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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第5章、年末のお話
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クリスマスイブの昼間

釣り騒動からしばらく経過し、今は12月24日だ。

向こうの世界ではクリスマスイブ何だろうが、こっちでは無縁のお話だろう。

ここの世界にキリストはいないからな、だから今まで特に何かをした事は無かった。

しかしだ、折角の年末だ、少しは騒ぎたいな。


「何もありませんね、依頼も草刈りのお手伝いくらいですし」

「何でも屋じゃないんだがな」

「もう、何でも屋にしてしまえば良いんじゃないの?」

「ここは神社だよ、お姉ちゃん、何でも屋なんてさ」

「まぁ、そうなんだが、草刈りなんて簡単だからな」

「あはは! 次は刀子だね!」

「くぅ・・・これは、出せない・・・」


サラは植物の妖精だ、こいつが行けば草刈りはすぐに終わる。

なんて言ったってお願いすれば根っ子ごと簡単に抜けるからな。

そんで、その植物を神社の近くの森に移す、これだけだ。

頼めばすぐに来てくれて、すぐに終わらせてくれる。

だから草刈りの依頼が多いんだろう。


「サラちゃん、あんな特技があったんですね」

「あぁ、あの時まで知らなかった」


サラのこの特技が分かったのは、釣り騒動の2週間後だ。

その頃に来た草刈りの依頼で発覚した。

今まで境内の草刈りとかはしてなかったから知らなかった。


「だぁ! 負けたぁ!」

「ふっふっふ、流石あたし!」

「クソ、なんでジョーカーを2枚も持ってるんだよ・・・」

「いえーい!」

「やっぱり強いね、サラちゃん」

「ふっふん」


今日は珍しくイーリアが来ている、そして、4人で仲良く大富豪だ。

それにしても、トランプでここまで喜んで貰えるなんて思わなかったな。

やっぱり新しい物は面白いんだろう。

それに、俺は知っている事を話しただけなのに、この遊びの発案者になっている。

自分で考えたわけじゃ無いのに発案者って何だか複雑な心境だ。


「ねぇ、2人もやろうよ! とらんぷ!」

「どうしますか?」

「うーん、6人でやれるゲームか・・・そうだな、ダウトで良いかな」

「だうと? 何ですか? それは」

「あぁ、軽く説明しよう」


俺は軽く皆にダウトの説明をする事にした。


「ダウトって言うのはトランプを1~13と順番に1人1枚ずつ裏返しに出していくゲームで先に手札が

 無くなった物の勝利だ」

「簡単じゃ無いですか」

「まぁな、だが、律儀に1の後に2と順番に出す必要は無い、ここで3を出しても良いし10でも良い

 しかし、周りは順番じゃ無いと思ったらダウトと言う、それが順番じゃ無ければ

 出した奴が溜まったトランプをとる、でも、順番通りだった場合、ダウトと言った奴が

 そのトランプを取る、と言う物だ、そして、番号を言うんだ」

「何だか難しそうですね」

「でも、面白そうじゃん、やるやる!」


そして、俺達は6人でダウトをする事にした。

茜とかは心理戦は苦手そうだが、まぁ、大丈夫だろう。


「よし、じゃあ、始めるぞ、1」


最初は俺からのスタートだ、それ以降皆ちゃんとルール通りに進めていった。


「はい、7」

「うぅ・・・9です」

「ん?」


茜が8では無く9と言った、一体何でだ?


「よし、ダウトだ!」

「うぅ、そうです」


刀子にダウトと言われ、茜が開けたカードは9だった。

これはもしかして、誤解しているのかもしれない。


「茜、一応言うが、言うのは出したカードの番号じゃ無くて、自分が本来出す筈の番号だぞ?

 だから、別に7の後に9を出した場合、9と言わずに8と言うんだ」

「そうなんですか!? 私は出した番号を言うのかと・・・」

「あぁ、すまんな、俺の説明不足だ」

「ん、じゃあ、今回のは無しだね、もう一回だ!」


そして、俺達はしばらくの間ダウトを楽しんだ。

まぁ、俺の予想通り、こいつらは心理戦が苦手のようだ。

違う番号を言うときに声が震えてたり、周りをキョロキョロ見てみたり

番号を言う時の声が裏返ってたり、顔が引きつっていたりしていた。

こいつらはポーカーフェイスは苦手のようだ。

だが、四季は結構ポーカーフェイスをこなしていた。

流石は落ち着いてるだけはあるな。


「あぁ、また負けましたぁ・・・」

「むぅ、圭介が強すぎるよぉ・・・」

「いや、お前らが弱すぎだ、顔や声にどれだけ出てるんだよ」

「いや、その、違うのを出すときにはどうしても緊張しちゃって・・・」


結果は俺が1位、四季が2位、刀子が3位、茜が4位、イーリアが5位、サラが最下位だった。

ある程度は予想できてはいたが、茜がイーリアを抜いたのは予想外だった。


「くぅ・・・あたしが最下位かぁ・・・」

「まぁ、あんなに露骨にキョロキョロしてたらな」

「むぐぅ・・・悔しぃ!」


サラは結構落胆しているようだ、こんなサラを見たのは初めてかもしれない。


「ん、そうだ、今度はばば抜きって奴をしよう」

「ばば抜きをか?」

「そうだ、そして、最下位になった奴は罰ゲーム! これなら面白いだろう!」

「面白そう! 負けないよ!」


さっきまで落胆していたのに、刀子の発案を聞いてすぐに回復するって。

うん、こいつは本当に元気な奴だ。

だが、明らかにサラは不利そうだが、本人はあんなにやる気だし、まぁ、良いかな。

そして、意外な事にこのばば抜き大会の最下位は茜だった。


「うぅ、やっぱりこういうのは苦手ですよ・・・」

「誰もジョーカーを取らない物ね、これは仕方ないわ」

「ずっと茜が持ってたのか、ジョーカー」


ダウトと比べると結構ポーカーフェイスだったのにな、不思議な物だ。


「それじゃあ、この中から選んでくれ、罰ゲーム」


そう言うと、イーリアは割り箸を差し出した。

多分、この割り箸に罰ゲームの内容が書いてあるんだろう。


「わ、分かりました・・・む、むぅ・・・これです!」


茜は左端の割り箸を選んだ、そこに書いてあった罰ゲームの内容は。


「料理を全員分作れ、ですか、圭介様がいつもやってることですね! 罰でも何でもありません!」


俺と刀子は完全に固まった、そして、睦月は少し苦笑いを浮かべていた。


「おぉ、茜が作る料理、食べたことが無い!」

「・・・えっと・・・その」


そして、四季も少し焦っている、そうだな、こいつは茜が初めて作った料理も見れたんだよな。

そうか、だからあんなに焦っているのか。


「ちょ、そ、それは罰じゃ無いって言うか、その・・・」

「もう決まったことです! 待っててください! とびっきり美味しい料理を作りますよ!」


茜はそう言い残し、台所に走って行った。


「あぁ、これじゃあ、どっちが罰ゲームなのか分からない・・・」

「どうしたの?」


そして、茜が作った料理はやっぱり黒焦げだった、でも、少しは上達している。

前までは炭だからな、それに、食べられないことは無かった。

サラ達は無理だ! って言ってたがな。

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