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ぐうたらプレイヤーのVR日記

技術が進み、ゴーグルをはめて見るVRゲームは進化し、カプセル型のベットに横になって夢を見るような形で遊ぶ形のVRが主流になった

「もう一度聞きます、貴方はどんな職業に就きたいのですか?」

しかし、それにも問題があった、リアルになった代償としてゲームにも関わらず自分で体を動かしている感覚があるということだ

「自分で一歩も動かず、戦わずに済む職業をお願いしたい」

「なんのためにこのゲーム始めたん自分?」

そう自分で動かないといけないという事は、体を動かした感触がダイレクトに来るという事だ、引きこもりが多いネトゲーマーに体を動かせ等と

「それもう拷問みたいなもんだろ?」

「いや、ほんと、なんでゲーム始めたの?」


俺はニートを5年ほど嗜んでいたんだが、おじさんからプレイヤー兼GMとしての仕事をもらったので始めたのである

「で、始めたはいいけど、よく考えると自分で歩いて、戦うなんて拷問だなと思ってな」

「ダイブ型VRゲーム否定しすぎじゃない?」

「それで可能なら自分で戦わずに、歩かずに、そんな職業があれば就かせてくれ」

「それならサモナーなんていかが?」

頭痛が痛いといった風に頭を抱えた後に一つの職業を提示してくる

「サモナーなんて職業お勧め職に乗ってなかったはずだが?」

「サモナーは大器晩成型なので、お勧めには載ってません、大器晩成職だと書いてもお勧めだからついたのに弱いとかクレームをつけるプレイヤーが最近多いので、サモナーはMPの最大値を消費して、モンスターを使役する職業ですね」

「つまり、頭のいい大型モンスターを使役すれば……!」

「そうです、貴方はその背に乗っているだけで移動も戦闘も全て任せる事ができる」

「じゃあ、それで」

はいはい、という適当な感じでハンコをぽんと押しと、俺の目の前にステータスカードが浮かび上がる



ネーム:一二三

サモナーLV1

HP:115(100+15)

MP:115(100+15)

ST:110(100+10)

STR:1

VIT:1

AGI:1

DEX:1

MAG:1

RES:1

LUK:1

ステータスP20


スキル0/5

【】【】【】【】【】


「HPはVIT1で10、STR1で5、MPはMAG1で10、RES1で5、STはVIT1で10となるわ。それぞれのステータスの意味については特に説明はいらないわよね」

