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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第6章、年始の神社
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茜の誕生日

初詣の客入りも少しずつ落ち着いてきたな。

それじゃあ、そろそろ茜の誕生日会でもするか?


「はぁ、はぁ、う、腕が痛いです・・・」

「あ、あはは、やっぱりこの神社の巫女さんは大変だね・・・」


今からすぐに誕生日会を始めようとしたが、それは止めといた方が良さそうだな。

あの2人はかなり疲弊しているようだし、少し休ませた後にやるかな。


「いやぁ、疲れたね~」

「そうですね、これならいつもの方が楽ですよ・・・」

「数が多いからね、あなたみたいなのろまにはしんどかったでしょう?」

「むぅ~、じゃあ卯実がやれば良いじゃん! 会計!」

「わ、私は良いわ、適材適所よ、うん」

「くぅ、逃げるんだね!」

「相変わらず2人はよく喧嘩するね、やっぱり仲が良いから?」

「「違う!」」


あの4人はいつも通りか、ま、安心した。


「あーうー、疲れたよぉ」

「サラちゃん、お疲れ様、はい、お水だよ」

「お姉ちゃん、ありがとう!」


あの2人も平常運転だな。


「親分様! 僕はやり遂げたにゃ!」

「あぁ、よく頑張ったな、ありがとうよ」

「じゃ、じゃあ、撫でてくださいにゃ!」

「ん、分かった」


俺はチャイムの頭を撫でた、何だか耳に手がちょくちょく当って、その度にピク、となるのが可愛い。


「にゃぁ、幸せですにゃぁ・・・」

「・・・わ、私も頑張ったぞ! 人間が嫌いでも頑張った!」

「私も! あ、いや、私は嫌いじゃ無いけどね、人間さん」

「うちも!」

「じゃあ、流れに乗って私もお願いします」

「わ、分かったって、撫でれば良いんだろ」


俺は周りに集まってきた奴らの頭をゆっくりと撫でた。

しかし、獣耳が生えてる奴は耳に当る度にピクってなるんだな、これは共通か・・・

もしかして、花木とかもか? いや、あいつは反応が薄かった気がする。

だとすると・・・後1人獣耳で撫でてない奴が居るな。

気になるが、今はこいつらを撫でてやるか。


「はい、よしよし」

「キャン!」

「キューン!」

「おわ! 今度はお前らもか、ほら、よしよし」


俺はいきなり参加してきたキャンとキキ頭を撫でた。

2匹は耳に当ってもそこまで反応しないな、もしかして人型じゃ無いと反応が無いのかもしれん。


「本当に思うけど、あなたの手には動物や子どもを魅了する何かがあるの?」

「知らん」

「おぉ、何だ楽しそう! 時音様!」

「ん? 何かしら?」

「あたいの頭を撫でてください!」

「え? わ、私で良いの?」

「うん!」

「じゃ、じゃあ」


時音は顔を若干赤くしながら水希の頭を撫でた。

そして、水希はかなり嬉しそうに笑った。


「あはは、時音様は撫でるの下手ですね!」

「え、そ、そうなの? へ、下手!?」

「はい、でも、気持ちいいですよ!」

「あ、あぁ、そう、なら下手とか言わないで欲しいわ」


やっぱり時音と水希は一応仲は良いんだな、ま、当然か、神と巫女だからな。

さて、それにしても、さっきから左の方でずっと茜が俺の方を見ているな。


「茜? お前も撫でて欲しいか?」

「はい! お願いします!」

「だったら言いに来いよ」

「すみません」


茜は満面の笑みを浮かべながらそう言った。

もしかして、恥ずかしかったのかもな。


「さて、こんなんで良いか?」

「はい、満足しました、ありがとうございます」

「それはこっちの台詞だな、よし、じゃあ、誕生会をするか?」

「はい!」

「誕生会? どういうこと?」


そういえば、こいつらは茜の誕生日の事を知らなかったな。


「あぁ、茜は今日誕生日なんだ」

「え、えぇ!? そうなの!?」

「はい、でも、正確な日時が分からないので、お姉様がこの日に私を拾ったからその日が誕生日

 と言う事になっているんですよ」

「四宮の巫女は今代の巫女が赤子を広い、その赤子を鍛えて次代の巫女として育成するらしいんだ」

「そうなの、へぇ」

「じゃあ、私と同じなんだ」


水希がしれっとそう言った、あぁ、山明神社の巫女も四宮神社の巫女と同じか。


「え、そうなの? 初耳なんだけど?」

「じゃあ、お前の誕生日はいつになるんだ?」

「えっと、師匠は忘れたって言ってたよ」


大切な弟子と出会った日を忘れるのかよ、どんな師匠だ。


「あっと、確か水希は3月1日だ、俺が覚えてる」

「そうなんだ! あたいは3月なんだね」

「あぁ、水菜の奴が可愛い女の子拾ったから育てるよ! とか言ってたから覚えてる」


師匠は覚えてないのに、その友人は覚えているのか、かなり記憶力が無い奴だったんだな、水菜は。

それに、やっぱりイーリアがいった風だと、本当に水希と水菜って似てるなと思う。


「そうか、じゃあ、今年は3月1日に水希も祝うか、ま、それより今は、茜の誕生日だ」

「えへへ、楽しみです!」

「料理は出来てる、沢山食べてくれ」

「はい!」


そして、俺達は茜の誕生日を祝い、派手に騒ぐことにした。

そうか、これで茜はもう10歳か、速いもんだな、俺が初めて来たときは6歳だったのに

気が付けばもう10歳、あまり成長をしている様には見えないが、きっと少しずつ変わっているだろう。

でも、出来ることなら、茜にはこのまま成長して欲しいもんだ。

ま、変わらず成長するのは難しいだろうな、周りがちゃんと見ないと、だから、精々頑張るか。

茜にはこのままの純粋な子で成長していって欲しいからな。

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