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ステータスチェンジ

「ステータスチェンジ。クイック。」

今度はリルムが唱える。鼓動が早くなり全身に血流が巡る。

ドラゴンが陸たちを認識したことを確認し、一斉に逃げ出すように飛ぶ。

釣られてドラゴンも陸たちを捕まえようと物凄い勢いで追ってきた。耳を切る風音に勝るドラゴンの咆哮が、陸たちへと向けられる。


「すぐに追いつかれるぞ!」


「街から離れられれば問題ありません!この方角に開けた草原があります!そこで向かえ撃ちます!」


必死に陸たちがドラゴンを街から引き離している間、マールが時折火の玉を放ち、ドラゴンの目の前で炸裂させ勢いをいくらか奪う。それでもすぐにドラゴンは元の勢いを取り戻す。


大きな城下町であったが、眼下からは住宅は消えて草原が続いていく。

しかし、ドラゴンはもうすぐそこまで迫っていた。背を撃たれれば成す術はない。


「限界だ!」


「降ります!」


陸達は一斉に翼を止め、草原へと降り立った。


黒い夜空を覆うように翼を拡げ、ドラゴンが陸達を見下ろした。

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