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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
幼少期、第1章、妖怪兎の災難
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何でも無い、いつもの朝

妖怪兎を捕獲し、解放して1週間ほど経った、茜は相変わらず修行が下手で、瞑想も連続で

15分しか出来ていない、はぁ、時間が掛かりそうだ、まぁ、のんびり気長に付き合うか。


「圭介様、出来ましたよ!」

「は?何が?」

「ご飯です!今日は初めて作りました!」


茜は先代の巫女が居る間は先代に作ってもらっていたが、居なくなってからは出来た物を

食べていた。しかし、俺が来てからは俺が料理をしていた、神様なのにと言う突っ込みは無しだ。

これでも長いこと1人暮らしをしていたから自炊は出来るんだ。


「お前の料理って・・・大丈夫なのか?」

「大丈夫です!さぁ!来てください!」


俺は言われたとおりに付いていった、そして、料理を見たとき愕然とした。

ご飯はべちゃべちゃで魚は真っ黒、味噌汁はなんか変な色だし、具材も大きい。


「こ・・・これは?」

「どうです?自信作です!」

「茜、お前、味見した?」

「してません!」

「だろうな」


普通は味見をするもんだ、作っている最中に味見さえしていればいくらでも修正が出来る。

しかし、味見をしないで暴走したら、大体変な味になる、俺が1人暮らしをし始めて

しばらくの間も同じ失敗を繰り返している、今では良い思い出だが。


「じゃあさ、一口食べてみろ」

「え?圭介様は食べないんですか?」

「ほら、自分の料理だろ?最初は自分が食べてみろ」

「はぁ、分かりました」はむ

「!!!!むぐーー!!!」


茜は今にも戻しそうになったが必死にこらえ、呑み込んだ、たいした根性だ。


「・・・ま、不味いです・・・」

「良く呑み込んだな」

「お、お姉様が食べ物を粗末にしたら駄目って言ってましたし」

「そういう所はまともなんだな」

「で、でも、どうしましょう、食べれそうにないんですけど・・・」

「・・・し、仕方ない、食うか・・・」


俺と茜は何度もはきそうになりながらこの料理を完食した、よく食べられたなと思う。


「や・・・たぁ」バタ

「まさか食い物を食うのがこんなに辛いとはな」

「す、すみません・・・」

「料理も修業しないとな」

「はい」


俺達が食事を取ったとき、1人のお客さんがやってきた。そのお客さんは帽子を被り

横から兎の耳の様な物が垂れている、コスプレだろうけどな。

そして、赤い瞳で黒髪に少し白っぽい髪の毛をしている、服装は白いリボンの付いた服に

兎の模様が可愛らしいミニスカートをしている、この世界では珍しく洋風って感じだ。


「どうも、久し振り!」

「え?どちら様ですか?」

「私だよ~!あれ?覚えてない?」

「さっぱり覚えてません」

「えぇ~酷くない?あ、あなたは覚えてる?」

「俺か?」


どうやらこいつは俺の事が見えるみたいだ、と言うことは特別な力を持った人か、

あるいは妖怪だろう。


「圭介様が見えるんですか!?」

「当たり前じゃん」

「しかし、本当に誰だ?」

「酷い!私を食べようとしたくせに!」

「食べようと・・・まさか!?あの時の妖怪兎か!?」

「正解!いやぁ、覚えていてくれて良かったよ!」


まさか人型になるとはな。妖怪ってのはすごい速さで成長するもんだな。


「あの子がこんな大きくなるんだ、すごいなぁ」

「ふっふっふ、驚くのはまだ遅いよ、なんたって私は兎の状態に戻ることが出来る!」


妖怪兎が高く跳び上がると煙が出て、先週の妖怪兎に変化した。


「すごいだろ!」

「確かにすごい!」

「ふっふ、てりゃ!」


再び高く飛び上がるとまた煙が現れ、人型に変化した。しかし、変化と同時に

天井に思いっきり頭をぶつけた。


「うぅ・・・い、痛い・・・」

「人間に変化できるようになっても中身は動物だな」


そして、この妖怪兎の帽子が脱げると、そこには兎の耳が生えていた。

色は真っ白だ、よく見ると尻尾もちょっとだけ出ている。人間化してもそう言う所は変化しないのか。


「耳も残ってるんだ」

「と、当然でしょ?耳は兎の命だよ?耳がなくなると言うことは死を意味するんだ!」

「そういえば耳が長いのは遠くの音をハッキリ聞いて、餌や外敵を見つけるためだったな」

「それだけじゃないよ!耳が長いお陰で私達は体温調整をして汗を出さないようにしてるんだよ

自然の中で水は重要!それに汗で位置がバレるのも防げるしね」

「でも、長いせいで逆に目立ってる気がするんだけど?」

「大丈夫!あまり出さないから!」


しかし、こいつは兎の状態も人間の状態も殆ど知能は同じなんだな。

体の構成上人間状態の方が脳が大きいから頭が良くなるような気がするが・・・まぁ、妖怪だし

人間の常識で考えるのは変か。あぁ、そういえば今、俺は人間じゃなくて神様だったな。


「よし、挨拶も終わったし、私は帰るね」

「うん!気を付けてね!」

「人間に危害を加えるなよ?」

「分かってるって、兎鍋にはなりたくないからね」


兎鍋って、人間状態のあいつを鍋に出来るわけないだろうに・・・ま、良いか。


「いやぁ、妖怪さんって面白いですね」

「全部の妖怪がそうだって訳じゃないだろう、中には危険なのも居るだろうしな」

「確かにそうですね」


ま、そこまで危険な妖怪なんて居ないだろうがな。もし居たら依頼が来ているはずだしな。

そんな事を思っているとまた新しい参拝客が現れた。


「・・・・・」

「随分熱心にお祈りしてますね」

「それだけ重要なお願いなんだろう」

「お願いします!彼氏が欲しいです!」


お祈りをしていた女の人は願いが爆発したのか大声で叫んだ。

女の人は黒髪でポニーテールで和服、結構綺麗な人だった。


「・・・うん、切実な願いだな」

「彼氏ってなんですか?」

「うーん、まぁ、自分の事を好いてくれている男の人かな」

「そうなんですか」


しかし、まぁ、この願いは聞けそうにないかな、だって俺は縁結びとか出来ないし。

そして、参拝客の女の人は帰っていった。

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