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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第2章、ちょっとずつ
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山に向かう下準備

俺達が飯を食っている最中だった、丁度そのタイミングに久里が姿を現した。

どうにも仕事が多少落ち着いて様で、来たらしい。


「丁度あたしもお腹が空いてたんだ、悪いけどあたしにもくれないかい?」

「いいぞ、いつもちょっとだけ多めに作ってるからな」

「流石だねぇ~」

「まぁ、癖だからな」


この癖は昔、俺の母さんがそういう風に作っていたから身についた癖だった。

いつも無駄に多く作って、それを俺と父さんが多少無茶をして食べていた。

何だかんだで、良い思い出だ。


「さて、ほら、これくらいでどうだ?」

「十分だよ、ありがとね」

「はいはい、それで、傘下の狸はどうした?」

「働き詰めで寝てるよ、それに、大人数で押しかけるのもどうかと思ったしね」

「そうか」


花木はいっつも傘下の兎を神社に連れてくるのにな。

その度キキやキャンにビクついてる、それでも来るんだからな。


「そういえば花木さんの他の傘下の兎ちゃん達はどうしたんですか?」

「あの子達はまだ人間になれないからね~、山でのんびりしてるよ」


ふむ、まぁ、そうだよな、人間じゃないと餅なんて突けないしな。

でも、何だかかわいそうだ、寂しいと死んじゃうんだったよな?


