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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、山の妖怪達編、第3章、童達の悲しみ
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山明神社、4日目

イーリアは胡瓜に囲まれて、茜と水希はキノコについて語り合って。

そんな状況を見て、さっきここの河童に自分たちが産まれてきた理由なんてのを聞かれたとは思えない

まぁ、それはそれで良いだろう、楽しそうだし、それ以上は望まないでおこう。

まぁ、イーリアは少しかわいそうだけどな。


「むぐぅ! むぐぅ!」

「美味しい? 美味しいよね? 美味しいでしょ?」

「むぐ、むぐぐぅ!」


これはもう拷問だよな、しかし、その気になれば払いのけれるのに、なんでされるがままなんだか。

まぁ、小さい子を殴ったりは出来ないとか、そういう感じのことなんだろうが。


「イーリア、大変そうですね」

「そう思うなら助けてやれば?」

「それは、無理です、暴走したらあの子達は止まりませんし」


まぁ、それは何となく分かるな、なんせ目が本気だからな、これは下手に止めに入ると

こっちまで被害を被る可能性がある、すまないな、河童達が落ち着くまで頑張ってくれ。


「む、ぐぅ!」


それから30分程経過した、それ位経過し、ようやく河童達は落ち着き始めた。


「む、むぐぅ・・・」

「これでまた胡瓜のおいしさが分かった人が増えたね」

「うん、美味しすぎて気を失ってるし」


美味しすぎてじゃなくて、食い過ぎてだと思うが、言わないでおくか。


「えっと、イーリア、どうだった? 美味かったか?」

「美味いわけ! むぐ!」


イーリアがヤバいことを言おうとしたから、とりあえず口をふさいだ。


「イーリア、ここは嘘でも良いから美味いと言え」


俺は小さな声でイーリアにそう告げた、そして、イーリアはうなずいた。


「で、どうだ? 美味かったか?」

「う、美味かった、もう最高だ・・・はは」

「よかった!」


これでイーリアが解放されたか。


「それじゃ、そろそろ帰るか」

「あ、あぁ、帰ろう」

「もう帰るんだ・・・」


河童達は何だか暗い表情を見せた、あれだけ元気だったのにな。


「大丈夫だよ、また来るから」

「本当!?」

「あぁ、本当だよ」

「分かった! じゃあ皆がまた来るのを待ってるね!」


そして、河童達は皆明るい表情を見せ、手を振ってくれた。

俺達も手を振り、この場を後にした、何だか騒がしかったが楽しい場所だな。


「うん、楽しかったですね!」

「そうだな、まぁ、1人はあまり楽しくなかったみたいだが」


イーリアはかなりゲッソリしている、あんなにもみくちゃにされて胡瓜を食わされたんだ

無理も無いだろう、だが、その疲れをあの場所で見せてなかったのは流石だな。


「はぁ、もうしばらくは胡瓜なんて見たくないな・・・」

「えへへ、お土産に胡瓜もらっちゃった、これが晩ご飯かな」


水希がいつの間にか胡瓜を数本持っていた、お土産らしいがいつの間に・・・

まぁ、良いか、ならこれを使って晩飯でも作るかな。


「マジかよ・・・もう胡瓜は嫌なんだけど・・・」

「まぁ、大丈夫だ、調理して出すし」

「ぐぅ・・・」


今回も楓、イーリアは山明神社に泊まるそうだ、まぁ、水希に言われたからだけど。


「さて、山明神社に着いたか、じゃあ、料理してくるかな」

「じゃあ、茜はお風呂でも沸かしてきたら?」

「あぁ、それは俺がやる」

「大丈夫です、私も出来ますから」

「お前はまだ子どもだろ? 大人しくしてろ」

「はい、分かりました」


やっぱりイーリアは子どもには優しいみたいだな、あんな口調の癖してよ。

ま、良いか、さて、胡瓜を美味くして、イーリアのトラウマを排除してみるか。


「圭介さん、私も手伝います」

「楓か、お前は料理できるのか?」

「大丈夫ですよ、これでも料理は毎日していますから」

「そういえばそんな事を言ってた様な、まぁ、良いか、じゃあ手伝ってくれ」

「はい」


俺は楓と協力して今日の晩ご飯を作った、やっぱり1人の時よりも2人の方が楽だな。

・・・そういえば、花木はどうしてるかな、ふむ、飯を食ったら確認してみるか。


「はい、出来ました!」

「今日の晩飯か・・・ん? この薄いのは何だ?」

「胡瓜だ、まぁ、食って見ろよ」

「胡瓜か・・・分かった、食ってみるか」


そう言うと、イーリアは恐る恐るその胡瓜を口に運んだ。


「ん!? 美味いな! これが胡瓜か! はぁ、河童に食わされたときは味しなかったのによ!」

「味がしないって、どうなってんだよ」

「いやぁ、後半から味が全くしなくなっちまってな、あはは」


どんだけだよ、まぁ、もう良いだろう、イーリアも胡瓜を普通に食ってくれてるし。

やっぱり味付けって大事だよな。

そして、食事は終わり、皆は風呂に入り始めた、因みに俺は最後だ。

それに今日はちょっと知りたいこともあるしな。


「さて、あいつらはどうしてるかなっと」


俺は意識を集中させ、四宮神社を見てみた、そして、目に入ったのは

大量の団子を皆が真っ青な顔をして食べてる様子だった・・・

これは、もしかして花木の料理は毎日団子だったって可能性も・・・

そうだ、接近してみたら会話が聞えたりするかもな、近寄ってみるか。


「うぅ・・・今日もお団子かぁ・・・」

「わがまま言わないでさぁ~、今日はちょっと変わったお団子なんだよ~」

「あ、本当だ、中に抹茶が入ってる」

「いつも醤油じゃ飽きるからね~、今日はちょっとだけ手間をかけたんだよね~」

「うぅ・・・何だかキャンとキキの食べ物がすごく美味しそうに見えるよ」

「犬や狐にお団子は危ないからね~」


あぁ、やっぱり毎日団子ばかりだったのか、だからあいつらの顔色も悪いのな、納得した。


「うぅ・・・早く帰ってこないかな・・・」

「が、我慢だよ、圭介さん達も頑張ってるんだし」

「はぁ、いつになったら自由になれるんだよ・・・」


何だか向こうは向こうで大変そうだな、人選ミスったとしか言えないか。

久里に頼んでた方がよかったかもしれない。

ま、ちゃっちゃとやること終わらせてさっさと帰るかな。

そうしないとサラ達が大変なことになりそうだし。

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