第二十三話 作戦のために
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さてさて、今回は、シェイラちゃんVSアルム?
それでは、どうぞ!
作戦は、とにかくスピードが求められる。領主が居る違法カジノへの包囲、侵入、捕縛。それらのことを、竜珠殿から応援でやってきた騎士達だけでこなさなければならない。そうなってくると、重要なのは……。
「私も行きます」
「ダメだ」
「違法カジノには、多くの隠し通路が存在します」
「ダメだ」
「騎士達を安全に案内できるのは私だけです」
「ダメだ」
ろくに情報がない場所への侵入は、相当に難しいものとなるだろう。だからこそ、私が騎士達に着いていき、彼らを導けば、その問題は解消される。そう思って、私は何度も、しばらく席を外して、ようやく帰ってきたアルムへと一緒に行きたいと告げるのだが、中々うなずいてはもらえない。とにかく頑なに、『ダメだ』の一言以外を告げようとしないのだ。
「シェイラは、『絶対者』から預かった大切な客人なのだ。こんな危険に巻き込むつもりはない」
「すでに巻き込まれていますっ」
「それについては……申し訳ない。だが、ここから先は本当に危険だ。シェイラは、この宿でベラと待機しておいてほしい」
「嫌ですっ」
私がアルムの意見を却下すると、アルムは眉間にシワを寄せて、ため息を吐く。
「これは、遊びじゃない。ここから先は、ボク達の国の問題だ。部外者は関わらないでもらおう」
「……」
厳しい眼差しとともに告げられたその言葉に、私は黙り込む。
(……なるほど、そうきましたか。へぇ? 私を相手に、ねぇ?)
アルムは、本当にこれで私が引くと思っているのだろうかと疑問に思いながらも、この喧嘩を買わない手はないと判断して、私はニッコリと笑う。
「シェイラ……?」
「分かりました。それは、もう。よぉく、分かりましたとも」
様子が変わった私を前に困惑を浮かべるアルムだが、手加減をしてあげるつもりは毛頭ない。
「ふふふっ、私、私の力を知っている相手から、こんなに軽んじられるなんて初めてです。ですから、ね?」
そう言いながら笑みを深めれば、アルムは何かを察知したのか、一気に私へと手を伸ばす。
「また、後で会いましょう」
その直後、私はアルムの前から消え去り、宿の外に出ていたのだった。
シェイラちゃんがどうやって宿から抜け出せたのかは、明日の更新で!
それでは、また!




