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私、竜人の国で寵妃にされました!?  作者: 星宮歌
第二章 目論む者達
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第三十五話 救出

ブックマークや感想をありがとうございます。


ちょっと遅くなりました。


さてさて、ようやく救出です。


それでは、どうぞ!

 お腹に衝撃は走った……のだが、それは、思っていたものとは違った。何というか、抱え上げられたような気がする。しかも、相手の肩にお腹を乗せる形で。



「なっ、なぜ!」



 使用人に扮していた女性の声に、私は、必死に瞼をこじ開けようとして、少しだけ成功する。



(アルム……?)



 思った通り、私は誰かに抱えられていて、私は少しだけ頭を動かして、アルムらしき後ろ姿をぼんやりと見つめる。



「よくも、ボクの寵妃を拐ってくれたな?」



 その瞬間、恐ろしいまでの怒気が辺りを満たす。



「っ、ご、誤解ですわっ! 私は、その女のことなんて知りませんっ」


「なっ」



 どうにも仲間割れを始めたらしい声を聞きながら、私は誰に抱えられているのかが気になってくる。



「? 目が覚めましたか?」



 少しずつ、体に力が入るようになってモゾモゾしていると、私を抱え上げている人物の声が響き……納得する。



「ギー、ス?」


「はい。すぐに終わりますので、ご辛抱願います。何なら、このまま眠っていても構いませんが」



 アルムと対峙した彼女達が騒いでいるのを聞きながら、ギースのそんな言葉に、思わず瞼を落としかける。



(ダメです。ここは、少しでも、アルムのために情報を集めなければ)


「ギース……魔封じ、壊せます、か?」



 途切れ途切れになりながらも、魔封じの存在を伝えれば、ギースは黙って私の腕を取って、そこにはめられていたであろう何かを取り外す。



「ただでさえ、魔力枯渇を起こしてたっていうのに……あの女達は、極刑かもしれませんね」



 ギースの言葉は、今はよく理解できない。今の私にできることは、蜘蛛をこの建物の中に放っておくくらいのことだけだろう。今は、まだ万全の状態とは言いがたいので、情報を集めるのは難しい。



「シェイラ様。もうそろそろ決着がつきます。移動しましょう」



 私が蜘蛛を放ったことに、恐らくギースも気づいてはいるのだろうが、それについて言及することなく、ゆっくりと、私にあまり振動が伝わらないようにしながら移動してくれる。



(もう、安全、なのですね?)



 いつの間にか、女達の声は聞こえなくなっている。そして、途中で私はアルムに抱え直されて、お姫様抱っこ状態になる。



「シェイラ。怖い思いをさせてすまなかった。もう、大丈夫だ。ゆっくり眠ると良い」



 普段なら羞恥心が上回るこの状況。しかし、今はどうにも眠くて眠くて仕方なかった。

 ゆっくり、ゆっくり、心地よく揺れるその感覚に、私は少しずつ身を委ねていく。



「『絶対者』には、感謝しなければな」



 そんな、嬉しそうな言葉に、何となく胸にツキリとしたものを感じたような気がしたが、眠気に抗うことはできず、ゆっくりと、意識を閉ざすのだった。

よしっ、とりあえず、シェイラちゃん視点は終わりにして……次はアルム視点でいってみましょう!


それでは、また!

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