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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、山の妖怪達編、第2章、山の妖怪のルーツ
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悟り妖怪の里

楓の案内で、俺達は悟り妖怪の長がいるという場所に向かっている。

悟り妖怪は心を読む妖怪、確か伝承では毛むくじゃらの猿みたいな感じだったか。

まぁ、1度死ぬ前に同僚の妖怪マニアに教えてもらっただけだがな。


「こっちなんだ、ふーん・・・ところで、俺も一緒に行って良いのか?」

「あなたも案内するように擂様に指示されましたので」


何で擂はイーリアも案内するように指示を出したんだ?

まぁ、そうだな、イーリアも客人だし、当然かな。


「それで、悟り妖怪ってのはどんな見た目なんだ?」

「見た目は俺達みたいな妖怪と殆ど同じだ、ただ、目の色が変わるみたいだが」


目の色か、変わったら心を読む、とかか? ふむ、しかし、悟り妖怪は猿を更に人間に近づけた

見た目だったと思うが、やっぱり伝承と実際は違うんだな。


「あ、そろそろです、確か、洞窟を越えたら悟り妖怪の里です」


そこには小さめな洞窟があった、人1人がギリギリ入れるほどの大きさだ。

これは、同時に入るのは無理そうだな。


「ここは1人1人入りましょう、同時には無理ですし」

「じゃあ、あたいが1番だ!」


そう言うと、水希は1人で洞窟に入っていった。


「1人は止めろって!」


その後、イーリアが急いで水希を追いかけるために入っていった。


「じゃあ、私達も入りましょう」

「そうだな、先に入るか? それとも後か?」

「じゃあ、後でお願いします」

「分かった」


俺は暗い洞窟の中に入った。

その後茜が、その後ろに楓が入ってきた。


「ふむ、暗いわね、何だか落ち着くわ」

「お前は幽霊だからな」

「まぁ、そうよね、本来幽霊って暗いところにいるはずだしね」

「そうだな」


まぁ、暗い中で見える幽霊の大概は人間が不安で見る幻覚らしいがな。

でも、やっぱり幽霊ってのは暗いところが安心するらしいな。

そして、その狭い洞窟を抜けると、そこは楓が言っていたとおり、広く、綺麗な里が広がっていた。


「こりゃすごい、あの洞窟から出ると、こうなるのか」

「悟り妖怪はかなり頭が良いですからね」


その言葉が示すように、ここは確かにかなりの文明だった。

テレビの様な機械も存在している、そして、その前には沢山の人の様な者達がいた。


「何者だ?」


そんな風景を見ていると、洞窟の近くの女の人が近寄ってきた。

目の色は緑、髪の毛は白く長い、服装は緑で、上に白色の上着を着ている。

スカートも白で、スカートの端は緑色の線がある。


「・・・・・・悪意は無いみたいだな、1人だけ読めない奴が居るが」

「誰だ?」

「あなただ、心が全く読めない、流石は神だな」

「お、周りの奴らの心から俺が神だと読んだか?」

「そうだ」


そう言うと、この女の人の目の色が白に変わった、どうやら緑色の目は読んでいる時みたいだな。

しかし、やっぱ伝承とは全く違うな、毛が生えている訳ではないしな。


「一応言っておくが、私達は人間を襲ったりはしない、そもそも人間を食べたりもしない」

「わ、私が思ったことだ・・・はぁ、すごいなぁ、本当に心が読めるんだ」

「あぁ、だが、強くは無いぞ」

「今度は俺の心を読んだか、しかし、本当にころころ目の色が変わるな」

「それが我々の特性だ、まぁ、確かに私達、悟り妖怪は疑心暗鬼の具現化だ

 だが、疑心暗鬼はそこまで無い、なんせ心が読めるのだから」

「あ、私が思ったこと」


ふむ、確かに心を読めるみたいだな、流石は悟り妖怪。

だが、俺が思ったことを指摘しないところを見ると、本当に俺の心は読めないんだな。


「あぁ、私は悟り妖怪の主だ」

「へぇ、幽霊の私の心も読めるのね」

「あぁ、一応話してやる、付いてこい、私の屋敷に案内しよう」


そう言うと、その女の人は俺達を案内してくれた。

その間、他の悟り妖怪も見てみたが、全員、何度か目の色を変えている。

やっぱり俺達の心を探りたいのか、流石は疑心暗鬼の具現化だな。

それにしても、色んな奴が居る、目の色の変わり方もバラバラだな。

ある者は白が緑、ある者は黒が白、ある者は茶色が赤、これも個性なんだろう。

そして、1つ分かったことがある、それは目の色と髪、服の色合いが一致していることだ。

黒が白に変わる悟り妖怪は、黒髪、服の色合いは黒が大半で、柄に白が混ざっている。


「ふーん、こんな法則性があるんだな」

「何がですか?」

「悟り妖怪の服と目だ、しっかり見たら分かるだろう」

「うーん・・・分かりません」

「あぁ、そうか、まぁ、そんなに重要な事じゃ無いし、気にするな」

「ここだ」


そこはかなり大きな建物だった。


「おぉ、デカい!」


外観はかなりの物だ、しかし、それ以上に驚いたのは内装だった。

巨大なテレビ、巨大なラジオ、情報を収集する為の電子機器がかなりあった。


「これは何ですか?」

「これはテレビ、これはラジオだ、相手に会わないでも声が聞えたり、姿が見えたりする

 まぁ、人間にはまるで縁の無い物だろうがな」

「へぇ・・・圭介様は知ってます?」

「あぁ、知ってるぞ」

「馬鹿な!? これは我々悟り妖怪が自力で考えた機械だぞ?」


かなり驚いてるな・・・あぁ、そうか、考えてみたらこの世界にはテレビはここしか無いのか。


「ま、まぁ、あれだ、俺も同じような物を見たことがあるんだ」

「・・・はぁ、心が読めないのは少し怖いな・・・まぁ、良い、神を疑う必要は無いか」


そう言うと、女の人は席に座り、一言呟いた。


心桜こころだ、私の名前、気になっていたんだろ?」

「そうか、俺達の自己紹介は・・・要らないよな」

「あぁ、全部分かっている」

「用件を言うべきか?」

「問題は無い、村を襲わないで欲しいんだろ? そして、我々悟り妖怪の正体を知りたい、そうだろ?」


流石は悟り妖怪だ、全部丸分かりか。

まぁ、俺の心は読めないみたいだがな。


「では、一応話しておこう、我々悟り妖怪の正体を」


そう言うと、心桜は悟り妖怪の話を始めた。

悟り妖怪のルーツ、何故こんな妖怪が生まれたのか、確かに興味はあるな。

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