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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第3章、四宮神社の日常
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四宮神社の大掃除

四宮神社に着いて初日にすることは宴会とか宴じゃない。

最初にすることはこの荒れ果てた神社を掃除することだ。

全くよ、たかが5日間くらい開けただけでここまで荒れ果てるかね、普通。


「さて、まぁ、掃除を始めるぞ、お前らもちゃんと手伝えよ」

「はーい」


さて、折角8人も居るんだ、分断する方が効果的か・・・


「じゃあ、花木は茜と一緒に庭の掃除を頼む、ちゃんと集めろよ」

「分かったよ~」

「しっかりと茜の指示に従えよな」

「は~い」


とりあえず庭の掃除は2人で十分だろう、茜も居るし、花木でも掃除は出来るだろうしな。

さて、残りの俺達は神社の内部の掃除だ。


「じゃあ、お前らはゴミを集めてくれ、一応分別はしてくれよ」

「はいです!」


さてと、中央の客間はあいつらに任せて、俺は茜達の寝室でも掃除しようか。

しかし、なんで四宮神社には妖怪兎の寝室とか用意されてるんだか。

それにしても、あいつは寝室があるのに大広間で寝てたな・・・何だか嫌な予感がする。

ゆっくりと扉を開け、中を見ると・・・そこは完全にゴミ屋敷だった。


「これは酷い、なんで服とか脱ぎ散らかってんだよ・・・」


まぁ、そもそも何で四宮神社にはあいつの服まであるんだか、ま、3年間も神社に来てるし。

それによく泊まってるし、あいつの部屋と着替えはあった方が何かと便利だがな。


「はぁ、こんなんならあいつの部屋を用意するんじゃなかったな」


まぁ、愚痴ってても仕方ないか、今はとりあえずこの部屋を片付けないとな。

てか、服くらいたたんで欲しい・・・あと、下着くらいは分けるか隠して欲しいものだ。


「あいつの下着は何処に入れてるっけ?」


片付けないといけないが、妖怪だろうが見た目は女だ。

そんなに女の部屋を探るのもあれだし、ここは聞いておいた方が良いか。


「おい、花木、お前は下着とかは普段何処に入れてるんだ?」

「なんでそんな事を聞くの~?」

「お前の部屋を片付けてるからだ、お前に言ってもしなさそうだしな」

「あはは~、そうかもしれないね~」


花木は自分の部屋で下着等を普段何処に置いているかを話してくれた。

それにしてもだ、こいつが自分の部屋のことを把握していることに少し驚いた。

普段は泊まると言っても基本的に自分の部屋には居ないからな。

大体は大広間か客室にいる、流石に御神体が置かれている場所には居ないな。

まぁ、そこは茜がいつも止めてるし、当然かな。


「えっと、確かここだな」


俺は花木の部屋に戻ってあいつが言っていた場所を調べた。

確かにそこにはあいつが言っていた通り下着がある。

・・・そういえばあいつは洗濯とかしてるんだろうか。

そんな考えが出てきて、散らかっている服や下着を軽く見てみた。

畳んでは居ないが、洗濯はしているようだ、汗の跡もないからな。

洗濯が出来るなら畳むのも出来そうだが・・・


「洗濯できるなら自分で片付けろよ・・・」


俺はそんな事を小さく呟いた。


「洗濯は私がしました、でも、流石にたたむ方法は分からなかったから・・・」


偶然通りかかった四季が俺の独り言に返事をした。

そうか、洗濯は四季がやってたのか。


「たたみ方が分からないのか?」

「はい、洗濯とかは土だった間に茜さんがやっているのを見てました」

「なるほどな、土だから洗濯物をたたんでる姿は見えなかったって事か」

「はい、洗濯はギリギリ見えていたんですけどね」

「じゃあ、折角だ、教えてやるよ」

「本当ですか!?」

「あぁ、だから一緒に花木の洗濯物をたたむか」

「はい!」


俺は四季と一緒に洗濯物をたたんだ、最初はたたみ方が分からないと言っていたが

5着目で少しだけ要領を掴んできたようで、6着目はかなり素早くたためる様になった。

流石に呑み込みが早いな、茜は10着くらいは苦戦したってのにな。


「どうですか!?」

「あぁ、上手だ、流石に呑み込みが早いな、洗濯とかを見ただけで覚えるだけはある」

