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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第7章、大願成就
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豆まき大会!

花木の提案で始まった豆まき大会・・・豆まきって、こう言うのだっけ?

見たいな疑問は当然あるが、それはもう別にどうでも良い。

折角の行事だ、ワイワイ騒いだ方が良いだろう。


「ふっふっふ、イーリア、そっちについたっちゅう事はうちにやられたいんやな?」

「違うな、水菜、俺はお前に豆を思いっきりぶち当てたいからこっちのチームに入ったんだ」

「お師匠様、頑張りましょう!」

「そうね、適当にやるわ」

「頭領様! 頑張りましょう!」

「そうだね~、あの子達に豆を当てちゃおうか~」

「く、羽衣・・・頭領様と一緒なんて・・・羨ましい!」

「うーん、あっちが良かったかなぁ・・・」


卯実、羽衣、兎梨は当然花木と一緒のチームになりたがっていたが、じゃんけんで羽衣が同じチームだ。

普段いじられている不憫な奴が、憧れの頭領と一緒に戦えるんだし、嬉しいだろうな。

まぁ、内容は豆まきなんだけど・・・


「あはは! あたい頑張る!」

「あたしも暴れるよ!」

「サラちゃん、手加減しないからね」


色んな言葉が飛び交っている中、睦月と刀子はあまり乗り気じゃないようだ。


「うーん、やらないと行けないのか・・・はぁ」

「あなたは良いじゃないの、私なんてメンバー分けされてるけど、触れないのよ?」

「じゃあ、最強じゃないか、当らないんだし」

「茜の方に上乗せよ、茜だけは20個入ったらアウトって事よ」

「それで、お前もアウトか」

「そうそう、だから、私は茜の目の役割しか出来ないのよね」

「じゃあ、茜は最優先で狙われるな」

「周囲の状況を見れるわけだからね」


睦月は茜の上にいる、つまり、茜はレーダーの役割をこなすことが出来る。

だから、最優先で狙われると・・・茜の奴、大丈夫かな・・・まぁ、周りが守るだろう。


「じゃぁ・・・始め~!」


そして、花木の気が抜けるかけ声と共に、豆まき大会が始まった。

皆は各々の壁役のサラと四季が建てた壁に隠れた。


「食らえ! 水菜!」


最初に攻撃を仕掛けたのはイーリアだった。

ターゲットは当然水菜だ、しかし、すごい勢いですっ飛ぶな。


「おっと! 当らへんで! これはお返しや!」

「うわ!」


水菜の反撃に対し、イーリアはギリギリで壁に隠れた。

流石の反射神経、このバトル、もしかして、あの2人の2強か?


「ただ力強く投げるだけじゃないわよ、だって、カゴに入れれば良いんだし、ほら」

「なんやと! 壁に隠れてカゴに入れてきおった!」


葵が壁に隠れ、山なりに投げた豆は、立ち上がっていた水菜のカゴの中に入た。

見ても居ないのに、あんな正確な攻撃が出来るのか、流石は先代だな。


「あ、あかん、あの巫女はかなりヤバいで!」

「うん、お師匠様、あの場所です」

「そう、確かあそこは・・・えーっと、こうね」


睦月は茜にしか情報を渡せないという約束だが、もう、それだけで十分だな。

茜が睦月から聞いた場所を、正確に葵に話し、葵がその場所に入るように豆を投げる。


「そんな! 隠れてたのに!」


そして、隠れていた水希のカゴの中に入っていった。

もう、壁、意味ないな、なんせ、その奥の壁に当てて、跳ね返して入れてるし。


「お師匠様、なんでそんなに上手いんですか!?」

「そうね、茜、ゴミ箱にゴミを入れるとき、面倒でしょ?」

「はい、そうですね、特に冬場は・・・炬燵から出ないと行けないし」

「そうなのよね、だから、面倒だし、投げて入れようかなって思って練習してたら、得意になってね」


・・・・・・コントロールが上手くなった理由が、面倒くさいからだと?

あぁ、天才が極端に怠け者になったらこんな風に才能を発揮するのかよ・・・


「才能の無駄遣いね」

「そうだな」


時音の方も同じ様に思ったようだ。

まぁ、当然だよな、明らかに才能の無駄遣いだし。


「もしかして、これってあの3人に任せれば、私達いらないんじゃ・・・?」

「このままジッとしてるのは退屈! あたしも豆を投げる!」


流石にただ隠れているのに飽きたサラが立ち上がり、走って行った。


「おぉ、ようやく動いた! えーい! 投げろ!」

「わぁ! でも、負けないよ! てりゃぁ!」


サラが突撃したことで、一気に豆まきのようになった。

そして、地面を見ると、ちゃんと豆が集められている。

宣言通りって奴だな、しかし、豆をまきながら、回収もするって地味に器用だよな。


「チャンスだ! 行け!」

「おぉ~、この流れに乗っちゃうよ~!」

「あはは! 食らえぇ!」

「おぉ、お師匠様、私達も行きましょう!」

「このままでやれば確実に勝てたのにね、まぁ、乗ってあげる」

「ようやく出てきおったな! そこや!」

「おっと、ふ、私を狙うとは・・・やってやろうじゃないの!」


そして、色んな場所に豆が飛び交っている・・・

それにしても、こっちにもいくつか飛んできてるんだけど?


「おぉ、危ない」

「結局、巻き込まれるのね、お、危ない」

「そうだな、まぁ、普段からそんなんだし、仕方ないか」

「あぁ、そういえばそうだったわ、神様を振り回すなんてね、いた」


時音はいくつも飛んでくる豆を避けれずに、デコに当った。

しかし、時音はそれでも別に怒っては居ないようだ。

むしろ、少しだけ笑っている。


「そこや!」

「私! はう!」


水菜の投げた豆が羽衣のおでこにあたった。

しかし、カゴには入らない、やっぱり勢いだけでは入らない物が多いんだろう。


「ふっふ、どうや! 今度は取っておきやで!」

「力なら、俺も負けちゃいないぜ!」


水菜とイーリアは大量の豆を手に持った、何だか嫌な予感しかしない。

これは、あれだな、超範囲型の散弾銃が飛んでくるぞ・・・


「「食らえ!」」

「うわ!」


茜と葵は急いで隠れたが、他は間に合わなかったようで。


「きゃう!」

「いて!」

「うわぁ!」


全員、その破壊力のある散弾銃をもろに受けた。

あれは避けれないよな、うん、避ける隙間も殆ど無かったし。

あんなの隠れなかったら間違いなく食らう。


「きゅぅ・・・」

「超・・・痛ぇ・・・」


そして、その騒ぎを起こした2人もダウンしている。


「ふぅ、危なかった・・・」

「これ、どうするんだ?」

「どうするも何も、もう全員戦う気は無いみたいだし・・・圭介のチームの勝ちね」

「そうだな」


俺と時音は掴んだ豆を口の中に入れ、食べた、捨てるのは勿体ないし。


「じゃあ、お前だな、料理は」

「そうね、じゃあ、ちょっと行ってくるわ」

「あぁ、待ってるよ」


そう言い、時音は自分の神社の方に飛んでいった。

あの力は便利だよな、転移系の力って、本当に羨ましい。


「あれ? 皆倒れてる?」

「あれだけの勢いの豆が飛んできたらね、そうなるわ」

「皆、大丈夫かなぁ・・・」


しかし、全員ぶっ倒れてるくせに、何かスゲー楽しそうだな。

倒れても笑うって、どんだけ面白かったんだか・・・まぁ、運ぶかな、面倒だけど。

そして、これで、豆まきは終わりか、何だか、いつも通りだったな。

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