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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、山の妖怪達編、第4章、山の動物妖怪
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化け犬の里へ

蛙の里を出て、今度の目的地は犬の里か、多分化け犬でもいるんだろうが、化け犬って聞かないよな。

犬神というのは聞いたことはあるが、もしかして犬の里ってのは犬神の里なんだろうか。


「なぁ、犬の里ってのは犬神の里なのか?」

「いいえ、化け犬です、犬神のように誰かに憑いたりはしませんよ」


やっぱり化け犬の方か、聞いたことのない妖怪だがどんな感じなんだろうか。


「ケロケロ、化け犬かぁ、聞いたことしかないや」

「そういえば、こいつは何なんだ? 化け蛙?」

「はい、そうなりますね」

「ケロ? 化け蛙って何?」

「お前の種族だ」


どうやら賢子は自分が化け蛙だという事を知らなかったようだな。

普通は知ってそうだけどな、それともあまり浸透してないとか?

まぁ、それは良いか、とりあえず今は化け犬の里を目指すかな。


「まぁ、賢子がどうのはもう良い、で、化け犬の里はまだか?」

「あと少しです、そこに化け犬の里が」


楓がそう言うと、近くの草むらから音が聞えた。

動物だろうか、それとも妖怪だろうか、どっちにせよ警戒はしておくか。


「ひゃっほーー!!」

「うお!」


草むらから何かが大声を上げて飛び上がってきた。

その出てきた奴はいきなり俺の方に飛びついてきやがった。


「おぉ! 人間! いや、匂いからして神様だね! いやぁ! すごいよ!」

「な、何だよ」

「化け犬の女の子ですね、人懐っこいでしょ?」


その化け犬の女の子は頬を擦ってきた。

何だか妙にテンションが高くて、本当に犬みたいな感じだ。


「いやぁ! すごいよ!」

「うわぁ! 今度は私ですか!?」


今度は俺から離れた茜の方に近寄っていった、少し匂いを嗅ぎ、そして抱きついた。

と言うか、距離が出来て分かったが、この子の容姿は白い耳、白い尻尾、髪の毛も白で、短い。

そして、服は白くふわふわでズボンは短く、これもふわふわしていた、靴は履いていない。

その足はかなりボロボロで、まさに野生児って感じの女の子だ、流石は化け犬だな。


「おぉ! 蛙の匂いがするよ!」

「ケロ! 今度はケロ!?」

「これまた、個性的なのが来たな」

「君も妖怪だね!」

「うわぁ! 止せ! じゃれつくな!」


さっきからイーリアは色んな所に行っては遊ばれてるよな。

河童には大量の胡瓜を食べさせられて、化け犬には思いっきりじゃれつかれて。

それにしても、いやがってる割には楽しそうにしてるな。


「こっちにも人間が!」

「やっほ! あたいは水希だよ!」

「じゃあ、ウチも! ウチはくるみ! よろしく!」

「よろしく!」


水希とくるみは何だか似たもの同士の様で、速攻で打ち解けた。

やっぱり似たもの同士ってのは仲良くなりやすいんだな。


「かなり騒がしそうな子よね」

「そうだね・・・あはは」

「おぉ! 幽霊までいるんだ! 初めて見たよ幽霊!」


くるみは睦月に気が付いたようで、睦月に向かってダイブした。


「ちょぉ!」

「ありゃ」


しかし、幽霊の睦月に触ることは出来ずに、後ろの方にすり抜けた。

幽霊って妖怪でも触れない場合があるんだな、よく分からないな。


「ふぅ、ビックリしたわ」

「むぅ、でも、諦めないよ!」


そう言うと、くるみは何度も何度も睦月に向かってダイブをした、しかし全部すり抜ける。

その度に地面に転けては怪我をして、でももう一回を繰り返していった。


「てい!」

「危ないから止めろって」

「おぉ、神様ありがとう、でもウチは諦めないよ! てい!」

「諦めなさいよ・・・」


それ以降、何度か受け止めて、でも諦めないでダイブそれを繰り返した。

やっぱり化け犬ってだけあって珍しい物には興味津々なんだな。

まぁ、流石に体力の限界が来たようで。


「はぁ、はぁ、も、もう無理、しんどい」

「そりゃあ、あれだけピョンピョン跳ねてたらね」

「兎の花木さんでもそんなに跳ねませんよ・・・」

「ケロでもあんなに跳ねないなぁ」

「あはは、面白い子だね!」


とりあえず、俺は動けないと言っているくるみを抱いて、里を探すことにした。


「で、何処なんだ?」

「うぅ・・・私には抱きついてきませんでした、何だかショック」

「じゃあ、お前が抱いてやれよ」

「分かりました!」


俺はくるみを楓に渡した、そして、里を探を再び探し始めた。

と言っても、ほんの少し前に言ったら森が開けて、小さな里がある場所まで行けた。

ここが化け犬の里か、かなり小さく、発展も殆どしていないが、四宮神社の下の村とほぼ同じ感じだ。

違うのは大きさ位かな。


「ここが化け犬の里です、常に人間と共に生きた飼い犬たちの死後の里です」

「どういうことだ?」

「話では化け犬は飼い犬を失った人間の嘆きの念から産まれた妖怪らしいです」


嘆きの念か、一応それも人間の負の感情の1つなんだろうな。

でも、それで納得は出来た、なんでくるみが妙に人懐っこかったのかがな。

元飼い犬だからか、じゃあ、そこまで人間にとっては脅威じゃないかもしれないな。

だが、一応話は付けておいた方が良いかもな。

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