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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、山の妖怪達編、第2章、山の妖怪のルーツ
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悟り妖怪のルーツ

悟り妖怪の里に着き、俺達の用件は、全て心を読まれ、把握された。

その結果、悟り妖怪の長、心桜は襲わないという事を約束してくれた。

そして、彼女は俺達の心を読み、俺達が悟り妖怪のルーツを話してくれた。


「我々悟り妖怪は疑心暗鬼の具現化だ、最大まで増幅した疑心暗鬼のな」

「なんで、疑心暗鬼が最大まで増幅したら心が読める様になるんだ?」

「簡単な事だ、最大まで増幅した疑心暗鬼は、相手の心を読みたい、そういう欲望になった。

 その欲望が全ての人間にあったのだ、それと同時に、その欲望は心を読まれたくない。

 そんな恐怖にも変換した、その結果が我々悟り妖怪だ」


欲望が恐怖に変わったのか、ふむ、人間ってのは何だかよく分からないな。

まぁ、確かに心を読まれるって言うのは恐怖がある、自分の全てを見透かされるわけだからな。

本当の自分、仮面の下に隠れている、自分の素顔がバレる、それは怖い物だろう。

これでも社会に生きてたことがある俺もそれはよく分かる。


「人間は他人の心の底を恐れた、それと同時に自分の心の底を見透かされるのを恐れた。

 我々はその2つの恐怖を同時に具現化した妖怪だ、だから、我々が恐れず、好む者は

 心を読めない相手、そして、心に一切の負の部分が無い者だけだ」


心を読めない相手か、なるほど、だからここにはテレビだとかラジオのような

相手に会わないですむ物が沢山置いてあるのか。


「じゃあ、あたい達はどうなの? 好む者なの?」

「あぁ、そこの神は読めない、お前は殆ど何も考えていない、そこの巫女は誰かを褒めてばかり

 その後ろに憑いている幽霊はその巫女の心配ばかり、後ろの妖怪は戦いのことばかりだ

 ただ、天狗は大天狗様に気に入られるには? とか、自分の事ばかりだな」

「うぐ・・・た、確かにそうですけど・・・天狗社会って大変なんですよ?」

「あぁ、無能な上司に困っているな、だが、その更に上は尊敬しているのか」


流石は悟り妖怪、楓を見透かしているな。


「だが、それでもお前の心は綺麗な方だ」

「そうなんですか?」

「あぁ、醜い者は自らを変えようとせず、ただ、自分より上の者を嫉妬し、それを蹴落とす方法しか

 考えていないからな、ずっと昔の人間にそんな心も持ち主が居た、結構な数だったな」


ずっと昔か、一体どれだけ昔の事なのか。

それにしても、昔からそんな感情を持った人間は居たのか、やっぱり人間は変わらないな。


「そうだな、我々が人間を嫌っていた理由はそれだ」

「あ、わ、私の心を・・・」

「昔から人間は争いばかり、その心を読んだら、殺戮を楽しんでいる兵士もいたさ。

 そいつらを指揮している将の心を読めば、自らの兵をただの道具のように見ていたりな。

 当然、中には相手を殺すことを恐れていた人間も居た、だが、そういう人間は大体死んでいたさ。

 兵をちゃんと人間として見ていた将は、兵のために殺された」


そんな事が・・・何だか、昔聞いた言葉を思い出した、良い奴ほど早く死ぬ。

この話を聞いて、この言葉が本当のことなんだろうと思った。


「なんで・・・そんな人ばかり・・・」

「躊躇いがあるか躊躇いが無いか、それだけで大きな差があるからだろうな。

 躊躇いが無い人間は大部分がクズだ、一部には家族の為に絶対に生きる、と言う覚悟で殺していた」

「・・・やはり、そういう過去を見てきたから・・・あなた達は」

「我々はお互いの心が読める、悟り妖怪同士でも心は読めるからな、だからだ」


なるほどな、そんな心を読んだ仲間の心を更に読む、だからこういう人間に対する不信感が

ドンドン膨れあがっていくか、やはり、心を読めるというのも不便だな。


「だから、人間が好きにはならないのだ、ただ、心に闇が無い人間は好きなんだ

 そんな人間の心を読んでいると、まだ、人間に希望がもてるからな」

「でも、心を読むのが嫌なら、読まなかったら良いんじゃないの?」

「さっきも言ったが、我々は疑心暗鬼の具現化だ、相手の心を読まなければ不安なんだ」

「じゃあ、心を読めない俺は怖いんじゃ無いか?」


俺がそう問いかけると、心桜は目を瞑り、少しだけ笑った。


「心に闇の無い人間や妖怪に囲まれている神を疑う物か、お前に闇の部分があったら

 そこの巫女はここまで純粋には成長していないだろ、3年間も居たんだからな」


あぁ、茜の心から俺が3年前にここに来たと言うことを読み取ったか。

しかし・・・そうか、茜は純粋なのか、ふ、娘の様に育てた立場からすると、嬉しいもんだな。


「そこの巫女には一切負の感情は無い、お前を尊敬し、周囲の妖怪を受け入れ

 さらには我々悟り妖怪の様な負の存在とも仲良くなれると本気で思っている」

「そうなのか?」

「はい、妖怪と人間は仲良くなれると思ってますし」

「だが、1つ言わせてくれ」

「何ですか?」

「お前は、甘すぎる、このままだと殺されるかもしれない、それは今まで色んな人間の心を読んだ

 私から見た、予言のような物、いくら神の加護があるからと言ってもな」


その言葉には、確かな説得力があった、それはさっきの話を聞いたからもあるが

それ以上に、俺がその加護を与えている神だからこそだ、確かに全てに対処できるわけじゃ無い

俺が茜に手を貸せるのは、近くに居るときと、こいつが念じたときだけだからな。


「・・・わ、分かりました、心桜さんの助言、しっかりと覚えておきます」

「それが良い」


そして、俺達は悟り妖怪の里を出た、洞窟を抜けると、少しだけ暗くなってきていた。


「じゃあ、今日は一旦神社に帰るか」

「そうですね、暗いですし」

「では、山明神社に案内しますね」


俺達は山明神社に戻った、そして、水希の提案で全員ここで泊まることになった。

・・・布団無いのにな、それに、今日は2人分多めに作らないと駄目か、少し面倒だが、やるか。

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