GAGAGA
独自設定多めでお送りするこの作品、他の作者様の設定が気になる今日この頃です
「そういや魔物ってどうやって生まれてくるんだ?」
ウサギ戦の後、改めて移動を始めた俺達だったが、なんとなく気になったのでタマモに聞いてみる
漫画とかの設定では大気中の魔力が集まってとかなんとかが多いが
「うむ、そういう生まれ方もあるの、そういうのは基本はぐれと呼ばれ、強力な魔物になることが多い、なぜならそいつ等は大気中の魔力を取り込むことができるからじゃ、生まれからして大気中の魔力を集めて生まれてくるからのぅ、生まれた後も大気中の魔力を集めるのじゃ」
「という事はそれ以外の生まれ方をした魔物がいるっていう事?」
今回は珍しく後方に下がっていたトトがタマモに聞く
リアルンとナイフの二人がトトの集中力を気にして一度下げたのだ
そのトトはというと銀弧を抱いて俺達の横を歩いている
「うむ、普通に魔物の交配でも生まれるぞ、タマゴの代わりに体内に魔石を持つのじゃよ、雌の魔物はな」
体内に魔石を持つ以外は普通の動物と同じように交配し、生まれ、育つらしい
なのでプレイヤーが多くなりすぎると絶滅したり、ウルフを狩りすぎればラビットが増えすぎるなどの悪影響が出るようだ、それを避けるために各世界から分け身を人間界に回し、環境の保全に努めているとか
「こう聞くと、プレイヤーって最高に質の悪い外来種みたいだな」
「うむ、実際その通りだからのぅ。まぁ、それでもプレイヤーを受け入れるのは何やら理由があるらしいが、さすがにわらわもそこまでは詳しく知らぬ、一応プロジェクトノアというものが関わっているらしいがのう」
「「「あ、そういうのいいです」」」
何やら、普通にゲームをするには不相応な単語が出てきたので俺といっちゃん、トトで話をそこで止めさせる
実際、俺達にしてみたら、そんなよくわからない国家プロジェクトよりも、効率のいい狩場の情報とかの方が価値が高いのだ
「主はそういうだろうと思ってたが、他の二人もか」
タマモが若干呆れたような表情をするが、ゲーマーなんてのは、明日世界が滅亡するとしても、今日楽しくゲームができればいいという人種なのである
「それはそうと、魔力が減ったりしないの?魔石って人間が便利エネルギーとして利用してたよね?」
いっちゃんの問にトトも興味があるのか、タマモに視線を送る
「減らぬぞ、むしろ、今も増え続けているくらいじゃの」
「質量保存とかどうなってるの?」
いっちゃんの質問にタマモは少し考えた後に
「むしろ、無限に利用できるエネルギーを持たない方が問題なのではないのかのぅ?」
主たちの世界ではエネルギーは使えば減るのが当たり前なようじゃが、それ自体が異常で欠陥であるという考え方はできぬかの?とタマモが逆に問うてくる
確かに、地球の常識という物を一度投げ捨ててみるとそういう考えができないこともないのか?
