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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第2章、ちょっとずつ
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夢がでっかく、目標は小さく確実に

俺達は朝飯を食い、とりあえず茜の修行をすることにした。

流石に刀をろくに振れないんじゃあ話しにならないからな。

まずは基本の素振りからだ。


「うし、じゃあ、刀を振る事の見本を見せたいところだけど、俺は無理だぞ?」

「何でですか?」

「俺が刀を振ると四宮神社がボロボロになるかもしれないしな」


俺は今、神様だ、この状態で下手に刀を振ると、一体何が起こるか分らない。

書物には能力は駄目だと書いてあったが、振るとかは触れてなかったが怖いしな。


「あ、私も無理だよ~、刀なんて振ったことないしね~」

「あたしもだね」

「あたしも!」

「私もです」


どうやら誰も武器を扱ったことは無いようだ。


「私は振ったことがあるから知ってるけど、幽霊の状態だとね」


幽霊に実体は殆ど無い、だから妖怪とかの例外を除いて殆ど触れる事は出来ない。

て言うかそもそもあの武器は幽霊、妖怪に特効だし、妖怪や幽霊が扱えるのか?

いや、多分無理だ、それは作った本人の俺がよく分ってる。


「そんなぁ・・・じゃあ、私は何を見本にすれば良いんですか?」

「そうだな・・・じゃあ、茜、神降ろしをしてみてくれ」

「出来るでしょうか・・・」

「まぁ、それを確認するためでもある、試してくれ」

「分りました」


茜は目を瞑り、意識を集中した、そして、茜の声が聞えてきた。

なるほど、こうやって呼びかけるのか、俺はその声に応え、茜に降りた。


「ん、お?なんか視点が変わったな」

「あ、茜ちゃんの口調が圭介の口調になったよ~、それに光ってるしさぁ~」

「あぁ、なるほど、体の主導権は俺にあるのか、てか、光ってんのか?」

「うーん、変な気分です」


そして、茜の声が再び聞えてきた。

どうやら俺が降りている状態でも茜は意思があるようだ。


「うーん、体が動きません」

「目は見えるのか?」

「はい、周りの音も目もしっかり見えます、あ、普段よりも鋭く見えるかも」


どうやら身体的な能力向上は茜にも実感が出来るようだな。

となると痛みとかも茜に影響するんだろう・・・

ふむ、神降ろしも意外と欠点があるもんだ。


「うーん、しかし、身体強化はどれだけなんだろうか・・・花木、こっち来てくれ」

「ん?なに~?」

「ん」


俺は身体強化の力を使い、ちょっと花木を持ち上げてみた。

なんか、そこら辺の小動物を持ち上げたくらいの軽さだったな。


「お!?おぉ~!私、茜ちゃんに持ち上げられちゃってるよ~」

「随分軽そうじゃないか」

「あぁ、兎状態のこいつを持ち上げてるときより軽いぞ」

「すごいです!花木さんが軽々と!」


茜は妙にテンションを高くしてそう言った。

まぁ、こいつが人間状態の花木を持ち上げるなんて普通出来ないからな。


「と、うん、軽く強化しただけなのに大したもんだ」

「あれで軽くなんですか!?じゃあ、最大限に強化したら!?」

「多分、大岩を動かせる」

「おぉ!!」

「でも、やり過ぎると茜の体が壊れるぞ?」

「あ、それはいやです」


まぁ、当然だよな、とにかく神降ろしが出来ると分っただけでも収穫だな。

さて、次は刀の振り方か。


「よし、じゃあ、この状態で刀を振るぞ」

「はい!」


俺は刀を取り出した。

結構軽めだな、いや、身体強化してるからか。


「よし、行くぞ」

「むむむ」


俺は刀を鞘から出し、軽く振って見せた。

思ってた以上に振ったときに体を持って行かれなかった。


「どうだ?」

「流石に1回だけじゃあ、分りません」

「あぁ、そうか、じゃあ、何回か振るからな」

「はい!」


俺は何度も刀を振って見せた。

20回ほど振ったときに思ったが、このまま振ってたら茜の筋力とかも上がらないかな?

茜の体で振ってるわけだし、と思ったが、こういうのは自分でやって初めて意味をなす。

やっぱ、茜が自力でやった方が良いだろう。


「よし、こんな所だ、分ったか?」

「はい、少しだけ」

「じゃあ、戻るぞ」


と言っても、戻る時ってどうするんだ?

こういうのは大体念じたら戻れるのか?

俺はとりあえず茜の体から出るように念じた。

すると、体の感覚が変わり、いつもの感覚が戻ってきた。


「あぁ、戻ったら前までいた場所に出てくるんだね」

「そうみたいだな」

「ひゃっほーい!」


俺が元の場所に戻ったと同時に花木に久里に引っ付いていたサラが俺に引っ付いてきた。


「あはは!すごいね!神様って!いきなり消えたり出てきたりして!」

「そんなすごい神様に、なんの躊躇いも無く引っ付くお前もすごいよな」

「あたしはすごいからね!」


あまり引っ付くなと言うことを遠回しに言ったんだが、サラには分ってもらえなかったようだ。

まぁ、こいつは姉の四季と違って馬鹿だから仕方ないがな。


「よーし!さっきの感覚を忘れないうちにやるぞぉ!」


茜は自分に気合いを入れると、刀を振り始めた。

昨日の素振りとは違って、少し振るのが速くなっている。

どうやらさっきので少しだけ感覚を覚えたみたいだ。

実際持って、振る、という感覚を感じてたんだから当然か。


「おぉ、結構良い感じじゃないの」

「圭介様を降ろしてた時にしっかりと感覚を覚えました!刀を触ってるって言う

 感覚もしっかりとありましたし!」


やっぱり、俺の考えは当っていたな。

だけどまだまだだな、何度かやっていかないといけないだろう。

そして、今日の修行は3時間に及んだ、よくこれだけの間刀を振っていられたな。


「はぁ、はぁ、まだまだ!」

「ちょっと待て、流石にこれ以上は止めとけ」

「大丈夫です!まだいけます!速く四宮の巫女に相応しい巫女にならないと!」


茜はかなり必死のようだ、どうにも昨日の妖怪退治が堪えたようだな。


「とにかく止めろ、これ以上は体が壊れるぞ」

「でも!」

「お前が速く成長したいという気持ちは分った、確かに大切なことかもな

 でも、適度に力を抜くのも大切だ、焦って体を壊した、じゃ意味が無い」

「私の夢なんです、お姉様みたいに強くなって

 四宮の巫女として恥ずかしく無い様になりたいんです、それが私の夢なんです」


ふむ、ちょっと前まで修行、しんどいです!とか言ってた奴がな。

昨日のあれがきっかけでここまで変わるか。


「まぁ、確かに大きな夢かもな、でも、夢はでっかく、目標は小さく確実にだ」

「へ?」

「夢に繋がる目標はを小さくても確実に成功させていくんだ

 そんな小さな事が夢に繋がる、ただひたすらに自分を追い込むのが良いことじゃない」

「うぅ・・・」

「それに、立派な巫女になるのに神様の忠告を無視するのはよくないぞ?」

「・・・はい、そうですね、ありがとうございます」


茜はそう言うと、少し笑って、こっちにやってきた。

そして、縁側に座り、お茶を飲み始めた。


「よし、それで良い」

「やっぱり私には圭介様がいないといけませんね」

「そうだな」


そうして、俺達は夜になるまでのんびりと過ごした。

さて、今日も村の警備か、今度こそ仕留めれると良いが。

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