかわからないし…、と続けようとしたけれど、その前に聖羅が口を開いた

 

「先輩だ!」

「う、あ!?」


先輩?!

何だかいい響きなんだけど胸がむず痒い


「先輩とか、言うのやめて。柄じゃないよ」

「じゃあ、波瀬さん?」

「え?」

「はっせー?」

「おい」 

「たあくん?」

「何故そうなる」

「たっくん」

「あまり変わってないぞ」

「大樹」

「呼び捨てかよ」

「ならば、大樹くんでどうだ!」

「くん付けただけじゃねーか!」

 

気がつけば俺は叫んでいた

それとほぼ同時に誰かが入ってくる音がした

 

「あらあら、大樹さん随分大きな声を出して珍しい」


いつもの看護師さんだった

 

「健診の時間ですか?」

「聖羅ちゃん席を外さなくても大丈夫よ。すぐ終わるから」


二人は慣れた感じで話をしながら看護師さんは俺の脈を取り始める

 

「側に聖羅ちゃんがいて助かったわね。薬と言っても、命を繋げる為の大事な物なんだから、忘れたりしちゃだめよ?」

「すみませんでした……」

「幸い今回は倒れただけで済んだけど、親御さんの為にも無茶しないようにね」

「はい……」

「聖羅ちゃん、次採血するわよ」

 

何故俺ではなく聖羅に言うんだろう

不思議に思い聖羅の方を見ると目線を外していた

どうやら彼女は採血が苦手のようだ

 

「よし。脈、血圧に異常はなし、採血もおしまい。後は安静にしてなさい」

 

看護師さんは道具を直して腰を上げた

 

「そうだ。聖羅ちゃん」

「はい」

「あなたの親友が怒ってたわよ〜」

 

看護師さんが片手で鬼の角を表現した

 

「何でですか?」

「それは親友のあなたの方がわかるんじゃない?」

 

「じゃあね〜」と笑いながら看護師さんは出ていった

いつもと同じ看護師さんなのに、いつもと違う会話や表情に俺は驚いて開いた口が塞がらない

 

あの看護師さんはあんなに気さくな人だったのか……

 

隣を見ると、聖羅は腕組みをして悩んでいる

多分、親友の子が怒っている理由を考えているんだろう

俺にはその答えが何となくわかった


「君、俺が目の前で倒れたからって付きっきりだったんじゃない?」

「!」

 

聖羅は驚いた表情で俺を見た

その顔が可愛く見えて、婆さん達が聖羅に構う理由がちょっとわかった気がした

 

「元々親友の子のお見舞いに来てたんでしょ?いつまで立っても中々来ない君に苛立ってるんじゃないかな?」

「そうかな?」

 

彼女は難しい顔をするけれど、自分の所に来たのに他人の所へばかり行ってしまったらいい気はしない

顔見知りの婆さん達ならともかく、初対面の男だったら尚更だ

 

「そっか、そうだよね。私一度顔出してくるよ」

「うん、それがいい」

「また改めて大樹くんの所にも顔出すね!」

「え?」

「私のお兄ちゃんから、面白い本とか流行りのもの聞いてくるし、楽しみにしてて!」

「え?ちょっ……」

 

勝手に話を進めて彼女は部屋を出ていく

取り残された俺は何か何だか訳がわからない

 

「あ、そうだ!」

「!!」

 

ひょこっと顔を出した彼女に俺はビクッと体を震わせる。

心臓に悪いからそういうのは遠慮してもらいたい

 

「私の名前は君じゃないから!次に来た時は聖羅ってちゃんと呼んでね!じゃっ!」

 

「間違っても天使ちゃんとか止めてね!」と言い残して今度こそ彼女は部屋から出ていった

 

その後母さんが部屋に来るまでの間、俺はそのままの体勢で固まっていた

この後、大樹は母にこってり怒られたとか、そうでないとか…(笑)



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