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私、竜人の国で寵妃にされました!?  作者: 星宮歌
第四章 遠い二人
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第六十七話 眠るシェイラ(リリス視点)

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は、お姉様なリリスちゃん視点!


それでは、どうぞ!

「眠りましたわね」


「作戦成功、かな?」



 今、わたくしは、眠ったシェイラの前に、このヴァイラン魔国、および、隣のリアン魔国魔王妃である、ユーカ様を連れて来ている。彼女は、日本から転移してきた日本人の少女で、何だかんだあって、魔王二人に求婚され、結婚してしまった人だ。

 日本人の中でも低い身長である彼女は、この世界では子供にしか見られないのだが、立派に成人している。黒目黒髪の、可愛らしい少女だった。

 ちなみに、わたくしは日本人の前世を持つため、ユーカ様とは仲の良い友達になっている。



「苺大福に入れた睡眠薬は、こんなに早く効くものじゃなかったはずなんですが……疲れてたとか?」


「その可能性は高いですわね」



 本来なら、もう少し様子を見てから、部屋に踏み込む予定だったのだが、シェイラは予想よりも早く眠ってしまったため、わたくし達は慌ててここに来たのだった。



「それで、どうですの? ユーカ様?」



 ソファに横たわるシェイラをじっと見るユーカ様に問いかければ、ユーカ様は無表情でしばらく沈黙した後、わたくしへと振り返る。



「媒体が必要かも。具体的には、ロックボーンの頭蓋骨」


「それは……随分と特殊なものを使いますのね」



 ロックボーンとは、その名の通り石の骸骨……ではなく、ロックミュージックをこよなく愛する骸骨の魔物だ。その姿は稀に、ヘビメタとかいうものに染まりきって、ジャラジャラとした骸骨になっていることもある。騒音被害の主な原因は、このロックボーンだったりする。



「ロックボーンの頭蓋骨は、呪いの類いを吸収する効果があるから、こういう時は使い勝手が良いんです」


「そうですの……確かに、そういう依頼を受けた記憶はありますわね」



 そう考えながら、わたくしは、自分の異空間の中に、ロックボーンの頭蓋骨がなかったかと考えて……首を横に振る。



「どこかに依頼を出すなりなんなりしないと、手に入らないかもしれませんわね」



 残念ながら、在庫はなさそうだと、わたくしはユーカ様へ話を振る。



「解呪の時は、また眠らせた方が良いかもしれません。起きていたら、それなりに苦しいでしょうから」


「分かりましたわ。その時は、シェイラに話して、睡眠薬を飲んでもらいましょう」



 本当は、今回は普通に会って分析をしてもらう予定だったのだが、ユーカ様を溺愛する魔王陛下達が、どこの誰ともしれないやつに会わせたくないと反対して、結果的に、シェイラが無害な状態ならば会わせても良いなどと言い出したため、こんなことになっていた。



(ですが、これでシェイラの疲れが少しでも取れるなら、良かったのかもしれませんわね)



 スヤスヤと眠る妹の安らかな表情に、わたくしは頬を緩ませる。



「頭蓋骨の調達は、わたくしの方で何とかしますわ。依頼を出すにしても、自力で取りに行くにしても、ユーカ様が動くより早いと思いますし」


「それで、お願いします。私は、ジーク達を説得して、今度はちゃんとお話できるようにしておきます」


「……よろしくお願いしますわ」



 実を言うと、シェイラが警戒されてしまったのは、わたくしがユーカ様の友達になったことが原因だ。わたくしと仲良くなったユーカ様が、わたくしとばかり話して、自分達に構ってくれなくなったと、魔王であるジークフリート様とハミルトン様が嘆いたせいなのだ。これで、シェイラとも仲良くなったら、もっと自分達が構ってもらえないと、その二人が危機感を抱き、こんなことになっている。しかし……。



(ユーカ様がしっかり説得すれば、あのお二人も言うことを聞かざるを得ないでしょうね)



 ユーカ様は、無自覚に二人を尻に敷いているため、きっと問題はない。次に会うときは、ちゃんと話ができるはずだ。


 そうして、わたくし達は、しばらく一緒に話をした後、解散するのだった。

とりあえず、解呪のめどは立ちましたねっ。


悪魔に関する調査の方も進めねばっ。


それでは、また!

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