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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第4章、いつもと違うことをしよう
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団子屋のお手伝い

花木の店を見に来たついでに、手伝うことにした。

茜は接客、俺は厨房だ、まぁ、俺が接客なんてしたら色々と面倒だからな。

一応これでも神様だし、あまりありがたみは無いかもしれないが、神社に来たら会えるし。


「さて、一応厨房を手伝うが、何すれば良い?」

「圭介~、よかったよ~、人手が足りなくてさぁ~」

「分かってる、接客は茜がやってくれてるから、俺は厨房だ」

「うん、じゃあ、団子を作るのを手伝ってよ~」

「分かった」


俺は花木に説明されたように団子を作った、最初は苦戦したが、意外と簡単だな。

作業スピードは他の妖怪兎よりも若干速いくらいかな。

花木はもっと速いが、流石は妖怪兎の頭領だ。


「はい、兎さん特製団子を3つお願いします!」

「茜ちゃん~、これね~」

「はい!」


茜はてきぱきと接客をこなしている、かなりの数の注文を素早く聞き取り、その全てを記憶している。

さらにはお客さんへのおもてなしも完全にこなし、死角は無い。

これが茜の本気か、普通にどんな店でも適応できそうだな。


「はいどうぞ、あ、お会計ですね、100文です、はい、ご注文ですね!」


色んな状況に臨機応変に対応している姿はまさに歴戦のベテランのような感じだ。

接客担当の妖怪兎もかなり唖然としている。


「ん、団子を10本と」

「速いね~、本当にさ~」

「俺は慣れるのは速いんだ」


どうやら俺が団子を作るスピードは結構速いようだな。

そんなに難しくも無いし、すんなり出来るからこれくらいだと思ったが。

それから3時間ほど経過し、行列はすごい勢いで捌かれた。

大体は接客の兎が苦戦していたからだそうだ。

まぁ、あれだけの客を1人で捌くのはかなり難しいからな。

でも、茜はそれをやってのけた、接客の能力が異常に高いだけはある。


「ふぅ、こんな所ですかね」

「3時間ぶっ通しはしんどかったんじゃ無いか?」

「そうでもありませんよ? 意外と慣れてますから」


俺は少しだけ茜を頼もしいと思った、あくまで接客関連だけだがな。

戦闘能力とかはそうでも無いし。


「ふぅ~、ありがとうね~」

「いや、気にするな」

「あ、そうだ~、2人にもあげるね~、私のとっておきのお団子~」


そう言うと、花木は団子を取り出した、その団子は他の団子よりも美味しそうだ。


「これは?」

「非売品の特別なお団子だよ~、私が丹精込めて作ったお団子だから絶対に美味しいよ~」

「そうなのか」


俺は花木にもらった団子を食べた、確かにかなり美味しい、元々花木の団子は美味いが

この団子はそれ以上に美味しかった、毎日数個しか作れないレアものだそうだ。

なんせ、花木の気まぐれで作る団子らしいし、そりゃあレアだよな。


「気まぐれで作った団子なのに美味いんだな」

「そうでしょ~?」

「ありがたいですぅ」


その団子を傘下の3羽はありがたそうに食べている。

何だか必至にその団子を頬ばっている姿は何だか可愛らしい。

兎というかリスを連鎖的に思い出してしまうな。


「それじゃあ、私達は神社に戻りますね」

「うん~、今日も行くから待っててね~」

「はい!」

「ちゃんと商売してから来なさいよ」

「あはは~、分かってるよ~」


そして、俺達は神社に戻った、それにしても団子屋も大きくなっているよな。

まぁ、そんな事を考えながら戻った神社には新しい厄介ごとがあった。


「何よ! ここの神様はいないの!?」

「ちょっと出かけてるんだよ」

「全く、折角助けてくれたお礼を言いに来たのに・・・タイミングが悪いわ」


そこには見覚えの無い女の子がいた、髪の毛は緑で短く、後ろに小さめのリボンをしている。

