第1話
?「…姉様、お姉様!美希お姉様!」
耳が痛くなるようなほど大声で頬を可愛らしく膨らませて私のもとに駆けてきたのは、
今日から私と同じ学校に通う中学一年 魔光 美歩
「お姉様!どうして、私置いていくような真似をするのですか!小学校の時は毎日のように学校まで送ってくださったではありませんか!私はお姉様において行かれてとても悲しいです…」
そして中学二年の私、魔光 美希の妹
「置いていったのではなくてあなたの用意が遅かっただけです!それに、もう小学校という甘えていた子供を卒業して、中学生になったのだから普通に一人で行けると思いました」
呆れて話す私に美歩はぷりぷりと怒って、頬をもっと大きく膨らませました。その様子を見た私は、ため息をついた
「それに道が分からなくなったとしても、魔法で地図ぐらい出せるでしょう」
私達の通っている学校は 私立魔法学校です
「私はまだ、よく魔法を使えないんですよ!」
「入学試験の魔法テストと普通のテストが学年トップの人が何、とぼけたことを言っているのですか!」
「うっ…そ、それはお姉様も同じではないですか!それに私はお姉様より魔法が下手で、……」
慌てる美歩に私がさめたような目つきで美歩の心にとどめの一撃を刺す
「だから、私は去年から今までずっと一人で行きました。それに、朝ご飯も昼食も晩ご飯だって、美歩の分まで作っていました。しかも、今だって、美歩の分のご飯も用意しております。家事はすべて私がやっているのですから、朝、起きて学校に行くぐらいは自分でして下さいませんか?
そんなことも出来ないのなら、あなたは幼稚園児以下ですわ!」
「そんな事を言うなんて…お、お姉様の馬鹿!」
妹は泣き出して走っていった
それを覚めた目で眺める私、
「うっ…、お姉様の馬鹿!一生恨む!」
最後に大声で叫びながら舌を出して、「ベー」とした
「はぁ…色々と迷惑だわ」
しかし、私はそんな妹の強烈な魔力を感じとっていた
「あの子の魔力は………あの伝説がもし本当なら、私よりも絶対に上のハズ…」
「えぇー!生徒会長より強烈な魔力の持ち主ですか!?そ、そんな人がこの世にイラッシャルノデスカ?」
何故カタコトで敬語なのかは謎だが、話が長くなりそうなのであえて聞かないことにした。そんな事よりも人の独り言を盗み聞きしていた、この声はたぶん…
「生徒会長の魔力を越える力!とても魅力的です!…会ってみたい!いや、この魔法マニアの私が会わないわけにはいかないでしょ!」
私の独り言を盗み聞きしていたのは、副生徒会長の司 春美。中等部三年の先輩
「司先輩、盗み聞きはよくありません!と言うよりも、司先輩が魔法マニアという事は今初めて知りました。勝手に探らないで下さいね!」
「誰!誰!誰!誰ですか!?」
「教えるわけありません!さっき言ったばかりです!もう一度言います。探るのはやめて下さい!」
ムスッとした司先輩は、私に向かって
「一応先輩何だからね」
春美がえらそうにいっているのにムッときて、言い返した
「先輩だからといって、私の個人情報を教えなければいけないという決まりや権利はありませんよ。それに、立場的に私の方が上なのですよ。先輩と言っても、副会長と生徒会長の私との立場では学年がどうあれ、生徒会長の方が上なのですよ」
私の厳しい言葉に春美はシュンと沈んだ
「お願いします、優しい優しい生徒会長様。この春美に教えて下さいませ…」
私はそんな態度にあきれて、言うことにした
「私の妹 魔光 美歩よ…でも、本に書いてあったことが本当ならばだけどね」