約束
眠いので誤字があるかもしれません
ご了承ください
「じゃあ、この1ヶ月来れなかったのはテストに落ちたせいだったのか?」
「うん。お陰で文化祭が終わってからの一週間みっちり補講だったよ…」
聖羅は限定のスペシャルダブルバーガーを口に運びながら答えた
「テストがあるのは知ってたし、勉強もしなかった訳じゃなかったんだけど、頭に入ってこなくて。いやー、失敗、失敗」
あはは、と笑う聖羅を見て俺は胸が苦しくなる
「ごめん」
「え?」
「俺、あの時誤解して聖羅にひどいことを言って傷つけた。そのせいで――」
「大樹くんのせいじゃないよ」
聖羅は俺の言葉を遮り首を振って食べかけのバーガーを下ろした
「私もいけなかったの。初めて告白されて、頭真っ白になって、お試しでとか意味わからないこと言われて…。大樹くんにまで迷惑かけて――」
「迷惑じゃない」
今度は俺が聖羅の言葉を遮った
聖羅は驚いた顔をしている
「迷惑じゃない。俺がちゃんと聖羅の話を聞いてなかったのがいけなかったんだ」
「大樹くん……」
「それで、結局橘にはどう断ったんだ?」
「んー、結局お兄ちゃんに相談して、お兄ちゃんに任せた」
「お兄さん?」
「私のお兄ちゃん強いんだよ。色んな意味で……」
そう言う聖羅の目が曇り、何となく怖くかった
ここは深く聞いてはいけない。
そう俺の直感が言っていた
だから頷いて同意だけしておく
「そうだ、文化祭も無事に終わったよ。写真見る?」
「ああ」
「大樹くんならそう言うと思って持ってきたんだ!一番に見せてあげるね!」
実際の高校の文化祭とはどんな物か興味があった
俺はワクワクしながらカメラを受けとるも、何か引っ掛かった
俺が一番でいいのか?
「親友は?見せるならあっちが先だろ?」
「あー、うん。それはそうなんだけど……」
「体調悪いのか?」
「違う違う!1ヶ月来れなかった事に凄く不機嫌で…」
まさかそれが原因で喧嘩とかしたのだろうか
「謝りにいこうか?」
「え?!いい!いい!大丈夫!そっちは大丈夫!」
聖羅の慌てぶりが不思議で俺は首を傾げた
聖羅はそれを笑って誤魔化し、それよりも文化祭の写真を見るように勧める
多分聖羅のお兄さんと同様に、突っ込んではいけないのだろう
俺は大人しく写真を見ることにした
また聖羅と揉めて会えなくなるのは御免だ
「聖羅のクラスはメイド喫茶だったのか」
「うん、これ皆作ったんだよ」
カメラには楽しそうな写真が沢山あった
漫画ほどではないものの、飲食店に、バザー、お芝居に展示などお店の数がすごい
聖羅の話しによると、一クラス一つ出し物をするため数が多いらしい
一通り見ると聖羅のメイド姿が写っていた
「いいじゃないか、メイド服。可愛いよ」
「え?」
それを聞いた聖羅の顔が赤くなる
ここで「君が可愛いとか」キザな事が言えたらいいのだけれど、生憎そんな器用ではないし、そもそもそんな恥ずかしい事が言える訳もない
「うん、可愛いよ。メイド服がね」
「あ…、そっちね」
聖羅はあからさまにがっかりする
聖羅が可愛いと言えたらどんなにいいか……
俺はそう思いながら聖羅のメイド服姿をしっかり目に焼き付けた
「大樹くんが元気になったら見せてあげるよ」
「?」
「私のメイド服!」
突然の事で俺は驚き危なくカメラを落としかける
「どうしたんだよ、急に……」
「いいから、約束!」
聖羅はそう言って小指を出した
指切りをしようということだろう
俺が戸惑っていると、無理り指を出され指切りさせられる
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます。ゆーびきった!」
小学生以来の指切りに、俺は笑みがこぼれる
「絶対、元気になってね?」
聖羅が何かを確認するかのように聞いてきた
俺は何も答えず、ただ曖昧に微笑んだ
「期間限定スペシャルダブルバーガー」と、「指切り」というワードを入れたかったんだ!




