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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第5章、年末のお話
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お餅つき!

文月山のメンバーも全員集合して、餅つきを始めることになった。

これだけの大人数の餅をつけるのか、そんな不安はあったが、その心配は無いようだ。


「沢山増えても大丈夫だよ~、元々沢山のお餅をつくつもりだったからね~」


そう言い、花木は大量の餅米を取り出した、やっぱり準備が良いな。

これだけあれば、問題は無いだろう、と言うか、これだけいても全部は無理かもしれないな。

まぁ、そうなったら神社に参拝するお客さんに正月でプレゼントとして配るのも良いかもしれないな。


「それじゃあ、お餅つきを始めよう~」


そう言いうと、花木は温めていた餅米を取りだし、臼の中に入れた。


「羽衣~、手伝ってね~」

「分りました!」


そして、羽衣と協力して、餅米を杵でこね始めた。

確か、最初はこうしないと餅をついてもあまり意味は無いんだったな。

それにしても、手慣れているな、あの2人、流石は妖怪兎だ。


「うんしょ、うんしょ」

「良い感じなって来たね~、じゃあ、誰かについて貰おうかな~」

「あたし! あたしがやる!」

「いいや、あたいがやる!」

「うちもやる!」

「ケロ、じゃあ、ケロも!」


やっぱり最初に食い付くのはあいつらか、まぁ、予想通りだな。


「うふふ、じゃあ、ここはお母さんがやりま~す」


そう言い、意外な事に、ミルクが出てきた。


「えぇ~!」

「そうだね~、最初はあなたが見本を見せてあげてね~」

「はい~、分りました~」


そして、花木はミルクに杵を渡した。


「ぶぅ、お母さんはやったことがあるの?」

「無いわね~、あ、でも、化け犬になる前にご主人様がついてたのは見てたわ~、だから大丈夫よ~」


そう言い、ミルクは餅をつきはじめた。


「えっほ、えっほ、えっほ」

「上手いね~」

「がは! け、ケロには無理ケロ・・・」

「き、奇遇ですね、わ、私も限界です」


何だか知らないが、羽衣、卯実、楓、賢子がダメージを食らった。


「どうしたんだよ、何かあったか?」

「何があったって、見るケロ! あの胸! くぅ、すごい揺れてるケロ! ケロぉ!」

「わ、私も、少しは胸があれば・・・くぅ、く、悔しくは無いですからね!」

「わ・・・わ、私も、も、問題無いわ・・・た、たかが胸が大きいくらい、な、な、何だってのよ」


あぁ、うん、こいつらは胸がないからな、それにしても、花木もそこまで無さそうなのにダメージは無い

まぁ、あいつが胸の事なんて気にするとも思えないし。


「・・・うん、少しはある、うん」

「心桜? 自分の胸なんて叩いてどうしたんだ?」

「ど、どうもしてないぞ、ただ、少し気になっただけだ」

「いいなぁ、僕も少しくらいはおっぱいが大きかったら良いのになぁ」


女の子はやっぱり結構胸の大きさを気にするんだな、よく分からない。


「ふぅ、これでどうですか~?」

「うんうん、結構良い感じだね~」

「それは良かったです~」

「じゃあ、今度は誰がやるの~?」


花木はそんな疑問を周囲に投げかけた、そして、羽衣が動いた。


「あの」

「ん~、今度は羽衣~? 駄目だよ~、羽衣は何度もやってるんだからさ~」

「い、いえ、そうじゃなくて、その、少し気になることがあって」

「気になること~?」

「はい、あの、失礼なのは分っているんですけど、その、なんでミルクさんを見ても平気なんですか?」


ド直球に言ったな、まぁ、答えは簡単で気にしてないから何だろうが。


「同じ妖怪だよ~? 平気に決まってるよ~」

「そうじゃなくて、あの大きなお胸を見て・・・」

「ケロ! そうケロ! 花木も胸がないケロ! なのに何でケロ!?」

「お胸~? うん、キツいよね~、だから私はいつもサラシで押えてるんだ~、少し痛いけど」

「ケロ!?」

「何ですって!?」

「同じだと思ってたのに・・・」


その言葉を聞いて、ペタンコ組は激しく意気消沈した。

でも、卯実と羽衣はむしろ嬉しそうにしている。


「そうですか! 流石は頭領様!」

「流石、我々とは格が違います!」


うん、あの2人はよく分からない、それだけ花木を慕ってるんだろうか

いや、もうあそこまで言ったらもう慕うじゃなくて心酔だろうな。


「ん~? 何だかよく分からないけど~、餅つきをしたい子は返事してよ~」

「はい! あたい! あたいがやる!」

「うち! うちがやる!」

「じゃあ~、水希ちゃんね~、その後にくるみちゃんだよ~」

「うぅ、出来れば先が良かったよ・・・」

「やっほう! つくぞ!」


今度は水希だな、こいつに餅つきが出来るのか? まぁ、大丈夫だろう、餅つきだからな、たかが。


「でりゃぁ!」


水希が最初にやった1回でぺたんと言う小さな音ではなく、ドバン! と言う大きな音がした。

これはかなりの力だな、流石は戦闘狂の巫女を師匠に持つだけはあるな。


「うへぇ、すごい力だね~」

「師匠に鍛えて貰ってたから!」

「あはは~、これはもし巻き込まれたらすごい痛いかもね~」

「大丈夫! ちゃんとする! てりゃぁ!」


そんな大きな音で目が覚めたのか、神社の奥から茜が姿を見せた。


「うーん、何の音ですか? あぁ、何だか人がたくしゃん、お茶を入れないと」

「・・・茜、目が殆ど開いていなかったが、何だ? 寝ぼけてる状態なのにお茶を入れに行くって」

「・・・あなたの所の巫女は本当に良く出来てるわ、私の所の巫女なんて寝ぼけている状態で

 私が顔を見せたら侵入者だぁ! って言って攻撃してくるのよ?」

「それは、あれだ、お前が復活して間もないからさ」

「もう何ヶ月も経ってるけど? それでも未だに攻撃してくるわ」

「じゃあ、そうだな、根気よく接しろ、そうしたら多分大丈夫だ」


茜は寝ぼけていても、お客さんに茶を出すが、水希は寝ぼけていると神様に攻撃するのか。

何だか、一言で巫女と言っても、やっぱり性格は違うんだな。

本当、四宮の巫女は茜で良かったぜ。

そして、少しして、寝ぼけ眼の茜がお客さんの分全員のお茶を用意してきた。

寝ぼけているのにお客さんの数を把握するとは、やっぱりすごいな、茜は。


「お茶でしゅよ・・・温かいので~、お気をつけてくだしゃい」


茜がお盆を置くと、端の方のお茶が倒れ始めた。


「危ない! あ」

「あちゃぁ!」


何とか完全にこぼれるのを止めれたが、少しだけこぼれたお茶が茜の手にかかった。


「つ、冷たい物!」

「ん、冷たい物」

「おぉ! 心桜! 助かったぜ!」

「気にしないでくれ」


俺は心桜から貰った冷たい手拭いで茜の手を冷やした。


「うぅ・・・熱いですぅ・・・」

「寝ぼけた状態でやるからだ」

「うぅ・・・あ、あぁ! おはようございます」

「い、今まで気が付いてなかったか」

「え、えへへ、すみません」


そして、茜の手を冷まし、俺は茜が入れてきてくれたお茶を飲む事にした。

ん、今日は少し温いな、まぁ、熱かったら茜の手は火傷か、運が良い。

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