3話
ネトゲってなんかあると必ずチートチートいう人いますよね
後なろうにおけるチートって言葉の定義の曖昧さは異常だと思います!
お供3匹を連れて人界へと降り立った俺の周りにはたくさんのプレイヤーがいた
人人人……
「やばい、タマモ人が多すぎて気分悪くなってきた、俺をゲーローにしたくないなら早いところ絨毯引っ張って、うぷぅ」
「待て待て、まずゲーローってなんじゃ!伸ばしただけじゃないのか?!」
「女の子ならゲロイン、なら男ならゲーローだろ、おっぷ」
「やめよ!わらわの魔法の絨毯の上で何をしておるのじゃぁ?!」
俺が魔法の絨毯でぐったりしているとタマモは俺の頭を絨毯から離そうと頭を掴んで
「おい、そこのチート野郎!」
人の波をかき分けて一人のプレイヤーが俺に近づいてくる
「お前だお前、そこで変なアイテムに乗っている男」
「主殿なんか近づいてきているぞ?」
「「変な人ー」」
二人からの変な人コールに苛立ちを隠さずにこちらを睨みながら近づいてくる男
「いいか、3人とも俺は人間関係は第一印象が大事だと思っている、いきなりなんだって?まぁ、いいから聞けって人間どうしたって好き嫌いはあるものだ、その人間関係を構築する上で第一印象ってのは非常に大きい、たまにネトゲだからロールプレイだからって言って初対面で相手を苛立たせる人間がいるがそういうのは総じてリアルでも酷い人間なことが多い、そういう人間はリアルでも人間関係をうまく構築できない人間が多い、リアルでは最初は誤魔化せても少し時間が立てばぼろが出る人間が多いのだ、そういう人間との繋がりなんてできれば作りたくないだろう誰だって、つまり何が言いたいかっていうと」
俺はふぅーとため息をついてから
「ああいうのとは縁を作りたくない」
「「「なるほど(のぅ)」」」
「てめぇ、舐めて「確かに、そいつは私も同意だな」誰だてめぇ?!」
俺達のやり取りに横から5人のプレイヤーが出てくる
「私の名前はエリアル、私はこのメーカーのゲームを複数やってきたが、チートを使ったプレイヤーは見たことがないんだが?」
「また変なのが増えたぞ、主殿」
「「変なのー!」」
エリアルと名乗った男は胸を押さえてその場に屈む、幼女からの変なのコールはきつかったらしい
「あははごめんね、リアルンは君達が困ってると思って助けようとしたんだけど、必要なかったかな?」
「いや、そんなことはない、助けてくれるなら助けてくれ、この人込みでしんどいし」
「そう?それならよかった、それから僕はイツキだよ、周りからはいっちゃんって呼ばれてるよよろしく」
俺に向かって手を伸ばしてくるイツキ、改めていっちゃんと俺は握手する
「よろしく、いっちゃん」
「うん、よろしくそれでもしよかったらそこの狐のお姉さんの事とか聞かせてくれると嬉しいんだけどみんな気になってるみたいだからね」
「ああ、いいよ、ほい、ステータスカード」
俺はステータスカードをいっちゃんに渡す
「いいの?ステータスカードを見せるのは自分の情報を全部見せるってことだけど?」
「いいよ、なんだったら広域視聴にしてもかまわないくらいだ」
「そう?じゃあ、ステータスカード広域視聴!」
そして広場に上空に俺のステータスカードが表示され、騒めきが起きる
「す、すごい尖ったステータスだね」
俺のステータスを見たエリアルが引き攣った笑みを浮かべる
「まぁ見てほしいのは俺のMPだな、全部盛りでMPあげてるのに1になってるが、これが俺のタマモを使役できた理由だ、後はタマモ頼むわ」
俺は一息に言い切るとそのまま力尽きたように絨毯に顔を埋める
「わらわ本当に契約相手を間違えた気がするのぅ……まぁよい、サモナーのスキルはMPを消費して異界から一時的に召喚しその力を借りる、これが第一の使い方、そしてもう一つが召喚者の最大MPを代償にこちらの世界に分け身を固定させるのが第二の使い方じゃ」
その言葉に何人かの人間がログアウトする、キャラクリのし直しでもするのかね(作り直しは課金アイテムである)
「しかし、当然だが人に趣味嗜好があるようにわらわ達分け身にも趣味嗜好がある、今から主殿のようなステータスで作り直してもわらわのような有能な分け身と契約できるとは限らんぞ」
既にここにわらわがいる以上もうわらわの分け身もチュートリアル空間におらんしのぅというタマモの言葉を聞いて一部のプレイヤーはログアウトへと伸ばしていた手をとめる
「その言葉はもう少し早く聞きたかったなぁ」
エリアルの言葉に周りも、うんうんと頷く
「まぁ、これでいっくんがチートでも何でもないことがわかったね」
ステータスカードを見た際に名前も覚えたのだろう123(いちにさん)を略していっくんだろうか?
