散々な1日の始まり
茜の相談に乗った俺は、ゆっくり寝ることにした。
しかし、茜に相談なんてされたのは初めてかもな。
まぁ、悪くない、そして、次に目が覚めたのは、午前6時だった。
「あぁ、もう朝か・・・はぁ、こりゃあ、動けそうにないな」
相変わらず花木達は動いていなかった。
まぁ、こいつらがそんなに早起きとは思えないしな。
仕方がないし、少しの間待ってみるか。
「はぁ、重いな・・・全く」ゴソ
そんな事を言っていると、布団がゴソッと動いた。
どうやら誰かが起きたようだ。
「うーん、暖かいなぁ・・・!!!ぎゃーーー!!!」ボン!
「ごふぁ!!!」
いきなり兎の1羽が目覚めたと思うと、人間化して大暴れし始めた。
俺の腹の上で・・・ゲホ、腹痛ぇ・・・。
「ぎゃーーー!!ぎゃーーー!!」
「ごふぁ、あ、暴れるな!暴れ、ぐふぁ!」
「狐!食べられる!!!」
「止めろっての!」
大暴れをしているせいで、周りの兎も目を覚まし、同時に大暴れを始めた。
どうにも、その大暴れで茜も目を覚ましたようだ。
「あわわ!何!何ですか!!??」
「うぐ・・・腹痛ぇ・・・」
兎たちは散々大暴れしたあと、ようやく落ち着いたようで静かになった。
それにしても、なんでここから離れないんだよ・・・クソ。
「あぁ、圭介、大丈夫~?」
「大丈夫じゃない、腹が痛い・・・」
「えっと、その・・・ごめんなさい!」
「うぅ・・・にしても何で俺の上で暴れるんだよ・・・」
「その・・・あの・・・焦り過ぎちゃいまして・・・」
「焦りすぎたらって人(神)の上で暴れるな」
「ごめんなさいーーー!!!」
朝から散々な目に遭ったぜ・・・はぁ、兎と狐を同じところで寝かせちゃいけないな。
「はぁ、酷い目に遭った・・・」
「散々ですね・・・あれ?でも神様なら自分の運とか操れるんじゃないですか?」
「あのな、運ってのは偶然の産物だ、だから操れない、ま、引き寄せることは出来るがな」
「どうするんですか?」
「そうだな、色んな情報を集めてみたり、行動したり、確認したりして
偶然の方向性を確認してみたりな、まぁ、不可能に等しいんだけど」
「よく分かりません」
「だろうな、まぁ、気にしないで良いさ、のんびり過ごせばそれ、ごふぁ!!!」ドン!
「あぁ!圭介様!!」
「あははは!!待て待て!」
俺は後ろからキャンを追いかけ回しているサラに思い切りぶつかった。
あいつは朝っぱらから元気だな・・・うーん、ちょっと痛いな。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「あぁ、この程度じゃ問題な」
「駄目だよ!サラちゃん!」グリ!
「ごふぁ!!!」
「あぁ!!!ごめんなさい!!!大丈夫ですか!!!」
「あ、あぁ・・・大丈夫だ・・・」
少しだけ背中が痛いがな・・・まぁ、少しだけだが。
「本当にごめんなさい!!」
「良いから、ほら、速くサラを追いかけろよ」
「あ、はい!サラちゃん!!」ダダダ!
あぁ、何か今日は本当に運が悪い・・・何かやったっけ?
「あの・・・大丈夫ですか?圭介様、今日は本当に運が悪いですね」
「あぁ、神様も大変だな・・・」
神様でも運を操れないからな、いや、まぁ、信仰次第ではその内運も操れるかもしれないがな。
神様は信仰の力が全てだし。
「はぁ」ぱん、ぱん
「結構余裕そうですね」
「たかが妖精に踏まれたりぶつかった程度で大したダメージはないさ」
まぁ、ちょっと痛いけどな、まぁ、上で大暴れをされたら流石に痛いがな。
「よし!私が今日のご飯を作ります!」
「え?」
「安心してください、料理の練習もしっかりしてましたから!」
「あ、あぁ・・・その、分ったよ」
不安が無いわけじゃないが、こういうときに否定するのはあれだからな。
まぁ、覚悟しようか・・・あ、そういえば客人も来てるんだった・・・まぁ、あいつらなら良いか。
「おはよう~」
「いや、お前は散々俺を踏みつけただろ・・・」
「ごめんってば~、反省するから嫌いにならないでよ~~!!」
「分ったから泣くな」
はぁ、まさか泣かれるとは・・・
「花木が泣くなんて珍しいね、あと、茜ちゃんは何処だい?」
「台所」
「え?茜ちゃんって料理できたんだ」
「一応・・・まぁ、多分大丈夫だろう!」
「・・・何だか不安になってきたんだけど?」
「・・・まぁ、茜を信じてくれ!」
「あぁ、そこまで必死に信じないといけないのかい・・・」
「まぁ、大丈夫だって・・・多分」
「茜ちゃんの料理か~、楽しみだね~」
花木は随分わくわくしているな・・・まぁ、ガクガクされるよりマシか・・・
でも、何か少しずつ不安になってくる・・・少しだけ見てみるか。
「えっと、お水はどれ位だったかな・・・えっと、㎖?なんて読むの?」
あれは、俺が作った料理本だ、前に茜に料理本を作ってくださいと言われたからな。
そん時に作ったんだが、どうやら単位が分らないようだ。
「まぁ、いいや、えっと、あぁ!お水を600杯入れるのかな?多いなぁ・・・」
実際多いからな、そんなに入れたら鍋からあふれるに決まってる!
どうする?止めるか?いや、待て、まだだ、まだ慌てるな俺!
もう少しの間、見守ってみるか。
「うーん、流石に600杯は多すぎだなぁ、後にしようそれより先に
調味料を?今度はg?なんて読むんだろう?うーん、料理って難しいなぁ・・・」
あぁ、グラムのあれも読めないのか・・・うーん、昔の料理の表記って何だ?
さっぱり分らん、それにしても、このままだとヤバいぞ、細かく教えるか?
いや、グラムやミリリットルとかの説明ってどうすれば良いんだ!?
ヤバい、俺はグラムとかミリリットルとかのそれが書いてあるような機材はない。
「うーん、とりあえず書いてるだけの具材を入れよう!・・・?
塩とかってどうやって数えるんだろう・・・粒を数えるのかな?」
どうたったらそんな発想になるんだよ・・・キリが無いだろ・・・
「圭介様はこんな作業を短期間にしてたんだ・・・凄いなぁ・・・」
どうしよう、どうやって説明する?俺は料理とかは感覚的にしてたからな・・・
測ってなかったし、うーん、計る機材を作ってみるか?
いや、でもどうなってるかなんて知らないしなぁ・・・
まぁ、直接教えてみるか。
「おい、茜」
「あ!圭介様!丁度よかったです!この記号は何ですか?」
「えっと、それはミリリットルで、こっちはグラムだ」
「みりりっとる?ぐらむ?何ですか?」
「いや、その、正直悪かった、直接教えるよ」
「そうですか?ありがとうございます!」
俺は茜に細かく教えてみた、しかし、さっぱり分らなかったようだ。
まぁ、それでも、一応作ることは出来たようだ。
「よし!出来ました!」
「はぁ、誰かに物を教えるのは難しいな」
そして、俺達は皆で茜の料理、と言っても7割俺がやったけどな。
まぁ、真っ黒い炭が出来るよりはマシだろう。
自分で言うのは何だが、結構美味しかった。




