第八十一話 伝わる気持ち?(アルム視点)
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今回は、ちょみっと進展?
それでは、どうぞ!
(シェイラが、可愛いっ!)
そんなことを想いながらも、ボクは、シェイラが怯えているわけではないことは理解した。しかし、それでシェイラの態度に納得できるかと聞かれると、そんなことはない。なぜ、緊張しているのかが全く分からないのだ。
「どうやら誤解も解けたようですし、わたくしはそろそろ帰りま「「待って(くれっ)、帰らないで(くれ)っ」」……仲良しですわね」
今、『絶対者』に帰られたら、気まずい空気になるに違いないと、ボクとシェイラは必死に止める。しかし……。
「わたくし、結婚式の準備がありますの。招待状は、アルムの執務室の机に置いておきましたわ。ですから、帰りますわね?」
「はっ?」
(ケッコン? ショウタイジョウ?)
一瞬、その意味を捉えられず呆けた瞬間だった。あっという間に『絶対者』の姿がかき消える。転移したのだ。
「ルティアスとの結婚……そういえば、話していました、けど……」
そう言いながら、ボクを見て、サッと視線を逸らすシェイラ。その顔は、やはり赤い。
(シェイラは、知っていた? いや、それよりも、この空気をどうすればっ)
この際、シェイラが『絶対者』の結婚を知っていたことはどうでも良い。そんなことよりも、今はこの気まずい空気をどうにかしたい。
(いや、待て、シェイラの顔が赤いのは、体調不良か? ……いや、確か、人間は照れている時にも顔が赤くなると……)
「ボクは、男として意識されているのか?」
それは無意識の呟き。しかし、その瞬間に、シェイラはポンッとさらに顔を赤く染める。
(まさか……本当に?)
シェイラの反応に、ボクも人化が解けかける。今、竜人としての姿に戻ってしまえば、きっとボクは、尻尾をビッタンビッタンと床に打ち付けていたことだろう。
そして、シェイラの反応がボクを意識してのものだとするなら、緊張の意味も分かる。
(ボクを意識し過ぎて、緊張している……?)
もう、今すぐ外に出て駆け回りたい気分だ。
「シェイラ……」
ボクは、そっと、シェイラに声をかける。
「ひゃいっ」
ビクッと涙目になるシェイラは、とても可愛い。可愛くて可愛くて可愛い。
自分の語彙力が死滅したのを感じながら、ボクはシェイラに問いかけようとして……。
「シェイラが、可愛過ぎる」
つい、本音が漏れる。
「ひゅあっ!?」
そして、シェイラの目が大きく見開かれて……。
「う、うぅ……部屋に戻りますぅぅうっ」
限界まで赤くなったシェイラは、脱兎のごとく逃げ出すのだった。
アルム、成長したねぇっ!
病気と判断せず、照れてると判断できるなんてっ。
そして、シェイラちゃんは堪えきれず逃げ出しました(笑)
それでは、また!