まさかの仕事拒否である

「昭和初期生まれならまだしも、貴方たちなら見ただけでなんとなくわかるでしょ、説明がいるとすれば装備には必ず2つのステータスがいるわね」

剣ならSTRとDEX、斧や鈍器ならSTRとVIT、杖ならMAGとSTRかDEXというように合計、もしくはそれぞれ必要値が設定されている

「つまりステータスは一点豪華主義ではだめってことか」


「次にスキルですが、スキルスロットに装備することで効果が発揮します、同じスキルを複数入れることもできますが2つ目以降は効果が半減するので注意してくださいね」

スキルスロットはLVが一定以上になったり、レアアイテムのスロットストーンで増やすことができるとの事


「では後は契約広場に送るので適当に頑張ってねー」

そう言って消えた後には魔法陣が残されていた



===契約広場===



契約広場とはサモナーが異界の者と契約する為の場所である

異界とはチューリアル後にプレイヤーが降り立つ場所となる人界以外の、獣型の者達獣人が集う獣界、機械の身を持つ電族が住まう電界、鬼族が住まう鬼界、妖精が住まう妖界

サモナーとテイマーの違いはテイマーは人界に生きる生き物を直接使役するのに対して、サモナーは本体から力の一部を分けて生み出された存在と契約を行う者である

そのためテイマーが使役するモンスターのデスペナは重く、基本的にはロスト(死亡)するのに対して、サモナーの使役するモンスターのデスペナは非常に軽い


「さて、できればでかくて人型で意思疎通が出来て、俺に都合がいい契約をしてくれる奴がいればいいんだが」

どう考えても無理である

周囲をぐるっと見渡せばそこには様々な者がいた

ケモミミが生えた人、鎧のような物を纏った機械、身長2メートルを越え頑丈な肉体を持ち角の生えた鬼、30cm~60cmほどの小さな妖精

これ等が異界に住む者たちの分霊である、大体は元の体を模したものが多いがたまに性別を変えるもの等もいる

ネトゲでネカマをするようなものなのかね


「しかし、中々いないな、都合がいいの」

電族は確かにでかいし、背中に乗るには便利だが、堅そうだし冷たそうだ、妖精はさすがにあれに乗ったら絵的にまずい

「となると鬼か獣だが、ふーむ」

俺は広場を歩いて回る、正直こうして歩いてるだけでしんどいが、ここで頑張ればこの後に楽ができる事を考えれば今の多少のしんどさは受け入れるべきだ

「ふーむ、おや、あれは」

俺の目に映ったのは、身長180cmほどの狐の獣人だった

俺の身長が165cmほどのことを考えると悪くないかもしれない

背に乗ることだけを考えると完全な獣型のほうがいいが普段の生活の世話だとかを考えると人型の方が便利だからな


「というわけで契約しようか」

「おぬしいきなり何をいっておるんじゃ?」

俺は目の前の女性獣人に声をかける

「いや、今日から俺の足兼戦力兼交渉役兼家政婦として契約しようという事だ」

「多いわ、戯け!」

しかし、それくらいしてくれないとこちらとしては困るのだ、自慢じゃないが俺の人間力ぅは低いのだ

「ふむ、そうだのう……おぬしがわらわをどの程度欲しているのか、それを表してくれるのなら考えようじゃないか」

ふむ、どの程度欲しているかだと

「これでどうだ?」


ネーム:一二三

サモナーLV1

HP:115(100+15)

MP:412((100+215)*1.31)

ST:110(100+10)

STR:1

VIT:1

AGI:1

DEX:1

MAG:21(+20)

RES:1

LUK:1

ステータスP0


スキル5/5

【魔力増幅(微)LV1】【魔力増幅(微)LV1】【魔力増幅(微)LV1】【魔力増幅(微)LV1】【魔力増幅(微)LV1】


*魔力増幅(微)*

スキルLV+10%分MPを増加させる、2つ目以降スキルスロットに入れた場合スキル効果は半減する


「これでどうだ?MPは全部くれてやる」

「……馬鹿かのおぬし?もし、わらわが断ったらどうするつもりなんじゃ?」

「そうなったらしゃーない、なんか考えるわ」

「なるほど、わらわ以外は眼中にないと、くふふ、そこまで思われると悪くないのぅ」

いや、そこまで深く考えてたわけじゃないんだが、最悪おじさんに言って再キャラクリしてもいいわけだし、まぁ、勘違いしてるならそのまま勘違いしてもらおう


「ふむふむ、よし、決めたぞ、サモナーそなたとの契約を結ぼうではないか!」


【システムメッセージ:獣人タマモとの契約を結びますか?】


目の前に浮かんだ透明なシステム盤のYESに触れると俺の右手首とタマモの右手首が光る線でつながる


「うむ、これで契約は完了じゃ、よろしく頼むぞ、主殿よ」

こうして俺はこの世界での足兼戦力兼交渉役兼家政婦を手に入れたのだった


STR=筋力(脚力にも乗るので瞬発力も上がる)

VIT=タフネス

AGI=反射神経(足の速さには関係しない)

DEX=器用さ、集中力

MAG=魔法能力

RES=魔法抵抗

LUK=運の良さ(クリティカルヒットが出やすくなったり、幸運回避が出やすくなったりする。アイテムドロップ率は変わらない)

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