表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/97

第八十八話 再びナット領

ブックマークや感想をありがとうございます。


前回はコメディ回でしたので、今回は真面目に行こうと思います。


それでは、どうぞ!

「お礼、ですか?」


「あぁ、元々話は出ていたんだが、最近は忙しかったからな。ボクと一緒に、ナット領へ行く気はないか?」



 バルファ商会の副会長とその妹が口を割った。彼らはそれぞれ、竜王に寵愛される者と、竜王自身を望んだらしい。つまりは、私とアルムだ。しかも、私自身、アルム自身を望んだのではなく、その後ろにある権力と金を望んでいたらしいというのがなんともいやらしいところ。

 そんな情報を得て、私とアルムの周りの警備が厳重にしようという意見もあったものの、悪魔の位階が不明のままであったため、それは見送られた。その代わり、私とアルムは常に一緒に行動するようになり、時には悪魔を誘き出すよう行動するということで考えが一致する。しかし、それには大きな問題があって……。



(ま、まだ、恥ずかしいんですっ)



 まだ、まともにアルムの顔を見ることができない。それなのに、アルムと常に一緒に居るというのは、嬉しい気持ちもあれど、恥ずかし過ぎていっぱいいっぱいになってしまう。


 今回、アルムが提案してくれたのは、前ナット領領主の妻である、ミミール・ナットが私にお礼を伝えるべく、ナット領に招待したいというのを受けてはどうかということだった。

 現在、ナット領は竜珠殿から派遣された監視の下に再建を図っており、とてもではないが、新たな領主となったミミールは動けない。そのため、彼女はある程度再建したナット領で、私達をもてなそうと考えたらしいのだ。



「お礼状は受け取っておりますが……それだけではダメなのでしょうね」


「あぁ」



 最初は、彼女も私が活躍したということは知らなかった。しかし、厳しい監視の下、しっかりとナット領を再建していくミミールを前に、私のことを話しても良いだろうということになったらしいのだ。何でも、私の味方は一人でも多い方が良いと思ったのだとか。



「招待状も送られてきている。行くのであれば、先触れを出すが?」



 招待状には、この時期はスズロと呼ばれる、ぷっくりとした可愛い花が見頃を迎えているから、ぜひともと書かれている。期間に関しては、今月いっぱいは見頃だろうから、その間にと。



「断る理由がありませんね」


「では、先触れを出そう」



 正直、アルムと執務室で二人っきりというのは、心臓によろしくない。この申し出は、とても嬉しいものだった。しかし……。



(……あら? これって、アルムとの旅行デート……?)



 その事実に気づいてしまった私は、アルムに気づかれないよう、一人悶々とするのだった。

さてさて、ミミールさんにそろそろ会えます。


シェイラちゃんのこと、どこまで聞いているんでしょうかねぇ?


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