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第九十二話 目的

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は……シリアスさん様子見?


それでは、どうぞ!

「僕の目的はとても単純明快。君達二人のどちらかと契約したいってだけだよ」


「契約、だと?」



 アルムと、見知らぬ男が話をしている。ただ、私は男から放たれる濃厚な魔力に圧倒されて、立っているだけでやっとな状態だった。



(これじゃあ、役立たずです……)



 足が震えて逃げることもできない。いや、こんな魔力を放つ相手に、逃げられると思えるかと問われたら、無理だと答えるだろうが……。



「そう、契約。できればシェイラちゃんが良いかなとは思ってるんだけどねぇ?」



 男の視線がこちらへ向き、私は、そのまま崩れ落ちそうになるが、必死に踏ん張って耐える。



「ん? あっ、魔力駄々漏れだった! ごめんねぇ」



 ただ、私の様子を見て、なぜか男は空間を圧迫していた魔力を納める。



「っ……」


「あー、刺激が強かったかぁ……最近、契約の履行への催促が激しくてイライラしてたからなぁ……」



 張り詰めていた緊張の糸が切れた瞬間、私は今度こそ倒れそうになり、アルムに腰を支えられる。



「ア、ルム……」



 情けないことに、声まで震えてしまった私は、落ち着こうと必死に深呼吸する。



「大丈夫。敵意はなさそうだから、な」



 気休めだと分かっていても、そう応えてくれるアルムの優しさに、私は、何としてでも立ち上がれるようにならなければと思う。



「うん、まぁ、今のところは、だけどね? それで、どうかな? 僕と契約してくれる?」



 しっかりと腰を支えながらも、男から視線を逸らさないアルムは、じっと男を見て、その真意を探ろうとしているようだったが……。



「悪魔との契約には代償が必要なはずですが、そこのところはどうなっているのですか?」


「シェイラっ!?」



 まだ、声は震えている。しかし、私にできるのは、こうやって情報を引き出すことくらいだ。アルムが居てくれるのならば、私はどんな綱渡りだってしてみせよう。



「いらないよ。僕の方から契約を持ちかけてるからね。こんなこと、ここ数千年はなかったことだと思うよ」


「悪魔から契約を持ちかければ、代償はいらないということなのですか?」


「うーん、全部が全部、そうというわけじゃないけど……まぁ、今回は代償なしの契約ってことで」



 悪魔が代償なしで契約しようとする利点が分からない。それだけは、何としてでも聞き出さねばならないと、私は言葉を選ぶ。



「なぜ、私達と契約したい、と?」


「うーん、そうだねぇ。元々はシェイラちゃんしか考えてなかったんだけど、そっちの男でも良いかなぁと思ったわけで……とりあえず、僕、悪魔として向いてないんだよねぇ」



 そして、なぜか黄昏た空気を醸し出し始めた悪魔に、私達は困惑しながらも耳を傾けるのだった。

なんとなーくシリアスになりきれない気がする、今日この頃。


シリアスさん、お腹でも壊してるのかも(食べ過ぎで(笑))


それでは、また!

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