表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第7章、大願成就
89/251

水菜VS鬼の少女

吹っ飛んできた鬼の少女と、その少女を巻き込んだ水菜の戦いか。

2人は今にも動き出しそうな気配を出しているが、お互いに動こうとはしていない。

鬼の少女はひたすらに水菜を睨み、水菜はその少女の周りを少しにやけながら回っている。

お互いに隙を見せないようにしているんだろうな。

それからしばらく経ったが、2人は未だに睨み合っている。


「動きませんね」

「集中しているんだよ~、多分ね~」

「こう言うときは、動くきっかけをあげないとな」

「どうするんですか?」

「まぁ、そうだな、四季、来てくれ」

「なんでしょう?」


俺は四季にあの2人の中心当たりに、少し大きな出っ張りを出すように指示を出した。


「まぁ、分かりました」


俺の指示を聞いた四季が手元を集中させ、俺の言った通りの場所に少し大きな石を出した。

それも、かなりの勢いで、いきなりその場所に現われた感じだな。

そして、その一瞬で2人が一斉に動き出した。


「だっしゃぁ!」


水菜が素早く動き、その石の横に動き、鬼の少女の死角に入ろうとした。

かなりの素早さだ、結構一瞬だし、多分、茜は追いつけていないだろう。

と言うか、普通の人間だと、あの速さに追いつけないんじゃないかな・・・


「思った通り!」

「お!」


しかし、鬼の少女も負けてはいない、彼女は四季が出した石を全力で殴り、水菜の方に飛ばした。

だが、虚を突かれたはずの水菜はその飛んできた石をなんの苦も無さそうに回避した・・・

あいつは本当に人間か? あぁ、そういえば半分妖怪だったっけ、葵と同じで。

それにしても菜が避けた石がこっちに飛んできてるんだよな。


「わぁ!」

「危ないな」


俺は茜に飛んできた石を防ぎ、何とか茜への被害を回避させた。

結構な勢いだ、俺が神じゃなかったら、この一撃はかなりヤバかっただろう。

これが鬼の力か・・・流石は妖怪の中でも最強クラスの種族とまで言われるだけはある。


「回避されたのは意外だった、でも! その体勢だとこれは無理でしょ!」


鬼の少女は石を回避したことにより、体勢が崩れている水菜に素早く接近して、足を鬼の姿に変え

水菜に向かって全力の蹴りを入れようとした。


「嬢ちゃん、あまり強い相手と戦って無いな、色々と甘いで!」

「へ!?」


水菜はその体勢で、鬼の少女の蹴りをギリギリで回避し、その足を取った。


「わぁ!」


揚げ足を取られた鬼の少女は、バランスを崩し、地面に向かって倒れていった。

しかし、やっぱり鬼って言うのは戦いになれているんだろう。


「この!」

「おわ!」


彼女は倒れる瞬間に手を鬼の手に変え、水菜の方に突っ込んでいった・・・

水菜もこの一撃は予想していなかったようで、かなり焦った様子で左に回避した。

そして、その勢いでその女の子が鬼の足の状態だって言うのにこっちに来る。


「きゃぁ!」

「こっちに来んな」

「あぁ!」


俺はその女の子の足を水菜がやったように強く上に弾いた。

その結果、鬼の少女は何回か回転しながら後ろの方に飛ばされた。

そして、目が回ったのか、受け身を取れずに地面に倒れた。


「すごい勢いで回りましたね」

「そうだな、ちょっとやり過ぎたか・・・」

「あれ? 圭介様、肉体強化って使っても良かったんですか?」

「あれでも肉体強化は使ってないんだ、意外と力があるみたいでな」

「あぁ、そう、ゆっくりと戦闘能力が上がっているのね、流石は神」

「私もその内あなたみたいに強くなれれば良いんだけどね、同じ神として」


そう時音は言うが、あんなに戦闘慣れしている水菜を軽く制圧できるだけの力があるんだし十分だと思う。


「な、なんや、もの凄く回転したな・・・大丈夫なんか?」

「く・・・くぅ・・・こ、この巫女以外にもあんなに強い奴が・・・でも、負けるか!

 そこのおっきな巫女! あんたを倒して、他の奴らも倒す!」

「うち相手にここまで苦戦してる喧嘩したことがないお嬢ちゃんがか?

 止めとき、うちを倒せたところで、嬢ちゃんは後ろの2人に勝てへんわ」

「うっさい!」


鬼の少女はそう言うと、自分の両腕、両足を鬼の姿に変えた・・・

こう見ると、変な感じだよな、見た目は茜よりも少し大きい程度の女の子が力を込めると

その部位だけゴツい鬼の容姿になるんだからな、正直、人間状態の彼女が鬼なんて気が付かないよな。

認識出来る場所なんて、目をこらしたら見える頭の小さな角に、鬼を彷彿とさせる様な

黄色と黒のしましま模様の服程度か・・・て言うか、冷静に見てみると、かなりきわどいな、あの服。

そういえば、鬼ってこんな感じだっけ、パンツしかはいてないし。

あぁ、鬼でも女の子だから胸にも一応服を着ているんだな・・・胸はないけど。


「そのかっこ、おもろいな、見た目は幼いのに、腕と足はゴリゴリかいな」

「この方が戦いやすいの! 全身鬼になっても弱くなるだけだからね!」

「そうなんか?」

「そうだよ、動きにくいしね、だから、この状態が私の本気・・・次の一撃で終わらせるよ!」

「ほう、ええで、じゃあ、うちも次の1回で終わらせたるで」


おぉ、何だか緊張した空気になったな、さぁ、どっちが勝つ?


「これで終わり!」

「それはうちのセリフや!」


お互いが、そう言い合い、2人は一気に接近していった。

1回で終わる、と思っていたが、2人の攻防は1回では終わらなかった。


「やっぱ、強い奴との戦いはおもろいな!」

「同意見だね! 純粋な力で私と互角なのは、あなたが初めて!」

「そうか、それは運が悪かったな」

「どういうこと?」

「その差が、うちと嬢ちゃんの決定的な差っちゅう奴や!」

「がぅ!」


水菜が鬼の少女の一撃を頬に擦らせるほどのギリギリで避け、彼女に強烈な一撃を入れた。

その一撃を受けた鬼の少女は、地面に倒れ、動かなくなった。


「うちは色んな奴と戦っとるからな、色んな動きが出来るんや

 それが、致命的な差ちゅう奴やな、ま、きぃ失なっとるようやから、聞えてないやろうけどな」


意外と長い戦いの勝者は水菜か、うん、流石は戦いの天才だな。

それにしても、こいつは巫女よりも絶対に武道家とかの方が向いてそうだ。

しかし、もしもこいつが鬼だったらと思うと・・・はは、ゾッとするね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