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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、山の妖怪達編、第2章、山の妖怪のルーツ
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山明神社、3日目

日も落ちてきて、暗くなった、そして、俺達は山明神社に一旦戻ることにした。

イーリア、楓の2人も増え、今日は飯を多めに作らないと駄目だな。

そもそも、材料足りるか? 不安はあるが、まぁ、大丈夫だろう。


「さて、とりあえず飯でも作るかな」


材料を保管しているところを開けてみると、そこにはネズミが何匹も居やがった。


「こら! 何でこんな所に!」


何とかネズミは追い払えたが、使えそうな材料はほんの少ししか無い。

米は結構無事だったが、それ以外は被害がデカいし。


「・・・困ったな、これじゃあ、飯をあまり作れないな・・・」

「何かあったんですか?」


俺の叫び声が聞えたのか、茜が台所までやってきた。

隠しても仕方ないし、俺は茜に全部話した。


「食材が・・・そんな、じゃあ、今日のご飯は無しなんですか?」

「いや、それは大丈夫だ、何とか残ったもんでやるから」

「そうですか、安心しました」


と言っても、問題は明日なんだよな、こんな惨状だと明日は作れないし、困ったもんだ。

まぁ、明日は食材探しでもするか、とりあえず、今は晩飯を作らないと。

俺はあり合わせで何とか今日の晩飯を作ることが出来た。


「じゃあ、いただきます!」

「いただきます!」


食材が少なかったが、少しは豪華にしたつもりだ。


「ふーん、これが料理ね、俺は作らないからな」

「じゃあ、飯はどうやって食ってんだ?」

「生だな、そこら辺の動物を捕まえて生でいってる」

「イーリア料理苦手だからね、私が教えても黒い物体しか出来ないのよね」


こいつも茜と同じで料理が出来ないタイプか。


「料理って難しいですしね」

「そうね・・・じゃあ、あなた達、明日にでも圭介に料理を教えてもらえば良いんじゃないの?」

「お、良いかもな、俺も少しは料理したいしな」

「あ、私もお願いします」

「じゃあ、あたいも!」


何だ、明日の予定はお料理教室かよ、まぁ、朝に軽く教えて、それから話を通しにいけば良いか。

楓も今日は泊まるみたいだし、すぐに回れるからな。


「じゃあ、明日な、軽く説明して、ちゃっちゃと話を通しにいくぞ」

「はい!」

「おー!」


そして、次の問題だが、布団だな、1つしか無いし。


「あぁ、布団はそれしか無いのか、じゃあ、俺はそこら辺で寝るさ」

「では、私もそうしましょう」

「じゃあ、俺もだ、水希と茜は一緒に寝ろ」

「え、でも、それだと皆さんが寒いんじゃ?」

「神に妖怪だ、そう簡単にへばるかっての」

「それに、俺は毎日外で寝てるからな、室内で寝れるし問題は無いさ」


俺達は何とか茜を説得し、布団で眠ることを了承させた。

全くよ、自分よりも強い奴らを心配してどうすんだよ、まぁ、そこが茜の良いところだろうが。

そして、次の日の朝、俺達はかなりの早起きだった。


「こんな早くに何するんだよ・・・」

「食料集めだ、持ち込んでた食料をネズミに食われちまったし、調達しないとな」

「それもそうだな、じゃあ、ちゃっちゃと集めるか」


そう言うと、イーリアは素早く色んな場所を探した、流石は野生児、慣れてるな。

じゃあ、ちゃっちゃと俺も探すか。

そして、少しの時間が経ち、神社に集まった。


「こんなもんだな、今日は少し多めだぜ」


まずはイーリアだが、かなり大量の食料を集めていた。

俺とほぼ同じくらい集めるとは、流石だな。


「今日は集まらなかったな」


そういう水希だが、十分すぎるほどの食料を集めている、これも経験という奴か。


「うーん、あまり集まりませんでした」


茜も結構頑張ったみたいだが、そこまで多くは無かった。

まぁ、茜はそんな長いこと自給自足で生きてたわけじゃ無いし、当然か。


「・・・・・・あれ? 私って要らない子?」


楓は殆ど集まっていなかった、ごく少量だ、もしこれだけを調理しろと言われても無理だな。

やっぱり楓は自給自足なんてした事が無いんだろう。


「まぁ、これだけあれば問題は無いな、じゃあ、ちゃっちゃと料理を教えるぞ」


俺はとりあえず基本中の基本、焼くという行為を3人に教えた。


「出来た!」


皆の調理結果を見てみると、水希は美味そうに焼き上がり、イーリアと茜は黒い物体になっていた。

完全に炭だな、一体どうやったらこんな風になるんだよ。


「水希はかなり上手いな」

「おぉ、流石あたい」

「2人は、その、わざとか?」

「違う!」「違います!」


何だろう、この2人に料理は出来ないのかもしれない。

まぁ、根気よく教えるしかないかな。


「じゃあ、今度は切る作業だ」

「はい!」


少し不安はあるが、食べ物を粗末には出来ないしな、まぁ、切る作業なら問題は無いだろう。

しかし、その考えは甘かったと実感した、まず水希はこれも完璧にこなした。

茜は苦戦していたが、何とか形にはなっている、問題はイーリアだ。


「おら!」


かけ声と共に振り下ろされた包丁は野菜を切り、それと同時にまな板も一緒に切った。

さらには包丁が折れ、イーリア自身の方に飛んだ。


「おわ!」


イーリアはその飛んできた刃を素手で思いっきり掴み、まさかの粉砕だ。


「ふぅ、危ない危ない、手が切れるところだったよ」


うん、普通なら切れる、つか、包丁の刃を手で粉砕とかどうなってんだよ。


「刃物って案外もろいね、まさかこんなに簡単に折れるとは」

「お前が異常なんだよ・・・色々とな」


もう、突っ込む気力も起きないくらいにダメダメだな。


「すごいですね、刃を手で握って砕くなんて、それに傷も無いし」

「俺は妖怪だぞ? たかが刃物で傷が付く訳がない」

「イーリア、それは違うよ、それはイーリアとか力の強い妖怪だけ、弱い妖怪だったら普通に切れる」

「そうなのか? 妖怪のくせに柔だな」


お前が異常なだけだ! と突っ込みたくなったが、意味が無さそうだし止めた。

そして、その後色々と料理の仕方を教えたが、それをこなしてくれたのは水希だけだった。

茜は半々位で、イーリアは全部駄目だった。

もう、イーリアに料理を教えるのは諦めよう。

にしても、水希の奴、意外と女子力高いな、性格さえ直せば完璧だな。

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