「地面は色んな物を受け入れるのが得意なんですよ」


四季は得意そうな表情を見せた、まぁ、確かにそうかもな、地面は色んな物を受け入れる。

植物も、水も、人間だって受け入れる、流石は母なる大地の妖精だ。


「よし、じゃあ、洗濯物をたたむのは頼んだぞ?」

「はい!」


さてと、洗濯物は四季がやってくれるし、俺は他の奴らの仕事でも見てみるかな。

とりあえず、1番不安な花木の方を見てみるか。


「それは駄目ですよ!」

「え~? そうなの~?」


俺が花木と茜の方に行くと、茜は手に持った箒をブンブンと振り回していた。

花木は箒の扱い方を完全に間違えている、てか、なんで振り回してるんだよ。


「だから、箒は地面に付けて使うのよ、なんで振り回してんの! この馬鹿!」

「こういう棒状の物を持つと、どうしても振り回したくなるんだよね~」


子どもかよ・・・あの暴走兎は・・・まぁ、こっちは睦月と茜に任せるか。

さて、次に不安なのはあの暴走兎の傘下達だな、あいつらは刀子を拘束している部屋を頼んだが・・・


「ちょ! ほ、埃・・・けほけほ」

「あ、すみません」

「ちょっと! それは危ないって!」

「平気だって、少しくらい大雑把にやっても」


1羽は刀子の上の方の棚を掃除して、その埃を刀子にかけて。

1羽は大雑把にやってる仲間を咎め、もう1羽は大雑把に高い棚を掃除している。

あぁ、あのやり方だと間違いなく棚の上の荷物が落ちるな。


「って、ひゃぁ!」

「あぁ!」

「っと」


予想できていたことだし、対処はすんなり出来た。

俺は倒れた1羽を受け止め、上の荷物を押えた、背が高いとこういう時に便利だな。


「あ・・・ありがとうございまひゅ・・・」

「大雑把にすんなよ、怪我するぞ、ま、お前らは怪我してもすぐに治りそうだが、妖怪だし」

「確かにすぐ治りますけど、痛い物は痛いです」

「じゃあ、丁寧にしろ、怪我はしたくないだろ?」

「はい、反省します・・・」


危うく大掃除でけが人が出るところだったな、いや、正確には人じゃなく妖怪だが。

まぁ、それでも怪我は痛いみたいだし、しないに越したことはないかな。


「くぅ・・・私を解放しろ! 私が掃除してやる!」

「まぁ、そうだな、流石に1週間近く拘束してるし、そろそろ良いかな」


俺はとりあえず拘束を解いてやる事にした、まぁ、流石に妖刀の封印はまだ解けないが。


「一応言っておくが逃げようとするなよ?」

「それは約束する、そもそも逃げれるとは思わない」


そうだろうな、ここには神や巫女が居るからな、そもそも本体が封印されてるし。

こいつは四宮神社からそこまで離れることも出来ない、仮に山に逃げられても力が無い状態だと

猛獣に遭遇したら勝ち目は殆ど無いだろうしな。


「じゃ、拘束を解除するぞ」


俺は拘束を解除してやった、これでこいつは四宮神社内を動き回れるだろう。


「よし! じゃあ早速この部屋を掃除するぞ!」

「おー!」


この部屋の掃除を任せていた妖怪兎3羽も一緒に掃除することにしたようだ。

この様子ならこの部屋も問題は無いだろう・・・さて、後は1番不安なサラだな。

あいつにはゴミ集めを頼んだが・・・ちゃんと集めれてるだろうか、流石にゴミぐらいは拾えるだろうが

不安なのは変わりない、まぁ、そもそも仕事をしているとは思わないがな。


「おぉ! 蝶じゃん! 綺麗だ!」


まぁ、予想通りゴミ拾いは出来てないな、てか、なんで神社内部のゴミ拾いを任せたのに

こいつは神社の外で蝶を追っかけてるんだよ・・・まぁ、ある意味ではよかったな。

もしもこいつが神社内部でゴミ集めてたら・・・多分神社内部はぐっちゃぐちゃだろうな。


「圭介様! たたみ終わりました!」

「お、早いな、流石は四季だ」


たたむのをお願いしてあまり経ってないが、もう終わらせたのか。


「じゃあ、今度はサラと協力して神社内部のゴミ拾いをするか」

「はい!」


さて、俺は暴走している兎とそれを止めようと頑張ってる茜と一緒に境内の掃除でもするかな。

今日はかなり忙しくなりそうだ、だが、たまには全員で何かをするのも悪くない。

そして、しばらく時間がかかったが、四宮神社は無事に片付いた。

やっぱり神社は清潔感が大切だよな。

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