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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第7章、大願成就
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2人の弟子

葵と水菜が帰還して、少しだけ、時間が経過した。

茜は2人に茶を用意し、今はまったりしている状態だ。


「あの、お師匠様・・・もう何処にも行かないでくださいね?」

「いえ、私はあなたに会わない方が良いわ、私はあなたに相応しくないからね」

「何でですか!」

「あなたは知らないで良い事よ・・・」

「教えてください!」


葵は最初に茜と再会したときと比べると、表情が硬くなっている・・・

最初はかなりテンションが高く、嬉しそうにしていたが、時間が経つにつれ、ゆっくりと表情が暗くなった

明らかに普通じゃない、それは分かるが、それでも茜は怯まずに話していく。


「会えないという理由も! 何でいなくなったのかも! 全部、全部教えてください!」

「駄目よ、教えられない」

「教えてくださいよ! お師匠様!」


喋るのを嫌がっている葵に対し、茜はガンガンと喋るようにお願いしている。

それも、少しだけ泣きそうな表情で。


「わ、分かった、分かったわよ・・・そんなに顔で私を見ないで」

「じゃあ、教えてくれるんですね!」

「えぇ、良いわよ、でも、多分ショックを受けるわ、それでも良いの?」

「はい、大丈夫です」

「・・・そう、分かったわ、なら、話しましょう」


その猛攻撃に折れた葵が、ゆっくりと重い口を開けた。

一体、何で茜を置いてどこかに置いたのか、それが分かるのか。


「実はね、茜、あなたには姉がいたのよ」

「え?」

「その子は、あなたの前にこの神社で拾ったのよ」

「で、でも、そんな人はいないんじゃ!」

「言ってないからね、あなたが傷ついても嫌だし」

「で、でも、その人とお師匠様が居なくなった理由は関係あるんですか?」

「勿論よ」


茜は少し動揺を見せた。


「それで、その子はね、ある日、自主的な修行を行なって、命を落とした」

「そ・・・そんな!」

「だから、私はあなたに自主的な修行を禁じたのよ、もう、あの子と同じ様になって欲しくなかったから」


意外な過去だな、まさか茜の前に弟子がいたとは・・・

でも、何でいなくなったんだ? それがよく分からない。


「でも、それが理由じゃないんだろ?」

「当然よ、それが理由じゃない・・・私がいなくなる少し前にね、嫌な感じがしたのよ」

「嫌な感じ・・・ですか?」

「えぇ、嫌な感じ、懐かしい気配なのに、明らかに禍々しい気配がしたの

 まぁ、すぐに分かったわ、この気配は・・・あの子、あかざだって」

「藜さん・・・ですか」

「えぇ、あなたの前の弟子、四宮 藜、あなたによく似て、とても可愛い子だったわ・・・」


四宮 藜か・・・葵の昔の弟子か。


「そ、その、藜さんはどうなったんですか?」

「そうね、妖怪になってたわ、暴走している妖怪に、結界の外でね」

「結界の外・・・そうか、にしても、どうやって出たんだ?」

「1番脆い場所を少しだけ斬って、出て行ったわ」


しれっと危ないことをするんだな、この巫女は。


「・・・お前のせいなんじゃないか? この結界の内側に妖怪が入ってきた理由って」

「まぁ、それもあるでしょうね、でも、大体は結界が大きくなったからだと思うわ

 私が結界の内側に戻って来れた理由も、結界が広がったからみたいだし」


まぁ、そうだろうな、結界が広がれば、その場所にいた妖怪も入ってくるからな。


「そ、それで、その藜さんはどうなったんですか!?」

「出会えたわ、3年も探し回って、ようやくね、本当はすぐに戻るつもりだったけど

 結界の外は予想以上に妖怪が多かったし、それに、場所もわかりにくかったからね」

「そ、それで、どうだったんですか? こ、殺しちゃった・・・とか・・・」

「いいえ、残念だけど、駄目だったわ、逃げ足もかなりの物だったし、それに、見た目も

 殆ど変わってなかったのよ、変わった所は目だけ、赤くなってただけよ・・・

 それに、意識もハッキリしているようだし、私の事も分かってた様だしね」


妖怪になっても、そのままか・・・結構キツいんじゃないか? その状況は。


「だから、あの子は私から全力で逃げていったわ、攻撃もしないでね

 それで、私ももう戻ることにしたの・・・茜が心配だったし

 そして、結界の近くでいきなりそこの馬鹿女に襲われて、逃げながら戦ってたわ」

「馬鹿女なんて酷いやないか、うちはただ強い奴と戦いたかっただけやで?」

「それが馬鹿なのよ、てか、なんであなたはあんな場所に居たの?」

「うちより強い奴に会いに行くためや!」

「そ、それだけ?」

「それだけや」


葵の理由は何となく納得いった、だけど、やっぱり水菜の理由は理不尽だな。

あいつは水希の事とか気にしてなかったんだろうか・・・だとしたら、どんだけだよ・・・


「いなくなった理由は分かりました、でも、なんで私と合わない方が良いんですか!?」

「そうね、あまり言いたくないけど・・・私、今は半分妖怪なのよ」

「「はぁ!?」」

「な、なんで!?」

「色々あったのよ、穢れが酷い場所にも行ったし、その場所で何度か怪我もした。

 それが影響かしらね、あ、あと、何人かの人間と会って、大暴れしたりしたし」

「なんで大暴れしたんだよ!」

「だって、その場所で妖怪とかがめちゃくちゃ出てきたからね、片っ端から仕留めてたら・・・

 その、何故か私も妖怪扱いされたのよね、不思議な物よ」


そ、それで半分妖怪になったのか・・・なんだそれ。


「お、奇遇やな、うちもや、半分妖怪になってもてな、やっぱ、暴れすぎたんやろうな」

「お・・・お前も半分妖怪なのかよ・・・」

「そうやで! せやからイーリア、もうあんたに腕相撲で負けたりはせんで!」

「侮るなよ、俺もずっと鍛えてたんだからな!」


なんだろうな、この温度差は・・・葵は半分妖怪になって、結構応えてるのに

水菜の方はむしろ喜んでるっている・・・はは。


「まぁ、師匠が妖怪でも、あたいはなんの問題はないんだけどね!」

「大丈夫です! お師匠様が妖怪でも、私はなんの問題もありません!」


でも、その弟子は似ているな。


「そう・・・ありがとう、でも、四宮神社にはお世話にならないことにするわ」

「な、何でですか!?」

「その方が私としては良いのよ、大丈夫よ、たまには来るから」

「お、お師匠様・・・」


結局、葵は四宮神社には寝泊まりしないのか・・・茜としてはショックかも知れない。


「ほうか、水希ちゃん、なら、うちも山明神社に寝泊まりしよか」

「うん、それで良いよ」


水菜は残るんだな、それも、結構軽い感じで。

やっぱり、弟子は似てるけど、師匠は違うか。

何で師匠がここまで違うのに、弟子が似たようになったのか、それが不思議だな。

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