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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第3章、四宮神社の日常
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四宮神社の夜明け

文月山から帰ってみれば、四宮神社は荒れ果てている。

神社の境内は落ち葉だらけ、神社の内部は色んなゴミが散らかっていて。

そして、台所には沢山の食器がある、これは酷いと思ってしまった。

何だか俺が初めて1人暮らしを始めた時みたいだ。


「これは・・・もう暗いが掃除するべきだな」

「そ、そうですね、今日は長い夜になりそうです」

「あいつらは私達がいないと掃除も満足に出来ないのね」


そんな小言を言いながら、俺と茜はとりあえず神社の内部の掃除を始めた。

外の落ち葉は昼の方がやりやすいが、内部はすぐにした方が良いからな。

何てったってこの中で寝るわけだし。


「じゃあ、掃除をしましょう」

「あぁ、だが、今は1室だけだ、本番は明日の朝が良い」

「分かりました、では就寝用の部屋を片付けましょう」


俺達は就寝用の部屋を片付ける事にした、実は俺の部屋だけは綺麗だったが

とりあえず、留守番組の寝床は確保してやりたかった。

なんせあいつらは汚れている部屋で寝ているし、流石に不憫かなと思ったからだ。


「じゃあ、始めましょう」

「あぁ、出来るだけ静かにな」

「そうね、あの子達が起きたら騒がしくなりそうだからね」


今、四宮神社にいるのは花木、サラ、四季、刀子、そして、花木の傘下の兎たちだ。

ちゃんとキャンもキキもいる。

こいつらがもし目覚めたら何だか騒がしいことになりそうだし、出来るだけ静かに掃除をする。


「あの、圭介様、このゴミはどうしましょうか」

「あぁ、これは普通に燃えるな」


しかし、この部屋は本当にゴミばかりだ。

何でこんなになるまで片付けなかったんだよと思いながらも掃除を進めていった。


「むにゅぅ・・・圭介ぇ・・・茜ちゃん・・・睦月・・・むにゃぁ・・・」


俺達が掃除をしていると花木が寝言で俺達の名前を呼んだ、どんな夢を見ているんだろうか。

もしかしたら俺達全員で餅でも突いてる夢なのかもな、まぁ、いいや。

あまり大きな音を立てないように、ゆっくりと掃除を進めていくか。

それから少し経ち、簡単にこの部屋を掃除することができた、あいつらは起きてはいない。


「こんな物ですかね?」

「あぁ、そうだな、じゃあ、俺達も寝るか」

「はい」


俺達は俺の部屋で寝る事にした、ここは綺麗だし、部屋もそこそこ大きいからな。

一応この神社の主だし、部屋が大きいのは当然だな。

そして、1日が過ぎ、次の日の朝、俺は久々にこの寝床での朝を迎えることが出来た。

何だかんだで、普段の場所で朝を迎えるのは気分が良いな、遠出した後ではなおのこと思う。

それにしても、茜の奴が俺の腕を掴んで寝ている、やっぱりこの状況では動けそうにない。


「なんで俺の腕を掴んで眠るかねぇ・・・」

「結構簡単な問題でしょ?」


俺より先に起きていた睦月が俺の独り言に返答してきた。


「簡単な問題? 教えてくれよ」

「あなた、やっぱり鈍いわよね、まぁ、良いわ、教えてあげる」


何だか軽く貶された気がするが、まぁ、良いだろう。


「この子はあなたが居なくなるのを怖がってるんじゃないの?」

「何でまた」

「この子の師匠、先代の四宮の巫女はこの子を置いて消えた。

 それがこの子にとってのトラウマなんでしょう、だからあなたが居なくならないように腕を掴んでる

 こんな所なんじゃないの?」


確かにそうかもな、そういえば先代は茜が寝ている間に姿を消したんだっけ?

