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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第6章、年始の神社
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正月、最終日

正月の3日目だ、まぁ、流石に3日目だし、あまり人は来ないだろう。

さてと、今日はお雑煮を食うかな、忙しくて食えなかったが、今日は大丈夫だろう。


「よし、まぁ、お雑煮だ」

「おぉ!」


流石にこの数を用意するのは疲れたな、かなり時間も掛かったし。

まぁ、無事に用意できたし、よかったかなと。


「あ、美味しい!」

「このお肉美味しいね~、何のお肉~?」

「あぁ、それは」

「兎肉よ」


俺が鶏だと言おうとしたら、時音が横から入ってきて兎肉と行った。

何でまたこんな厄介な事になりそうなことを言うんだか。


「え、え? う、兎肉?」


そう聞いた花木は他3人よりも明らかに動揺している。


「いや、嘘だぞ、これは鶏だからな、時音の嘘だからな?」

「と、鶏肉? あ、あはは、よ、よかったよ~、で、でもなんでそんな嘘を吐いたの~?」

「そうね、もしも兎肉って言ったらどんな反応するかなって思ったからよ

 冗談きついよっとか言うかと思ったけど、真に受けたわね」

「と、当然だよ~、ちょっとトラウマがあるんだからさ~」


まだあの時の事を気にしていたのか、意外と引きずるタイプなんだな、花木の奴。


「あはは、時音様って意外と意地悪だよね!」

「水希、あなたは一応私に仕えている立場よ、せめて敬語は使いなさい」

「うぐ、わ、分かりましたです」


たまに普通に敬語で話していたりするが、本質的にはやっぱり敬語は苦手なんだな、水希は。

まぁ、あいつが普通に敬語を話すのは、茜が俺に対して普通に会話をするくらいおかしな事だな。


「あはは、水希ちゃんは敬語が下手だね」

「敬語なんて難しいよぉ・・・」

「たまに普通に敬語で話すのにね、全くよく分からないわ」


さてと、そんな会話をしている間に、今日も参拝客がやって来たな。

正月の3日間、全部で参拝してくれるってのはありがたいな、それだけ信仰されてるのか。


「あぁ、もう参拝客の方が、私言ってきます!」


茜はいつも通りに定置に座り、お祓い棒を振った。


「茜ちゃん、そんなに急がんでも良いよ、ほら、お口にお餅が少し付いちゃってるよ」

「え? あ、す、すみませんでした!」

「気にせんでええよ、さぁ、速く口を拭いてきなよ」

「はい」


あぁ、うん、やっぱりまだ口に付いていたんだな、餅。

一瞬見えたが、すごい勢いだったから言えなかった。


「あぁ、どうしよう!」

「ほら」

「むぐっ」


俺は手持ちの手拭きで茜の口を拭いた。


「あ、ありがとうございます、それじゃあもう一回!」

「あぁ、頑張れ」


そして、茜は再びお祓い棒を振った。

昨日はあんなに苦労していたってのに、元気そうにお祓いするんだば、茜は。

まぁ、今日はあまり参拝客も来ないだろうし、茜も休めるかな・・・

しかし、参拝客は今日もかなりの数がやって来た。


「正月最後なのに随分来るな、参拝客・・・」

「愛されてるわね、四宮神社、羨ましいわ」

「まぁ、その代償として巫女は大忙しだがな」

「そうみたいね、じゃ、水希、今日もやれそうかしら?」

「大丈夫!」

「じゃ、頼む」

「そんじゃあ、皆も頼むぞ、昨日と同じ様に」

「任せてよ~」

「今回は速くやらないと・・・」


まぁ、今日は茜と水希以外はそこまで忙しくはならないだろうな。

おみくじは分からないが、お守りは参拝に来た殆どが買って帰っているからな。

そして、全員は昨日と同じポジションに着いた。


「本当に何だか恥ずかしいな」

「何がかしら?」

「あいつらが必死にやってくれてるのに、自分たちは何も出来ない、これは悔しいだろう」

「神は存在しているだけで良いのよ、それだけで人間や生き物に勇気を与える」

「それは分かってる、神は憧れの塊だからな」

「そうそう、憧れは動かないのが良いのよ、ま、あなたに言っても意味は無いでしょうけどね」

「ん? どういうことだ?」

「どうせあなたの事だからもう色んな所で手伝いをしたんでしょ?」


色んな所か・・・花木の所で軽く働いたような記憶しか無いな。


「やってないと思うが・・・」

「そう言って、何かしてるんでしょうね、自覚してないところで」

「どうだろうな」

「あなたはそういう神よ、3ヶ月そこらの付合いだけど、そう思うわ」

「は、大先輩にそう言われるんだ、もしかしたらそうなのかもな」

「ふん、あまり調子には乗らないの」


それにしても、時音はよく俺に突っかかってくるな。

もしかして、暇なのか? まぁ、暇だよな、何もしてないし。

ただ存在するだけで良いか、嬉しいような、嬉しくないような。

ま、どっちでも良いかな。

それにしても、正月が終われば年末のイベントも終わりか。

何だか寂しい物を感じるかもな、さてと、これから再び1年か、まぁ、適当に頑張るかな。

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