四宮 茜、四宮の巫女の不安
今回から番外編です、主人公の圭介以外のキャラ達にスポットを当てたお話になります。
どのお話も、大晦日から時間は進んでいません、大晦日で昔を思い出している状態だと考えてください。
一応、過去のお話以外もあります。
それでは、ご覧下さい!
四宮神社に圭介様が出てきて、もうそろそろ4年くらいかな・・・
いきなり神様が出てきた時はとても驚いた、神様って言うのはとても厳しい人だと思ってたから
なのに、圭介様は優しくて、私をちゃんと褒めてくれたし、失敗しても怒らなかった。
だから、私は圭介様に仕えて、本当に良かったって思う。
大晦日とか、お正月はすごく大変だけど、皆の為に頑張るのは、楽しかったから。
「茜、そろそろ水希と交代するか?」
「いえ、大丈夫です!」
「そうか、じゃあ、しんどくなったら言えよ!」
「はい!」
圭介様が私に話しかけてくれた、気に掛けてもらっているのは嬉しいな・・・
でも、最近、少しだけ不安になる、圭介様は、私の事が必要なんだろうか・・・
巫女のお仕事なんて、圭介様が教えたら大体の子が出来る。
それだけ、圭介様は教えるのが得意だから・・・
だから、不安、いつか、圭介様が私を捨てて、何処かに行っちゃうんじゃ無いかって思って・・・
お姉様みたいに、何処か遠くに、遠くに行っちゃって、私がどんだけ頑張っても、手が届かなくて
そして、はぐれて、ずっと会えなくなっちゃうかもしれないって・・・
「茜、どうしたの? 何で少しだけ涙目になってるの?」
「あ、お姉ちゃん、私、泣いてたの?」
「えぇ、少しね、何? 今年を思い出して名残惜しいと思ったの?」
「い、いや、そんなんじゃ無いよ、うん」
私、泣いていたんだ・・・気が付かなかったよ・・・
巫女のお仕事中なのに・・・駄目だな、しっかりしないと!
そして、私はそのまま巫女の仕事をこなした、腕が痛いよ・・・
「うん、そろそろ交替しようか、水希、頼む」
「うん! 茜ちゃん、交替だよ!」
「い、いや、まだ大丈夫だよ、腕も動くから」
「駄目だよ、無理をしたらさ、大変なことになるよ?」
「うぅ、わ、分ったよ・・・」
私は水希ちゃんと交替した、腕も痛いし、確かに良いんだけど、少し不安がある・・・
私が唯一絶対に必要とされている場所、そこを取られちゃったような、そんな気分。
・・・・・・どうしよう、圭介様に聞いた方が良いのかな? で、でも・・・怖いから・・・
「・・・ふむ、茜、そう怖がらなくても良いんじゃないか?」
「こ、心桜さん・・・あ、そうか、心を読めるんでしたよね」
「そうだ、だから分かる、大丈夫だ、お前が仕えている神はそんな事を思うはずが無い」
「そう、ですよね、でも、不安なんです」
「大丈夫だ、私が保証する、思い切って聞いてみろ、それでハッキリする」
思い切って、聞いてみる・・・圭介様に、私は本当に必要なのか・・・どうかを・・・
何だか、前もこんな事を思って、圭介様に話した記憶がある。
あの時は、圭介様の言葉で救われた、でも、また不安になってる・・・
私って、本当に駄目だな・・・
「大丈夫だ、あの神はお前を拒絶はしない、ほら、聞いてこい」
「あ、心桜さん!」
心桜さんは私の背中を軽く押してくれた、そして、その言葉で決心できた!
うん、聞いてみる、思いっきり!
「圭介様!」
「ん? 何だ?」
「あ、あの、圭介様に、私は必要ですか!?」
思い切って、圭介様に聞いてみた、でも、言った後に後悔した。
だけど、圭介様は最初ビックリした表情を見せて、少し笑った。
「あはは、何だ、そんな事を思ってたのか」
「そ、そんな事って、私にとってはとても重要なんです、いつか圭介様が何処かに行っちゃうんじゃ無いか
そんな事ばかり思って・・・」
「お前は俺にとってとても大切な人間だ、何処かに行くわけが無い、それに、お前はもう家族だ
家族を要らないとか感じる訳がないじゃないか」
「う、うぅ、うぅぅ・・・」
「馬鹿、泣くなよ、何だ? 安心したのか?」
「はい・・・あ、あんじんしました・・・うぅ・・・」
私は、何でか知らないけど、すごく涙が出てきた。
私を家族って行ってくれて嬉しかったのかな?
それとも何処にも行かないって言ってくれたから?
何で泣いてしまったかを考えても、考えても、自分でも出て来なかった。
だけど、少しでも圭介様を疑ってしまった自分が恥ずかしくなったのは覚えてる。
「そんなに泣くな、ほら、団子がある、こういうときは美味いもんを食うと良い」
「あ、ありがとうございます・・・」
そして、圭介様に渡された花木さんのお店の団子を、一緒に食べた。
とても美味しい、安心して食べるって良いな・・・、それに、色んな人の声を聞くのも、良いな・・・
これで、明日も頑張れる、そんな気がする、明日はお正月、楽しみだな・・・




