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うちの狐がゴリラだった点について

初戦闘!でもしばらくは戦闘描写はあっさり目です

エリアル達とPTを組んだ後俺達は冒険者ギルドへとやってきた

なお冒険者ギルドに入っていったのは俺とタマモ以外である

「主は行かないでよかったのかの?」

「俺はログインしてすぐに人に囲まれ言われにない誹謗中傷を受けて心にダメージが大きいからね、しかたないね」

魔法の絨毯に顔を埋めながら俺はぼけらーっとタマモの相手をしながら皆を待つ

スイングドアから見える内部では金弧と銀弧があっちこっちに動き回り中にいるNPCやプレイヤーから可愛がられている

一部近づかないプレイヤーがいるあたり、あの2人(匹?)はちゃんと人を見分ける事が出来るらしい


「当たり前であろう、あの2匹の本体は何百年と時を生きた獣人じゃぞ?今は幼い姿とはいえ男たちの感情位見抜けるわ:

「まじかよ、じゃあ今はなんであんなに肉体と言動はあんなに幼いんだ?」

「お主のせいじゃ、お主と契約した際のわらわの力では身体能力か精神の成熟かのどちらかしか選べんかったからの、力を選んだ結果があの肉体と言動というわけじゃ」

まぁ、あくまでも男の性を理解しているというだけで精神的に幼いのは事実なんじゃがのとタマモは続ける

ようは、あの2人はロリコン対策だけ護身として知識を得ているという事らしい


「てことは俺のMPが上がればあの2人の見た目や精神も変わっていくのか?」

「そこなんだが残念ながらあの2人の分け身の見た目と精神年齢はあのまま固定で戦闘能力だけが向上していくようだ」

「そうなのか、まぁ別にどっちでも構わないんだが」

「いや、よくないじゃろ、小さな子供を戦わせて本人は見てるだけとか……」

「某、耐久型大型バッテリー故」

「たしかにわらわがMP最大を1にしている故にそうかもしれんがのぅ……」

MP最大値-4500とか、最大LVまで上げてもまともに魔法職として戦える気がしないな


「ならば戦士となれば、いやよい、だからそのような嫌そうな顔をするのをやめよ……」

タマモの発言に俺が何言ってるんだこいつという顔を全力で向けるとタマモは諦めたようで深いため息と共にその場に蹲る

「まったく本当にどうしようもないのぅ、お主は」

そういうタマモの顔が若干楽しそうなんだが、もしかしてこの女ダメンズなんとかって奴だろうか


「「ぬし様ただいまー」」

銀弧と金弧がまず戻ってきて、その後ろにエリアル達5人がついてくる

「あったよ、モンスター討伐クエストが!」

「でかした!」

2040年でも掲示板でちょくちょく使われるネタを交わしながら俺達は街から東の門を抜けて草原へと進む



「この草原にはグリーンウルフ、グリーンラビット、グリーンホアが沸くらしいっすね」

「RPGの基本的な敵のラインナップだのー」

モンクのナイフの言葉にアーチャーの十色が反応を返す

「改めて私達のジョブと戦い方を説明するよ、私がシーフAGI寄りの近接ステだね、いっちゃんはヒーラー説明不要だね、十色がアーチャーこのメンバーだと唯一の遠距離攻撃持ちで、ナイフがモンク私と同じAGI寄りの前衛、トトが剣士でタンクを担当するよ」

