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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、山の妖怪達編、第4章、山の動物妖怪
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蛙の里の里長

賢子に言われ、蛙の里で1番大きな建物の中で待機していた。

その場所は窓が多く、外がよく見える建物だ、景色はよくかなり綺麗だな。

それにしてもだ、建物は植物で出来ているんだな、内側を見て気が付いた。

外側だけなら木材のようだが、内側から見るとしっかりと葉脈があった。


「ほへぇ、すごいですね、葉っぱの中みたいですよ」

「実際そうですよ、蛙の里の建物は皆葉っぱなんですよ」

「どんな葉っぱだよ、初めて見たぜ」

「確か、ハウスリーフって言う植物です、これも蛙達が新しく作った植物らしいですよ」


やっぱ、蛙だと思って侮っていたが、本当に植物に関してはすごいんだな。

もしかしたらもっと発展する可能性が・・・蛙、恐るべしだな。


「じゃあ、この窓もか?」

「確か、ハウスリーフが作る膜のような物だと聞きました」

「ほー、膜か、じゃあ、もし壊れても直るのか?」

「それは聞いてませんね、どうなんでしょう」

「ほっほっほ、すぐに直りますよ」


後ろの方から初めて聞く声が聞え、振り返ってみると、そこには白い髭を生やした老人がいた。


「もしかして、あなたが?」

「はい、ワシがこの蛙の里の里長をしております、上松かみまつと言います

 皆からは松さんと言われてますじゃ」


このおじいさんがこの蛙の里の里長か、見た感じかなり優しそうなおじいさんだな。

服装は薄い緑色の古い和服のような服だ、髪は真っ白、髭も真っ白だ。


「あなた方が賢子が言っていたお客さんですか」

「はい」


俺達は自己紹介をした。


「ほぉ、神様ですか、本物を拝めるとは、長生きはする物ですねぇ、ありがたやぁ」


上松さんは、俺に向かってしばらくの間手を合わせ、拝んでいた。

何だかこんな風に拝まれるのって初めてな気がするな。

悪くはないが、何だかこう、拝まれるのって違和感があるな。


「まぁ、拝むのはその辺にしてくれ」

「左様ですか、お優しい神様ですねぇ」


お優しい? 神様って人間とか妖怪に対して拝めって強要するのか?

ま、まぁ、そんな事は無いだろう。


「俺達がここに来た理由を話すが、良いか?」

「えぇ、構いませんよぉ、それで、お話とは何でございましょうか?」


俺は上松さんに俺達がこの里に来た理由を軽く話した。

心配は要らないだろうが、話は通しておくのが礼儀みたいな物だし。


「ほぉ、人間の里ですかぁ、安心してくだされ、人間を襲ったりは致しません」

「あぁ、そうか、だったら良いんだ、ありがとうな、来てくれて」

「いえいえ、気になさらんでくだされ、ワシも神様を拝めて満足しております」


そう言うと、上松さんは再び俺に向かって手を合わせた。

神様ってのは普通はこんな風に手を合わされるのが当然なんだろうが、何だかなぁ。

まぁ、良いか、蛙の里はこの辺にして、次に向かうか。


「それじゃあ、俺達は次の場所へ」

「お忙しいのですね、それでは、また来てくだされ」

「あぁ、分かった」

「それでは、また来ます」


俺達が蛙の里から出ようとすると、入り口に賢子が居た。

賢子を見て思い出したが、上松さんはケロケロ言わなかったな。


「ケロケロ、もう帰るの?」

「あぁ、他も回らないと行けないし」

「他? まだあるんだね」

「あぁ」

「じゃあ、ケロも連れてってよ」

「急な申し出だな、何でだ?」

「それはね、ケロもちょっとだけ里の外を見てみたいからなんだよ」


里の外か、だったらこいつは今までこの里から出たことが無いって事だな。

まぁ、確かに野良妖怪とかいるし、あまりで歩ける場所じゃないかもしれないが。


「別に俺達としては問題は無いが、良いのか? 親とかに話さなくて」

「ケロ、そうだね、お父さんとお母さんに話してこないと行けないね、うん、待ってて!」


そう言うと、賢子は走り出し、また里の方に進んでいった。


「待つんですか?」

「まぁ、あんなこと言っちまったし、待つか」

「まぁ、そうだな、急いでないし」

「それに、あんな面白い子が入ったら楽しいって! 絶対あたいはそう思う!」

「私は圭介様に従いますよ」


意見が一致したな、実際俺は多少焦ってはいるが、許可が下りて戻ってきたら居なかったじゃ

何かすごく可愛そうだし、ここは待っておくかな。

そして、少し経過して、賢子が戻ってきた、大量の荷物を持って。


「ケロケロ、許可が下りたよ」

「それはよかったが、その背中の荷物は?」

「お父さんとお母さんが持ってけって泣きながら渡してきたんだケロ」


泣きながらって、そんなんなら行かせるなよと思うがきっとこれは可愛い子には旅をさせろって言う

精神でやったんだろう・・・それにしても、賢子の後ろに明らかに目立つ2人が居るな。

あれが両親か、そんなに心配なのか・・・ふむ、親心って奴だな、分かる気はする。


「じゃあ、行くか、しっかり付いて来いよ」

「ケロケロ、楽しみだケロ」


しかし、本当に賢子はよくケロケロ言うな、上松さんと会話したせいかより一層そう感じる。

まぁ、良いか、さて、賢子の両親のためにもこいつもしっかりと守っていかないとな。


「賢子、頑張るのよ」

「じゃあ、俺達は戻ろう母さん、賢子が帰って来たときに美味しい物を作ってあげるために」

「ケロ、分かりました」


・・・さて、頑張るか、あまりあの両親を待たせるわけにはいかないしな。

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