ふむ、だから俺に居なくなって欲しくないから腕を掴んで眠っているのか・・・

まぁ、ただ単に抱き枕の代わりって可能性もあるがな。


「そうかもな、まぁ、良いさ、とりあえず俺は起きるか、飯を作らないといけないし」


俺は茜を起こさないようにゆっくりと掴まれている腕を動かした。

そして、立ち上がり、台所に行った、ま、料理より前にあの食器を片付けないといけないかな。


「さてと、とりあえず食器を片付けてっと」


俺は料理を出来る空間を空けるために食器を片付けた、やっぱり食器を洗うのはしんどいな。

やっぱり毎日やる方が良いか、面倒だが、そうしないと後でもっと面倒だからな。

まぁ、今は料理を作らないといけないし、少し片付けたら作るかな。


「圭介様・・・おはようございます」

「あ、おはよう」


少ししか経ってないのに茜が目を覚ましてきた、そういえば大体掴まれている状態から離れたら

茜は起きるな、やっぱり俺が動くと反応するのかもしれない、トラウマか・・・可能性が高いかもな。


「あの、私も食器を洗うのを手伝います」

「あぁ、そうか、ありがとうな」


俺は茜と協力して食器を軽く片付けた、そして、料理に取りかかった。

しかし、材料が酷いな、大体団子と餅を作る材料しかない、流石は花木だ。

まぁ、一応団子と餅以外を作れそうな材料もあるし、それで作るかな。

あまり豪勢な物は出来そうにないが、まぁ、餅とかよりはましだろう。


「食器洗い終わりました!」

「おぉ、速いな、慣れてきたって感じか?」

「はい!」


茜も成長したな、これならいつか料理を作れるかもしれないな。

これは将来が楽しみだな。


「何を作っているんですか?」

「あぁ、とりあえずあり合わせで焼き魚と目玉焼きと味噌汁だ、白飯もあるぞ」

「何だかいつも通りですね」

「いつも通りが1番さ、それにあまり材料もないしな」


そして、しばらく経ち、いつも通りの朝食を作り、食卓に並べた。

このあたりもあまり掃除は出来てないが、それは今日やる予定だし、問題ないだろう。

そして、料理を並べると、足音が聞えてきた。


「あ! け、圭介! 茜! 良かったぁ!」

「うわ!」


最初に姿を現したのはサラだった、サラはかなり感激したような表情を見せた。


「ご飯だぁ・・・お団子やお餅以外のご飯だぁ・・・やったぁ!!」


そして、俺達が並べた料理を見て、かなり感激しているようだ。

あぁ、それだけ毎日団子と餅の食生活が嫌だったんだろうな。

まぁ、うん、流石に毎日は飽きるからな、やっぱりたまにが1番だろうな。


「あ・・・圭介さん・・・茜ちゃん・・・ひ、久し振りです・・・」


その後にやってきたのは四季だった、かなりやつれているな。

それに、俺達の顔を見て少し泣き出した、そんなにキツかったのかよ・・・


「ワン!」

「あはは・・・キャン、久し振りだね!」


今度はキャンとキキか、2匹とも元気そうだな、それはサラと四季以上にな・・・


「キュゥン」

「久し振りだな」

「ふわぁ・・・あ、あぁ! 久し振りだね~」


次に間抜け面の花木が姿を現した、しかし、元気そうだな、サラと四季はあんなにやつれてたのにな。

はは・・・まぁ、こいつにとって毎日団子と餅は苦行ではなかったんだろうな。


「久し振りです」


最後に花木の傘下の兎たちか、こいつらも花木と大差ない表情だった。

ふむ、やっぱりこの兎共はこの食生活に一切の不満はなかったんだな、流石は妖怪兎。


「さて、まぁ、皆集まったな、じゃあ、先に食っててくれ、俺は刀子に食わせてくるから」

「分かったよ~」


皆が食事を取っている間に、俺は刀子を拘束している場所に行った。


「おい、起きてるか? 飯だぞ?」

「そ・・・その声は・・・圭介・・・あぁ、良かった、帰ってきたのか・・・」


刀子もサラ達と同じ様にやつれていた、うん、まぁ、そうだよな。


「大変だったろうな、ほら、飯だ」

「あ、ありがとう・・・ありがとう・・・」


刀子は少し泣きながら俺の飯を食べた、どれだけキツかったんだよ・・・

まぁ、そうだな、あいつのことだ、多分無理矢理食わせてたんだろう・・・はは。

そして、刀子に飯を食わせ、俺も飯を食った、じゃ、本番を始めようか。

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