エリアルが両手に短剣を持ち。いっちゃんが杖を、十色が弓を、ナイフがシャドウボクシングのようなことをして素手で戦う事を示し、トトが盾と槍を装備する


「こっちはタマモと銀弧が近接、金弧が遠距離兼サポートっていう感じかな?」

「本体は?」

「バッテリーですが何か?」

「しばらく僕も仕事なさそうだし、一緒に後ろで皆を見守ろうね!」

ヒーラーのいっちゃんがイエーィと言いながらハイタッチを求めてくるので、俺もイエーィと言いながらハイタッチする

「ヒーラーはPTの生命線だし、123君が本体能力を削っているおかげでタマモさんと金弧ちゃん銀弧ちゃんが強化されてるわけだからねぇ」

「そっすね、俺等とは違う形で戦闘に貢献してるっすよ」

「うんうん」

「イツキはともかく家の主に関してはあまり甘やかさないでほしいのじゃがのぅ……」

十色、ナイフ、トトの言葉にタマモが3人を諫めるように言う、主に向かってなんてことを言うんだこの狐め



「噂をすれば影だね、きたぞ」

3匹のグリーンウルフが道の端から現れる

エリアルの言葉にトトがPTの先頭に立ち盾を構える、その後ろでエリアルとナイフ、さらに後ろに十色、一番後ろに俺達といっちゃんという編成である

「最初は私達に戦わせてほしい、この世界での戦闘にも慣れておきたいのでね」

エリアルの言葉に全員が頷くのを確認したので、俺は親指を立てて返事をした後に魔法の絨毯に埋まる

「お主……いくら戦わないでほしいと言われたとはいえせめて周囲の警戒ぐらいしておくのじゃ!」

埋まっていた俺の頭はタマモにがっちりと掴まれ無理やり起こされる、頭が割れるかと思った

「そんなに力を入れておらぬわ!失礼な」

俺達が話してる間にも戦闘は進む、トトが3匹のウルフをまとめてヘイトを集め、火力3人は一匹の敵に集中して火力を集めている


「いやー、序盤のヒーラーはやっぱりやること少ないねえ」

ヒーラーのいっちゃんが杖を構えたまま俺達に話しかけてくる

「そういえば、いっくん知ってる?このゲームだとHPがたくさんある状態で回復かけると逆にダメージ食らうんだよ」

過剰回復システムっていうらしいよーといっちゃんから重要だろう情報が伝えられる

「おかげで私はトトがHPをある程度減らすまで安易に回復魔法も唱えれないんだよねぇ」

「ちなみに過剰回復するとどうなるんだ?」

「HPは減らないけど、肉体の一部が弾けるらしいよ?」

こう、パーンって!と言いながら自分の肩が弾けるようなジェスチャーをする

「具体的には回復後のHPが最大HPの10%を超えるとだめらしいよー、だから下手な回復はお荷物どころじゃなくなるんだよねー」

そうこう言っているうちに3匹のうち2匹のウルフが倒される、そこで最後の一匹のウルフが遠吠えのような物をし



「グリーンウルフCは仲間を呼んだ、グリーンウルフD、E、Fが現れた!!」

「あー!めんどくせえっす!」

「だがうまく利用すれば経験値稼ぎになるな」

「うん」

前衛3人が改めて戦闘態勢を整え、正面のウルフに対峙する

その時、違和感を覚えた俺は銀弧を呼び、エリアルの背中を守るように指示を出すと

「ガゥ」という叫びと共に背後からウルフGが現れ

「銀弧パーンチ!」銀弧に殴られ水平に近くの木までぶっ飛んでいった……

「まじかよ、銀弧ちゃんすげえっす」

同じ素手格闘のナイフが銀弧の攻撃力に驚き

「助かったよ銀弧ちゃん」

背中を守られたエリアルは銀弧に礼をいい

「GJ」

4匹のウルフを押さえていたトトは一言だけ述べてすぐにウルフへと集中する

戻ってきた銀弧は上目遣いで眺めてくる

「おー、よしよし、偉いぞ偉いぞー」

魔法の絨毯の上から銀弧の頭をわしわしと撫でると嬉しそうに俺の手に頭をこすりつけてくる

「あー、銀弧ばっかりずるい、金弧もやりたい!」

「いやー、モテモテだねえいっくん」

ニヤニヤと笑ういっちゃんに返事はせずに金弧を抱き上げ、魔法の絨毯に座らせ

「じゃあ、金弧は俺の護衛役な」

「わーい、頑張ります!」

「お、そろそろいいかにゃー」

盾でガードしていてもわずかにHPを削られていたトトにいっちゃんがヒールを唱える

ちなみにスキルの発動は2種類あり、目の前に現れるボードを操作して使う手動スキルと、音声認識による発動の2種類がある

音声認識の場合、スキル名、消費魔力という順番に発生することで魔法は発動する

武器スキルの場合は魔力のところをスタミナに変えることで発動する

ちなみにさっきウルフを真っすぐふっ飛ばした銀弧の攻撃にはスキルを使っていないこの意味がわかるな?

「負けられないっすね!」

モンクであり、同じ素手職としてのプライドなのかウルフに全力で殴り掛かりどうにか水平に飛ばせないか試しているようだがさすがに吹っ飛ばすのは難しいようだ

エリアルは2本の短剣でウルフの足などを切り裂きながら機動力を殺し、十色が動きが悪くなったウルフの目や首を狙っていく

「いい連携だなぁ」

「うむ、さすがはいくつもの世界を渡ってきたことがあるのう」

「ふふーん、伊達にトラベラーズなんて集団名名乗ってないからね」

彼らはいくつかのゲームを渡ってきたが毎回ギルド名やクラン名をトラベラーズで統一してきたらしい

「いやー、色々やってきたけど、このゲームみたいにある程度数字が優遇されるゲームをやってるとRPGしてる気がするよねー」

VBMMOには2種類のRPGがあり、リアル系とゲーム系に分かれている

リアル系はRPGとしての数字があるがそれ以上にリアルな能力や法則がを優先される、そのせいで低LVや低ステータスにも関わらず強力なモンスターや高LVプレイヤーを倒せる事がある(防御力無視による急所攻撃等)