いっちゃんの言葉に全員の視線が最初にチートだなんだと叫んだ男に集中し、男が何か言おうとし
「別にいいよ、形だけの謝罪は」
俺の言葉に男は顔を真っ赤にすると舌打ちをし、そのまま走り去る
その姿を見送ると周りの人間を少しずつ解散していく
一部3匹(タマモ、金弧、銀弧)を名残惜しそうに眺めているものもいたが結局声をかけてくることなどもなく去っていった
「さてさてこれで一件落着ってことで!」
「ああ、助かったよ」
俺はいつのまにかいっちゃんの周りに集まっていたメンバーを見る
一人はエリアルと名乗った身長170cmほどの男、さらに身長180cm越えのがっしりとした男と、弓を背負った男、最後に槍と盾を背中に背負った女である
「もしよかったら、僕とフレンドになって、PTメンバーになってよ!」
いっちゃんが、昔流行った白いけだものみたいなことを言い出した、俺は残りのメンバーを改めて見まわしてから
「ええよろしくお願いします」
「本当かい!それじゃあ、改めて彼がパーティーリーダーのエリアル、職業はシーフだよ」
最初に男に対して向かっていったエリアルという男が魔法の絨毯に乗ったままの俺に向けて握手を求めてくる
「よろしく、リーダーをしてるエリアルだ」
「次にアーチャーの十色、通称トイトン」
「十色ですわ、よろしゅー」そういって弓を背負ったプレイヤーと握手をする
「モンクのナイフ君」
「よろしくお願いしします」と言って武器を持たず道着?のようなものをきたマッチョ体系の男と握手する
「剣士のトトだよ」
「よろ」と一言言った後、頭の上にエモーション(スタンプのようなもの)を浮かべた槍と盾を持った女がお辞儀をしてくる
「サモナーの一二三、タマモ、金弧、銀弧です、よろしく」
「よろしく頼むぞ」「「よろしくお願いしまーす!!」」
金弧と銀弧が元気に挨拶すると、剣士のトトに頭を撫でられ嬉しそうにしている、それを見たトトも嬉しそうだ
「それでどういうつもりじゃマスター?」
「何が?」タマモの質問の意図が分からず俺が聞き返すと
「こういってはなんじゃが、マスターって人間関係をめんどくさがる人間かと思っていたんじゃが、あっさりと5人もフレンドを作ったことに違和感があるんじゃが?」
タマモの中で俺がどんな人間になっているのか、一度話あう必要がありそうだが……
「別に意図もなくってわけじゃないぞ、今回の件でわかったが、お前達を連れていると俺は目立つ、そして恐らく今後事情を知らない奴らが掲示板などで俺について話題にするだろう」
そういうのをいちいち相手するのは面倒だ、なので彼等と仲良くなることで
「掲示板要員を確保したってわけだ、俺が今後手に入れた情報なんかは彼等に掲示板で流してもらう」
ちなみに掲示板で俺の代わりに色々書いてもらう事はタマモ達に彼等を説得してもらうつもりだ
「なるほどのぅ、しかし、独占情報なんかは掲示板とやらでばらさない方がいいんじゃないかの?」
金になるのではないか?というタマモの言葉に俺はわかってないなこいつという小馬鹿にした笑みを浮かべる、タマモの額にしわが寄った気がする
「ネトゲプレイヤーの特に廃人ってのは、モラルっていう物を持ってないことが多いんだよ、そんなのに纏わりつかれることを考えたら情報なんてさっさとばらしちまうに限り、そもそもばらす時期なんかは、エリアル達に任せるつもりだしな、彼等だってある程度稼いでから情報をばらすだろうし、それでいちゃもんつけられたらエリアル達に責任を押し付ければいい」
「結構最低じゃぞ、主」
なんとでも言うがいい、とにもかくにも、こうしてログイン初日俺は5人のフレンドと掲示板要員を手に入れることに成功したのだった
本文で書くと説明が長くなりそうなことは簡単にあとがきで
剣士・全ての近接武器が装備可能な反面、弓やクロスボウ等の遠距離装備が装備不可、ローブと道着以外は全防具装備可能
シーフ・短剣、片手剣、手斧が装備可能、防具は軽装鎧と、小型盾が装備可能、武器を片手に一本ずつ装備可能
モンク・ナックルと鈍器が装備可能、回復も使えるアタッカー、ただし、回復性能は低いのでモンクをヒーラーにするのは難しい、防具は道着と小型盾が装備可能
プリースト・イツキの職業、杖と鈍器を装備可能、攻撃性能の低いヒーラー、防具は剣士についで装備できるものが多い
アーチャー・弓で攻撃する職業、防具は軽装のみ装備可能、遠距離攻撃が得意