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私、竜人の国で寵妃にされました!?  作者: 星宮歌
第四章 遠い二人
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第七十一話 隠れて

ブックマークや感想をありがとうございます。


さぁさぁっ、シェイラちゃん達は逃げ切れるのか!?


それでは、どうぞ!

「とりあえず、今はここに隠れていて」


「は、はい、あの、ですが……」


「大丈夫。ここは、リリスと僕が渾身の力でかけた結界の中だからね。敵が悪魔だろうと、そうそう破れるものじゃないよ」



 ルティアスに手を取られて、走って向かった場所は、お姉様が使っている部屋だった。てっきり、お城に向かうのかと思っていたのだが、どうやら、ここでお姉様を待つらしい。

 何でも、ドラグニル竜国に行く前に、準備に準備を重ねて、この部屋だけは安全になるよう、結界を張っていたのだが、その時はまだ私の状況を知らなかったのと、私がここに来ることになるとも思っていなかったのとで、私の部屋には、少し強力、程度の結界しか張られていないとのことだった。



「多分、ここに入った瞬間、敵はシェイラさんを見失ってるはずだよ。たとえ、シェイラさんにかけられている魔法を発動させようとしても、今は僕が側に居る。全力で妨害してみせるよ」



 パチリとウィンクをしたルティアスは、座布団へ座るよう勧めて、自分も反対側へと座る。



「さて、と。僕は、ここでリリスが帰ってくるまで待つべきだと思ってるんだけど、シェイラさんもそれで良いかな?」


「……待つ以外の選択肢があるのですか?」



 そう問えば、ルティアスは私の背後の扉へと視線を向ける。



「たとえば、ここで悪魔を迎え撃つとか」


「私に戦闘能力はありません」


「それか、全力疾走で逃げて、城まで行くか」


「お城はかなり遠かったですよね!?」


「と、まぁ、そんなわけで、別の選択肢は現実的じゃないね」



 肩を竦めて、そうのたまったルティアスに、私は大きくため息を吐く。



「分かりました。ここで、大人しくしています」


「うん、物分かりが良くて何よりだよ」



 そんな言葉に、私は一瞬からかわれているのかとも思ったが、ルティアスは優しく微笑んでいて、そんな様子を欠片も見せない。



「……ですが、お姉様はここに戻ってこられるのですか? その……外は、すごい音ですけど……」


「それなら大丈夫なんじゃないかな? いざとなれば、転移で来てくれると思うよ? もちろん、リリスが近くに来れば、僕も迎えに行くつもりだし」



 お姉様の力を信頼して、その上でちゃんと心配もしているルティアスの様子に、私はこんな時だというのに、少し安心する。



(お姉様の相手がルティアスなら、安心ですね)



 元々、最初にルティアスと一緒に居るお姉様を見た時から、分かってはいた。あの、無表情しか出せなくなったお姉様が、ルティアスの前ではコロコロと表情を変えるのだ。ルティアスならば、お姉様を任せられる。そして、そんな幸せカップルの間に、私がお邪魔をしてしまっていることが、少しだけ、申し訳ないような気がした。



「本当はね? リリスとの結婚の報告のために、僕達はシェイラさんを訪ねる予定ではあったんだ。今回は、こんなことになっちゃったけど、この件が解決したら、ちゃんとシェイラさんにも招待状を贈るから、そのつもりでね」


(……あら? 何だか、これって、お姉様が前に話していた死亡フラグというやつでは……?)



 危機が迫っている中、それが終わったら結婚するという内容は、有名な死亡フラグなのだとお姉様が話していたような気がして、私は戦慄する。



(い、いえ、きっと、大丈夫。……大丈夫、ですよね?)



 そう、自分に言い聞かせながらも、心は不安に覆われるのだった。

立て籠ったルティアスとシェイラちゃん。


リリスちゃんが合流するまでの辛抱だっ!


それでは、また!

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