「・・・じゃあ、兎と遊べる場所でも作れば良いじゃないか」

「どういうこと~?」

「団子屋に少し大きめのそういう場所を作ってみるんだ、そうしたら他の奴も来れるだろ?」

「あ、確かに良い考えかも~、流石は圭介だね~」


まぁ、元の世界の猫カフェとかの兎バージョンってだけなんだがな。

この世界には浸透してないし、良い革新になるかもしれないな。


「よし、じゃあ、早速明日お店の改装を!」

「ちょっと待ってくれ」

「どうしたの~?」

「いや、実は頼みたいことが」

「いいよ~!」

「まだ内容を言ってないが?」

「どんな内容でも従うよ~、それに、圭介のお願いが変な事の訳ないしね~」

「そ、そうか、まぁ、一応内容も伝えておく」


俺は花木に明日の計画と少しの間キキ達の世話をして欲しいと言うことを伝えてみた。

しかし、まさか内容も聞かずに了承してくるとは思わなかった。


「うん、わかったよ~、圭介達が帰ってくるまでお世話をすれば良いんだね~?」

「あぁ、あと、ちゃんとキキとキャンにも飯を食わせてやれよ?」

「そ、それは・・・ちょっと怖いかな~」


前撫でてたときには可愛いとか言ってたのにな、まだ苦手なのか。


「じゃあ、飯を用意して、食わせるのはサラ達にお願いしてくれ」

「あ、それなら大丈夫だよ~」

「良かったですね! 圭介様! これで安心してあの山の調査に行けますよ!」

「あぁ、そうだな」

「ふむ、じゃあ、あたしは傘下を軽く動かして、花木の店を大きくしとくよ」

「いいの~?」

「あぁ、お前とあたしの仲だからね、金は要らないよ」

「わーい!」


さて、これで準備は整ったか。

明日は山登りかだ、まぁ、ハイキングみたいに軽いもんじゃないだろうがな。

そして、翌日、俺達は山に行く準備を始めた。


「これと、これと、あ! これも持って行こう!」


茜は沢山のお菓子を鞄に詰めている。


「おい、茜、俺達は遠足に行くんじゃないぞ?」

「わ、分かってますけど、お菓子も食べたいですし」


茜は少しがっかりした表情を見せた。

このままだと茜の調子も落ちそうだな・・・仕方ないか。


「はぁ、仕方ない、持ってっても良いぞ」

「本当ですか!?」

「ただし、300文分だけだぞ?」

「はい!」


昔はおやつは300円までとか言われてたし、こんなもんだろう・・・

そういえば、菓子って3文で買えたよな・・・ちょっと多すぎたか。

・・・いや、50文で花木の団子は買えるし、こんなもんか・・・


「あ、そうだ茜ちゃん、このお団子あげるね~」

「あ、ありがとうです、良く持ってきてましたね」

「今日作ったんだよ~」


花木は箱に入った団子を渡してきた、団子は6つほど入っている。

1本が50文だし、丁度300文か。


「じゃあ、出来たてですか!?」

「うん、あ、それと、こっちは圭介の分だよ~」

「ありがとう」


俺にも箱を渡された団子は明らかに茜の団子よりも数が多かった。

個数は同じで6本だが、茜は3つ、俺のは4つほど団子が刺さってるし。


「あ、あれ? 圭介様の方が多くないですか?」

「多くしたからね~、だって、子どものはあまり食べないでしょ~?」

「そ、そうですけど・・・」

「それと~、渡したお団子を買おうとしたらそれが丁度300文位なんだよ~?」

「あ、そうなんですか、じゃあ良いです」


良いのかよ、となると俺は300文をオーバーしている訳か・・・まぁ、良いか。

貰った物を粗末にするのもあれだしな。


「ふっふっふ、兎さん印の美味しいお団子だから安心してね~」

「何か印って付くと美味しそうですよね」

「そうかなぁ・・・まぁ、そういう事にしとこう」


そういえば餅と団子って作り方が違うよな、兎は餅をつくはずなのに何で団子屋?


「なぁ、餅と団子って違うよな、作り方も材料も」

「え? そんな事無いよ~、私達はお餅を団子にしてるからさ」

「ほう、そんな事が出来るのか」

「お餅は私達、妖怪兎の独壇場だからね、お餅で私達に勝てる妖怪も人間もいないよ~」


お餅とかに関しては妙に自信満々で答えるよな。

それだけ餅を突いたり加工するのが得意なのか。

それに上質な木材集めも出来るし、妙にスペックが高いな、妖怪兎は。


「妖怪は性能高いんだな」

「あはは、そうだよ~、でも、私達は戦闘向けじゃないんだよね~」

「そうなんですか?」

「うん、久里ちゃん達みたいに化けれたりはしないし、そんなに力も無いんだよ~」

「まぁ、そうだろうな」


兎が化けるなんて聞いたこともないし、それに力も無さそうだ、精々脚力が高いってイメージしかない


「あぁ、一応妖刀の妖怪にも話をしとくか」

「そうですね・・・それにしても妖刀の妖怪って何か、呼びにくいですよね」

「な、何だよ、なんで私の前でそんな会話をしてるんだよ」

「いや、だって、この話題の中心はお前だし、妖刀の妖怪」

「た、確かに口に出されて言われるとあれだな」

「まぁ、軽く名前を付けとくか」

「は!? おい、勝手に!」


何かあいつが文句を言ってるが、無視してと。

妖刀の妖怪だし、単純に洋子?、いや、それだと大概の妖怪が当てはまるし。

しばらくの間、頭を悩ませ、ようやく名前が出てきた。


「よし、今日からお前は刀子とうこだ」

「何だよ! その単純な名前! もっとこう、あるだろ!」

「例えば?」

「え、えっと・・・華姫はなひめとか・・・」

「・・・華姫?」

「お前は刀の妖怪だろ、なんで姫なんだよ」

「良いじゃないか! お姫様とかにちょっとくらい憧れても!」


荒い口調の割には乙女チックな奴だ。


「あれね、茜と戦ってたときは結構威厳があったのにね」

「あ、お姉ちゃん、おはよう」

「おはよう」

「どんな感じだ?」

「妖怪は人間の天敵であるべきだ! とか、妖怪の面汚しめ! とか言ってたわ」

「み、惨めになるから止めてくれぇ!」


ふむ、そんな事言ってたのに今ではお姫様に憧れても! か、どっちが本当のこいつなんだ?

とか思ってみたが、まぁ、ほぼ確実にこっちが本当なんだろうな。


「まぁ、いいや、じゃあ、華姫で」

「そうですね、華姫さん、良かったですね!」

「止めてくれ! 分かった! もう刀子で良い! それで良いから華姫は止めてくれ!」


刀子は顔を真っ赤にして止めて欲しいと頼んできた。

やっぱり恥ずかしいんだな、まぁ、これ以上いじる必要も無いだろう。

俺と茜はこいつの名前を花木達に伝え、山に向かった。

よし、やり過ぎないように頑張らないとな。

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