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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第7章、大願成就
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あたいの越えるべき壁!

結局、水希と水菜の戦いを見ることになった。

この2人の師弟対決を見れるなんてな、どんな感じになるかな。


「ふっふっふ、師匠、強くなったあたいを見て、驚かないでよね!」

「そこまでいうんやったら、期待するで!」

「よし!」


水希は前にチャイム達と戦おうとしたときと同じ構えを取った。

水菜はさっきの鬼との戦いや、葵との戦いとは違う構えだ。

相手を甘く見ている場合はこんな構えになるのか?


「でりゃぁ!」


水希が素早く水菜に接近した、文月山の捜索の時よりも、動きが俊敏だ。

あの後に一体何があったんだ? 時音にでも鍛えて貰ったのか?


「速くなってるな、時音、水希を鍛えたか?」

「少しね、まぁ、あくまで修行方針の指示だけど、後はイーリアが頑張ってくれたわ」


ふーん、イーリアの奴も水希の修行に手を貸したのか。

通りであんなに動きが良くなってるわけだ。


「甘いで!」


水菜はその俊敏な動きに合わせ、反撃を仕掛けてきた。

しかし、水希もその行動を予想していたようだ。


「師匠! 長い間イーリアとの戦いを見てきたあたいにはその行動は予想できてたよ!」


水希はその攻撃を素早く進行方向を変えることで回避した。

この意外な動きに、水菜もかなり驚愕しているようだ。


「てりゃぁ!」

「ちっとだけ驚いたが! 水希! うちを甘く見ない方がええで!」


水菜は攻撃を回避されたはずだが、すぐに体勢を立て直し、再び水希に攻撃を仕掛けた。


「くぅ! まだだよ!」


その攻撃に対し、水希は自分も攻撃をあてることで、後方に退き、回避した。


「ほう、ええ判断や、無理に避けるよりはええな」

「うぅ、痛た・・・さ、流石は師匠! でも、あたいも退くつもりはない!」

「せや、その息やで、自分で売った喧嘩や! 最後までやるんが筋ってもんや!」

「分かってる! ずっと師匠に教わった! 行くよ!」


水希は再び加速し、水菜に接近していった。

最初と行動は大差ないな・・・でも、何も対策しないで突っ込むわけないはず・・・


「せりゃぁ!」

「そら!」


水希と水菜の攻撃は同時だ、正面から当った場合、水希に勝ち目はないだろう。

最初の1回で力の差は歴然だった、水希もそれは分かっているはず・・・この状況・・・どうなる?


「貰ったで!」

「師匠! あたいを甘く見ないでって言ったよね!」


水希の攻撃は水菜の拳のすれすれを通った、どうやらそれが狙いだったらしい。

はなっからあいつは真っ向から殴り合うつもりはない・・・力の差がもろに見えているし、当然だな。


「な! なんやと!」

「これで、どうだ!」


そして、反対の腕で、水希は水菜の胴体を狙った。

これは・・・普通なら確実に入ったな、だが、相手は戦いの天才だ。


「確かに水希! あんたは成長した! うちを少しは楽しませてくれる程にや!

 せやけど! まだうちの方が圧倒的に先におる!」

「え!? わぁ!」


そのバランスが崩れたはずの状態で、水菜は水希の腹を思いっきり蹴った。

それはもう、殆ど手加減のないくらいにだ。


「水希ちゃん!」

「あう!」


そして、少し離れた地面に倒れた・・・あれは痛いぞ


「う、うぅ・・・けほ、けほ・・・お、お腹痛い・・・」

「ちいとばかり手加減を失敗してもうたな、すまへんな」

「い、いや、大丈夫・・・けほ、や、やっぱり、師匠は強いや・・・」


水希は最後にそう言い、倒れた、これは気を失ったんだろうな。


「水希ちゃん!」


それを心配した茜がもの凄い勢いで水希に近寄った。


「・・・い、いくら師匠だからってやり過ぎですよ!」

「予想以上に強てな、手加減する余裕あらへんかったんや」

「でも、だからって・・・」

「茜、あまり怒るな、大丈夫だ、水希も分かってやったことだ、組み手なんてして、無傷で済む筈ない」

「うぅ・・・確かにそうですけど・・・」

「まぁ、神社に運んで休ませれば回復するさ、脈もちょっと速いだけだし」

「それ、大丈夫なんですか?」

「あんなに運動した後だ、脈がいつも通りの方がおかしい」

「そういえば、そうでしたね」


俺は取りあえず、水希を神社の縁側まで運び、茜にもう一度指示を出し、布団を持ってこさせた。

それにしても、水希の奴、あんなに戦闘能力が上がっていたとは、予想外だったぜ。


「いやぁ、水希ちゃん、あないに強ーなっとったとはなぁ」

「あいつも結構鍛えていたからな、いつか師匠が帰ってきたときに倒す! って言って」

「ほうか! 師匠のうちを倒すか! おもろい弟子やな!」

「師匠としては嬉しいのか?」

「勿論さ! うちを目指してくれるのは師匠としては最高なんや!」


ふーん、そういうもんかね、まぁ、確かにそういうのが多い気がするな。


「茜ちゃんはどうなんや? 師匠を目標にしとるか?」

「はい、勿論です・・・ですけど、最終目標は圭介様ですね」

「も、目標にしてくれているって言うのは嬉しいけど、最終目標じゃないのね、悔しいわ」

「神の俺を最終目標? はは、そうか、頑張れよな」

「あぁ! 圭介様! 絶対に無理だろうな、見たいな顔してますよね!」

「そうだぜ? まぁ、叶わない目標の方がずっと目指せて良いんじゃね?」

「近付いてるって言う実感がないと途中で折れますよ」


まぁ、確かにそうだな、目標ってのは確実に近付いて居るって言う実感がないと続かないもんだ。

でも、夢は掴んだ奴よりも追いかけている奴の方が輝いて見えるって聞くし。

やっぱ、最終目標は常に逃げている方が良いんだろうな。

しかし、こう頬を膨らませてプープー怒ってる茜も可愛いもんだ。

それは、どうやら葵も同じ様だ、少しだけ鼻血でてるし。

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