エピローグ
いよいよ完結となります
春、それは新しい始まり――
病院の周りの桜はすっかり満開になっていた
それを私は一人で彼と初めて会ったあの場所から眺めていた
本当はこの景色を彼と見るはずだったのに……
私は窓を開けた
桜の花びらが中に入ってくる
それはまるで雪のようで綺麗だと見とれてしまう
先日、4月生まれの私は周りより一足早く16歳となった
「おめでとう」
風が強く吹いたとき、誰かにそう言われた様な気がした
振り向くと見慣れたお婆ちゃん達の姿だけだった
私は少し笑みを浮かべ、親友の病室へと向かう
部屋に入ると彼女は相変わらずゲームに熱中していた
彼女は今、隠しキャラがどーしたとか、私にはわからない世界に浸っている
それでも彼女はドナーさえ見つかれば助かる可能性がかなり高いと先生に言われ、少しは生きる事に希望を持ったようで、前ほどやさぐれてはいない
私も何か親友にしてあげたくて、医者になるほどの頭はないけれど、高校のカリキュラムを医療関係のコースに変更した
ただ、授業が始まる前から勉強が難しそうなので早速頭が悲鳴を上げている
何事もなかったかのように流れる日々
今日もどこかで誰かの命の火が消えて、どこかでまた別の誰かの命の火が灯る
君もまたそうなのだろうか
また巡り会えるのだろうか
例えお互いの姿が変わっても、私は君を見つけたい
どうしてかはわからない
ただ、また会いたい――
窓に目を向けると桜の花びらが風に舞っているのが見えた
それはとても自由で鳥のように見える
そうだ。今度君に会ったら伝えたい事があるんだ
だからまた会いたいんだ
「大丈夫。きっとまた会えるよね」
私はそう呟く
その答えは桜の花びらだけが知っているようだった
これにて終了となります
ここまで読んでくれた方、お付き合いありがとうございます!
結局聖羅の親友ってどんな子なの?とか、聖羅は大樹をどう思っていたの?とか、聖羅が伝えたいことって何?など、色々思うところはあるかと思いますが、それは敢えて断定せず曖昧に書きました
ご了承ください
次の作品はのんびり投稿していこうかと思いますので、興味のある方はまたよろしくお願いします
それでは、またどこかで!