そして、服は背中に大きなリボンと大きめの山のプリントがあった。


「ん?」


俺達に気が付き、その女の子がこっちを振り向いた、そして、瞳が緑だと言うことと

スカートの下の方にトランプのダイヤのマークが沢山ある事と、山がプリントされた胸ポケット

そして、えりには線が何本か入っている、何処か和風チックなのに多少の洋風も混ざっている感じだ。

まぁ、服装は若干大人っぽいが、本人はまだ子どもだ、水希と同じくらいかな。


「あなた・・・そうか、あなたがここの神様ね!」

「あ、あぁ、そうだが、お前は?」

「私は山明神社の神、山明さんみょう 時音ときねよ」

「はぁ!? 山明神社の神だと!? 何言ってんだよ、あそこの神様はまだ復活してないし」

「本当なんだから! あなた達が帰った後に何だか復活したのよ? 巫女話では

 その後山の妖怪が私を信仰したから復活したって聞いたし!」


妖怪の信仰で神様が復活することがあるのか? 神は人間の憧れの象徴じゃ無かったか?


「いや、神は人間の憧れの象徴だろ? 何で妖怪の信仰で復活するんだよ」

「確かにそうよ、妖怪はある物しか見れない、だから人間の様に神を想像できないの

 でも、一応妖怪の信仰で神が復活することはある、別の神を見たならね

 もし、その神をプラスに捉えたら、生まれている神様を起こすことは出来るの」


よく分からないが、俺を見た文月山の妖怪達が神様、つまり俺を見て

それをプラスに捉えた、その結果神を信じ、山明神社の神を復活させたと。

そして、妖怪は普通ゼロから神を作ることは出来ないが、出来ている物を復活させることは出来ると。


「要するに、妖怪の信仰で生まれたんだな」

「ちょっと違うわ、妖怪の信仰で蘇ったの、元々いるし、昔の容姿とは違うのだけどね」

「・・・あ、もしかして、水希ちゃんをイメージされて出来たとか?」

「可能性はあるな、容姿とかなんかにてるし」

「え? 私は巫女に似せられて出来たの? 何だか不服だけど、まぁ良いわ」


まぁ、仮にそうだとしても、性格はかなり違うな、そこは似せられてないんだろう。


「で、なんの用なんだ?」

「簡単に言えば、あなたへの礼と宣戦布告よ!」


時音は俺を指さし、大きな声でそう叫んだ。


「ふーん、そうか」


そこまでやる気の無い俺はその宣戦布告を軽く流した。


「な、何よ! そのやる気のない返事は!?」

「だって、やる気無いし」

「何よ! 神様同士よ! 一応ライバルなのよ!?」

「ライバル? 何で」

「いや、だってほら、神様は信仰を集める物でしょ?」


そういえばそんな何かがあったような気がする、しかし、最初は考えていたが最近は考えてなかった。

もう神社は普通に回るくらいになったし、そこまで考える必要は無いかな、とか思ってたし。


「そういえばそうだったな」

「え、何、忘れてたの?」

「あぁ、忘れてた」

「あ、あはは・・・じ、実は私も忘れてました・・・」

「・・・あ、あなた達・・・神や巫女としての重要な仕事を忘れてたって・・・」

「さ、最近は信仰集めとかしなくても問題なかったし・・・」

「じ、神社も食べ物に困らなくなりましたし・・・」

「・・・も、もっと貪欲になりなさいよ・・・」


時音は呆れたようにそう言った、いや、正直今更だが反省している。

そういえば神様って信仰を集める物だったよな、すっかり忘れてた。


「ま、まぁ、良いわ、とにかく宣戦布告はしたから! 覚悟しなさいよ!」


時音はそう言い放つと帰って行った、その横顔は少しだけ笑っているように見えた。

何かを企んでいる笑顔とかじゃ無く、純粋に笑っている感じだ、勘違いかもしれないがな。

そして、鳥居を出ると、彼女は姿を消した、神様みたいだな。


「・・・さて、とりあえず休むか」

「はい、そうですね」


俺は時音と出会い、再び信仰集めを頑張るようにしようと思った。

ま、急いでやる必要も無いし、明日からだな。

今日はのんびりと休んで、明日のために精気を養っておくか。


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