逆にゲーム系というのはリアルの能力よりもゲームとしての数字を優先するもので例えばLV1のリアル格闘技チャンピオンとLV10の小学生が戦えばLV10の小学生が勝つようなシステムのゲームが多い



「別にリアル系を否定するわけじゃないんだけどさ、そんなにステータス無視したいなら初めからステータスのないゲームやればいいじゃんと思っちゃうんだよねー」

「僕達がやってたゲームの一部も最初はゲーム系かと思ったらリアル系だったりしたんだよねー」

なので居心地のいいゲームを探して色々なゲームを渡っているのだとか

「まぁ、ゲーム系はゲーム系で問題もあるんだけどね」

確かにさっきから見ているとエリアルとナイフが若干動き辛そうにしている

「このゲームだとAGIがASPDに依存するからね、連続で攻撃をするとその攻撃回数に応じてダメージがどんどん減っていくんだよねー」

絶え間ない連続攻撃はこのゲームでもできるがそれだと力が入らなくなってだんだんダメージが下がっていくというわけだ

まぁ、攻撃する以上はある程度力ためなどは必要だという事である、AGIが高いとその攻撃回数によるペナルティが少なくなっていくらしい

現状、エリアルなら2回、ナイフは素手補正による+1がついて3回がペルティなしで殴れる回数えある


「キ〇トみたいなことはできないのか」

「AGI上げればできるんじゃない?AGI一点ぶりとかネタステにしか思えないけど」

確かに攻撃力の高い武器を持つためにSTRやDEXがいるこのゲームでAGI全振りはネタでしかないな

「いっくんのMAG全振りMPブースト全振りも大概だと思うけどねw」

俺はいいんすよ、俺は信念をもって大型バッテリーしてるんすよ



「お、LV上がったね!」

エリアルが6匹目のウルフを倒したと同時に手首のあたりにウィンドウが現れLVアップを知らせてくる

「主よ、そろそろわらわも体を動かしたいんじゃが、よいかの?」

「と、言ってるんですがいっちゃんいいかね?」

「いんじゃなーい?リアルンいい?」

「そろそろ俺達も慣れてきたし、だらだらやってたらいつまでも増援きそうだし、タマモさんお願いします」

タマモが「うむ、承知したというとゆっくりとウルフのほうに歩いていく、ウルフもそれに気づいたのか、タマモの方を見て、尻尾を丸めて逃走を図る

「そのように連れない態度をとるでない、そのような態度をとられてはおいたくなるではないか」

逃げるウルフをゆっくりと追いかけるタマモはいつのまにかウルフの頭を掴んでいた

掴まれたウルフもいつ掴まれたのかわからなかったのか、びっくりして動きが固まったところを

「ほぉれ」というと地面へと叩きつける、叩きつけられたウルフは勢いのまま地面でバウンドし、1メートルほど浮かんだところでHPが0になり、消滅する

唖然とする他のPTメンバーとウルフの最後を見て俺は


「あれもう、完全に狐じゃなくてゴリラの獣人じゃねえか」とつぶやいたところで俺の意識は途絶えた



銀弧の攻撃でウルフが吹っ飛んだのは存在格というシステムによるステータスボーナスによるものです

STRとMAGは10ごとにダメージボーナスが入り、そのダメージボーナスの計算式が

STRorMAGの10の位を2乗した数字*存在格(ペナorボーナス)となります

存在格は1~5まであり、数字が小さい方がより強い格となり、プレイヤーは5、タマモ銀弧の分け身は3となります

存在格5では*0.1となり、4で0.5.3で1、2で2倍.1で3倍となります

なので今回は銀弧の場合STR20*20*1で400ダメージボーナス

タマモの場合は30*30*1で900ダメージボーナスがついた結果、あの主人公にゴリラ扱いされる結果となったわけです

これがプレイヤーの場合、銀弧と同じSTRでも20*20*0.1となり40ダメージボーナス

となります、クラスチェンジ1回ごとに格が1ずつ上がるので2回クラスチェンジできるので最終的にはタマモや金弧達と同じ格になれるということシステムです


なお、本体はタマモの格が1 金弧銀弧が2となります

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