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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
幼少期、第1章、妖怪兎の災難
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妖怪兎の受難

花木が半ば強制的に参拝に来た女性の彼氏(女)になり、翌日、女性の両親に会うことになた。

それの相談に花木が四宮神社にやってきた。


「男装、似合ってるな」


花木の服装は黒色の男性用の和服だった。髪型もあり、意外と似合っている。

因みにこいつの耳は幻術で隠している、こいつが唯一使える妖術だしな。

まぁ、俺と茜には効かないんだけどな、普通の人間ならだませるだろう。


「・・・似合ってるって言われても嬉しくないんだけどなぁ~」

「まぁ、女の子だからね、男の人の服装が似合ってるって言われても嬉しくないよね」

「うん、はぁ、何でこんなことに・・・」

「まぁ、あれだ、何事も経験だって」

「こんな経験は要らないと思うんだけどなぁ~」


花木はなんだかくたびれている様だ、普段元気な奴が元気じゃないと違和感しかないな。


「えっと、確か明日だったよね」

「うん、明日」

「じゃあ、明日まで我慢すれば終わるのか?」

「うん、そうなんだ、楽しみじゃないなぁ」


普通は楽しみって言う流れだと思うが。まぁ、明日はこいつにとって決戦でもあるしな。


「花木さん!何処ですか!?」

「呼ばれてるぞ?」

「え?行ってみる」


花木は女の人の場所に行き、しばらく話をして、ショックを受けた様な表情でこっちに来た。


「どうした?兎が弾丸を受けた様な表情をして」

「・・・今日、今日になった」

「へ?」

「今日!あの人の両親に会うことになった!」

「そうなのか、頑張れ」


俺は面倒なのでスルーする事にしたが、花木に思いっきり腕を捕まれた。


「一緒に来て!」

「なんで!?」

「衝撃でなんて言うのか忘れた!」

「ふーん、大変だな」

「だから来て!あなたは普通の人には見えないんでしょ!?なら大丈夫だって!」


花木は必死に一緒に来いと言ってきた、しかも、軽く半泣き状態で。


「あ、あの!私からもお願いします!両親を説得できればそれで良いんです!」

「お願いだから~!私女の子だから!だからお願い!私とあなたの仲じゃん!」

「そこまで親しくしてないだろ」

「酷い!」


俺は花木と女の人に長いこと説得を食らい、渋々付いていくことにした。

女の人の両親は大きな料亭で行うことになった。


「お父さん、お母さん、彼氏連れてきたよ」

「ど、どうも、蓮さんの彼氏の花木と申します」

「ふむ、君が蓮の彼氏か」

「は、はい!」


花木はかなり緊張している様だ、これはこんな花木を見るのは多分これが最初で最後だろうな。


「では座りなさい」

「はい!」


この挨拶は俺が軽く指示を出した、彼女はいなくともそう言う礼儀作法は知っている。


「では、まずは君の職業を知りたい」


花木はチラリとこっちを向いた、俺にどうするかを聞いてるんだろう、そうだな。

俺はこの世界の職業に詳しいわけじゃないが、飛脚はあった、俺は花木に飛脚と言えと指示を出した


「飛脚です!」

「と言うことは蓮ちゃんとあまり長い間いられないんじゃないの?」

「大丈夫よ!私は長い間一緒に居られなくてもこの人の事が好きなの!」

「そうか」


良いフォローだ。この言葉で両親はこれ以上深く詮索しなくなった。


「では、趣味は?」


花木が再びこっちに目線を送った。趣味か、こいつが出来そうで両親に良い感じの印象を与える

趣味は・・・む、難しい、考えてみたらこいつの事あまり知らない、ここは、釣りかな。


「釣りです!魚釣り!」

「おぉ!釣りか!趣味が合いそうだ」

「そ、そうですね」


なんとか成功したか、はぁ、危ない危ない、その後は特に問題もなく過ぎた。


「よし、まぁ、良いだろう、本当はもっと話したいが、そもそも君と蓮は付き合い始めた

ばかりらしいし、もう良いだろう、それじゃあ、蓮、見合いの話は無しにする」

「分かった!」


そうして、蓮の両親は帰っていった、これで問題は解決かな。


「はぁ、つ、疲れたぁ」

「ありがとうございます!これで私は救われました!」

「あはは・・・よ、良かったねぇ~」

「あぁ、もしも花木さんが本当に男の人だったらなぁ」

「冗談はやめてよ~」


二人は楽しく話をしている、そして、今日は解散と言うことになった。

しかし、何故か花木の奴は四宮神社に付いてきた。


「なんで付いてきたんだ?」

「妖怪でも疲れるんだよ~」

「だったらさっさと自分の住処に戻れよ」

「前も言ったけど、ここはなんだか落ち着くんだって」

「妖怪が気に入る神社ってなんだよ・・・」

「きっとあれですよ、神聖さで妖怪が洗われているとかそんな感じですよ、きっと」


茜は俺と花木のお茶を横に置いた、こういう気配りが出来るのはすごいよな。


「ありがとう!やっぱり茜ちゃんは気が利くね~」

「うちの看板巫女だからな、まぁ、1人しかいないが」

「ところで茜ちゃんって圭介の娘なの?」

「違う、それと俺は一応神様だぞ?」

「あぁ、そうだったねぇ~」

「しかし、なんで神様は人に見えないんだろうな」

「神様は見えないから威厳が保てるんだよ、見えてしまったら威厳が途絶える物だよ

 まぁ、そのお陰で私は親しみやすいんだけどね~」


そんなもんなのか・・・まぁ、俺は神様の姿が見えないから信じなかったんだけどな。

いや、それはあの世界だからか、もしもこの世界にいたら信じてたかもしれない。


「いやぁ、神様が緩いと私達妖怪も過ごしやすいんだよねぇ~」

「ほう、なら厳しくした方が良いのかもな」

「ごめん!間違えた!緩いけど厳しいからだった!」

「何でだ?」

「ほら、厳しすぎると妖怪は過ごしにくいし、緩すぎると妖怪も人間も暴走するでしょ?」


この口ぶりだとまるで俺が統治者みたいな感じだな。

ふむ、少し聞いてみるか。


「まるで俺が統治者みたいな口ぶりだな」

「実質ここら一帯の統治者じゃん、自覚が無い様だから言うけど四宮神社は力があるんだよ?」

「マジで!?こんなにボロボロなのに!?」

「ボロボロなのは先代と先々代が原因で信仰が落ちたからじゃ無かったっけ?」

「本当ですか!?」

「よく知ってるな」

「これでも妖怪だからね、結構長生きなんだよ、まぁ、完全に妖怪になったのは最近なんだけどね」


花木は結構長生きなんだな、頭が悪いから生まれて殆ど経ってないのかと思ったが。


「あ、そうだ、今日は泊まってくよ」

「はぁ!?なんでだよ!」

「もう遅いし、それに今から帰るのはしんどいし」

「私は泊まっても良いと思うんですけど」

「だってさ、だから泊まってもいい?」

「はぁ、仕方ない、分かったよ」

「やった~!」


こうして花木は四宮神社に泊まることになった。

正直、妖怪よりも人間に来て欲しいんだが、まぁ、何も来ないよりかはマシかな。

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