「よくわからんがこの世界じゃ魔力は無限に湧き出てきてその湧き出た魔力が魔石となり、その魔石を人がエネルギーとして消費する優しい世界ってことか」
2040年の地球のエネルギー環境を考えると実に優しい世界だなと俺は思う
「そういう事じゃの。魔力がなぜ枯渇しないか等という事はわらわも教えられていないから教えられぬがな」
いずれ、本体に会えた時にでも聞いてみるといいとタマモがいう
やめろよそういうのフラグになったらどうすんだ
「LV1000近いのとか会いたくねえわ、失禁しかねん」
「その時は魔法の絨毯には絶対に乗せんからの」
何を想像したのか、嫌そうに眉を寄せた後に俺を睨みつけてくる
そもそも会う気がないんだよなぁ・・・・・・
そんなことを話ながら、時々戦闘を挟みつつ、俺達が歩いていると少し高いところを飛んでいる俺の視界に森が広がってくる
少し遅れて、ナイフやリアルンが後ろに振り返り森が見つかったっすと叫ぶ
「ここがエリアの境界か?」
「うむ、そうじゃ、そしてあそこの森が東の森と呼ばれる森じゃな、敵のLVは大体10前後といったところじゃ」
「ウルフとウサギが2、ボアが4だったことを考えると一気に敵が強くなるな」
「うむ、だからこそエリアボスがいるのじゃ、エリアが変わっても敵の強さがあまり変わらない場所にはエリアボスはおらんのじゃ」
「なるほどにゃー。それでタマモっち僕たちは戦わない方がいいんだっけ?」
リアルンとナイフも合流し、全員が集まったところでいっちゃんがタマモに聞く
「うむ、銀弧と金弧の二人で戦わせてやってほしいのじゃ、金弧には金装術、銀弧には空蹴とブレイククr「ぎんこくらっしゅ!」を使わせるので皆にはそれを見てもらいたい、うまくいけばそれでスキルを覚えるかもしれんしのぅ」
「この世界ってLVアップ以外でもスキル覚えるの?」
「うむ、覚えるし、使いこなせるようになればスキル枠から外しても使うことができるのじゃ、なので今回はこの2人のスキルを使うところを見て参考にしてほしい」
「見ただけで使えるの?」
トトの言葉にタマモはう~むと悩んだ後に
「お主等のこの世界での体は非常に優秀じゃからの、可能性は十分にあると思う」
二人にはなるべく参考になるようにスキルを使わせるのじゃというタマモに「「任せてー」」と答える、金弧と銀弧
「わかった、それじゃあ、お言葉に甘えようか皆」
リアルンの言葉に皆が頷き、銀弧は準備運動を兼ねたストレッチを金弧はムムムとうなりながら魔法を使う準備をする
「まずは金弧が金装術を使うのでいっちゃんはよく見ておくのじゃ」
「おっけー」
いっちゃんに見つめる先では金弧がムムムと力を込めながらゆっくりと大きな金の槌を生み出す
「何かわかったー?」
金の槌を生み出した金弧がいっちゃんを見つめるが、いっちゃんはう~むと首を捻りながら
「わかったような気がするけど、言葉にして説明するほどわからないというか」
「最初はそれで構わぬ、後はそれを自分なりに理解し使っていくうちに理解が深まるじゃろう、次は銀弧じゃ、まずは空蹴、次はクラッシュじゃな」
「わかったー、いってきまーす」
銀弧が金弧の作った槌を構えて一気に走り出す
森との境界に足を踏み入れると、大きなカブトムシが現れる、あれがエリアボスか
カブトムシは銀弧を威嚇するが、銀弧はそれを無視してそのまま突進、カブトムシが迎撃のためにその場で踏ん張り角を振り上げると、それを回避するためにジャンプするし、さらに空中で何かを蹴ってもう一度飛ぶ
カブトムシの角は空振りし、銀弧はその勢いのままカブトムシの背中の上まで飛ぶと
「ぎんこくらあああああああしゅうううううううううう!」
手に持った槌を叩きつけ
「光に「「「それ以上はいけない!」」」ええええ」
叩きつけられた背中がぐっと膨らむとそのままカブトムシの全身を光が包み、光が消えた時にはカブトムシは消滅していた
「んで、リアルン達は何かわかったん?」
俺の質問にいっちゃん同様になんとなくわかったようなわからないようなという何とも言えない返事が返ってきた
「まぁ、いっちゃんにも言ったが大事なのはきっかけとして知ることじゃ、後は自分なりに理解できるように頑張っておくれ」
タマモが走って帰ってきた銀弧を抱き寄せると頭を撫で
「それはそうと、LVや入手アイテムはどんな感じかの?」と聞いてくるのでステータスカードを眺め
「4つもLV上がってるじゃねえか・・・・・・」
今日一日ここまで上がったLV以上に上がっているLVを見て何とも言えない表情を浮かべるのだった
このゲームはスキルスロットが少ない代わりに、スキルの補正無しでも使いこなせるようになれば、スキルスロットから外れるという仕様になってます
剣術をスキルスロットに入れていたプレイヤーがゲームの剣術補正無しで剣を満足に触れるようになれば剣術スキルはスロットから外すかどうか選べ、外した場合そこに新しいスキルを入れる事ができます
タマモ達分け身の契約モンスターについてはそのシステムが適用されないので、結果的にプレイヤーよりもスキル数で劣る事になります