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大災のドラゴン
3人が睨みあっていると、陸が当然の疑問を口にして拮抗を破る。
「なぁ……。なんで俺なんか取り合ってるんだ…。」
「勇者さまはやはり知らないのですね…。」
ミーファが何故か#安心したように言う__・__#。
「この世界には有名な伝説があるんだニャー。黒の勇者の伝説!!」
「黒の勇者…??俺は勇者で…。そして黒の?勇者なのか…?」
「そうなんですよー。黒のゆーしゃさま!」
マールはそう言って、スッと陸の膝の上に手を置いた。
ミーファとリルムはその手を一瞥し、マールの次の挙動を警戒する。
「黒の勇者とはなんだ?その伝説とはなんだ?」
陸はそんな3人を無視して質問を浴びせかける。
「黒のユーシャさまは【愛】のユーシャさまで……」
ネコのように手で顔を撫でて、リルムが説明を始めた時だった。
けたたましの城の鐘が鳴り響くと、ガンッと扉を開け、武装した騎士団長が姿を現した。
「王女様!襲撃です!!!」
「敵の軍容は??」
ミーファが素早く冷静に聞き返す。
「一匹……。」
「一匹?」
騎士団長の意外な答えに、ミーファは思わず繰り返す。
「大災のドラゴンが一匹…。」